ガチャ222回目:スキルの振り分け
「ああそうだ。せっかく『剣の心得』と『剣術』スキルがあるんだし、上書き検証も兼ねて使ってみようか」
「え、ほんとにするの?」
「普通なら勿体無いと言うところですが、こんなにありますもんね……」
「ご主人様にしてみれば、『剣術』スキルは『ファイターゴブリン』を20体倒せば得られるという認識ですからね」
「旦那様のストイックさには痺れますわ!」
いつものように持ち上げてくれるアヤネを撫でつつ、使い先を考える。
「俺とアイラは『剣術』が結構なスキルレベルになってるから除外するとして。アキは格闘武器で、マキは槍、アヤネは杖だもんな。……ちなみにだけど、槍を剣として拡大解釈したり、拳に刃をつけて剣として扱ったりって出来るかな? ああ、あとは時代劇とかでよく見る仕込み杖もありだな」
「ええー? また突拍子もないこと考えるわね。うーん、どうだろ……」
「槍は持ち方次第で、刺突剣のような扱いは出来るかもしれません。けれど普段の戦闘で『剣術』の対象として扱うのは難しいと思います。ですが、刃のついた格闘武器は実際にありますよ」
「それから仕込み杖ですが、わたくしがお世話になってる工房では作られていなかったと思いますの」
ふむ、槍と杖はなし。格闘武器はワンチャン有り、と。
「そうですね。格闘武器でしたら、私の知り合いにもそういった武器種を好んで使う者がおりました。武器の名称としては『カタール』や『ジャマダハル』が該当しますね。アキ様が取得しても、そこまで大きな無駄にはならないかと」
「ええー、あたし!?」
「じゃ、そういうことでよろしく」
「はぁ……。はいはい、わかったわよ」
まずは『剣の心得Lv1』を1つ取得してもらい、次に『剣術Lv1』を取得してもらう。
「どう?」
「噂通り上書きされたみたいで、『剣術』のスキルしか見当たらないわ」
「じゃあここに『剣の心得』を再取得してみて」
「ん。……スキルオーブは消えたけど、スキルに反映はなし」
「んじゃ『圧縮』して……。今度はこっちの『剣の心得Lv2』はどう?」
「……ダメね。『剣術』の方が強いみたい。取得しても消えるだけのようよ」
「そうか……」
レベルのないスキルのような感じで、4つ重ねれば成長するように、何かしらストックされてる可能性も考えたんだけど……。それも起きないか。
いや、待てよ? このスキルの限界値は20なんだ。合計21個与えた場合でも、変化はないのか?
「試してみる価値はあるな……」
「ちょっと、今度は何考えてんのよ」
アキが警戒するように自分の体を抱いた。
俺が考えたことを告げると、皆して目を丸くする。
「じゃあなに、あと17個『剣の心得Lv1』を無駄にしろって事!?」
「うん。でももしそれで『剣術』のスキルレベルが上がったら、ある意味快挙じゃない?」
「確かにそうだけど……」
もしそうなったなら、夢が広がるし、『真鑑定』のスキルレベルが上がればその情報も見れるかもしれない。うーん、楽しみだ。
「じゃ、次は数の多い物から『圧縮』していこうか」
まず。
『剛力』129個。
『剛力Ⅱ』2個。
『剛力Ⅲ』3個。
これらを『圧縮』し……。
『剛力』1個。
『剛力Ⅱ』6個。
『剛力Ⅲ』2個。
『剛力Ⅳ』2個に。
次に。
『鉄壁』153個。
『鉄壁Ⅱ』1個。
『鉄壁Ⅲ』2個。
『鉄壁Ⅳ』1個。
これらを『圧縮』し……。
『鉄壁』1個。
『鉄壁Ⅱ』3個。
『鉄壁Ⅲ』3個。
『鉄壁Ⅳ』3個。
最後に『追跡者』125個。これを『圧縮』し……。
『追跡者』1個。
『追跡者Ⅱ』3個。
『追跡者Ⅲ』3個。
『追跡者Ⅳ』1個に。
最後に覚えられるスキルを取得していき……。
俺は『剛力Ⅲ』1個と『剛力Ⅳ』2個で『剛力Ⅳ(2/3)』に。『阿修羅Ⅱ』1個。『瞬迅Ⅲ』1個。『鉄壁Ⅲ』1個で『鉄壁Ⅳ』に。『城壁Ⅲ』1個で『城壁Ⅳ』に。『金剛体Ⅱ』1個。『剣術Lv1』1個と『剣術Lv4』1個で『剣術LvMAX』に。『追跡者Ⅳ』1個。『破壊の叡智』2個で『破壊の叡智Ⅱ』に。『王の威圧Ⅲ』2個で『王の威圧Ⅲ(2/3)』に。
アヤネは『回復魔法』を自主的に使ってくれたので、『鉄壁Ⅳ』1個。『城壁Ⅳ』1個だけ。
アイラは『剛力Ⅱ』3個で『剛力Ⅲ』に。『怪力Ⅲ』3個で『怪力Ⅳ』に。『阿修羅』1個。『鉄壁Ⅳ』1個。『城壁Ⅲ』1個。『金剛体』1個。『剣術Lv1』3個と『剣術Lv3』1個で『剣術LvMAX』に。『破壊の叡智』1個。
アキは『剛力Ⅲ』1個。『怪力Ⅱ』1個。『迅速』1個。『鉄壁Ⅲ』1個。『城壁Ⅱ』1個。『体術Lv2』1個。『格闘術Lv2』1個。
マキは『怪力Ⅱ』1個。『迅速』1個。『鉄壁Ⅳ』1個。『城壁』4個で『城壁Ⅱ』に。『槍術Lv3』1個。『統率Ⅲ』1個。
最後にエンキには『盾術Lv2』1個を『統率Ⅱ』と入れ替えした。
せっかくエンキが盾2本持ちをしているのだから、『盾術』スキルはどうしても覚えさせたかった。けど必要ないスキルも無いため、『統率Ⅱ』を外す代わりにマキが『統率』を『統率Ⅲ』にアップグレードする事でバランスを取る。マキの戦闘能力だけ少し低下するが、戦いにはほとんど影響しないという事で、マキは二つ返事で了承してくれた。
これで残りのスキルは……。
『剛力』1個。
『剛力Ⅱ』3個。
『怪力』2個。
『怪力Ⅱ』1個。
『俊足』2個
『俊足Ⅲ』1個。
『迅速』2個。
『迅速Ⅲ』1個。
『鉄壁』1個。
『鉄壁Ⅱ』3個。
『鉄壁Ⅲ』1個。
『統率』2個。
『統率Ⅲ』1個。
『剣の心得Lv1』3個。
『剣術Lv1』1個。
『追跡者』1個。
『追跡者Ⅱ』3個。
『追跡者Ⅲ』3個、と。
うーん、だいぶ減ったな。
「この残った『統率Ⅲ』だけど、アキには使わずにしばらくキープで。マキには悪いけど、アキはしばらく今の無印のままで頼む」
「理由を聞かせてくれる?」
「ああ、俺がまだ有り余る力を上手く扱えていない事は、皆も理解してくれてると思う。だから今の2倍の上限値に、ある程度練度が追いつくまでは、目標倍率は固定値のままでいさせて欲しいんだ」
「そういうことですのね」
「良いんじゃないかしら。ただでさえガチャの力でポンポンとステータスが上がっていくんだもの。それくらい対策しないとイタチごっこよね」
「私たちも、最近は急激な成長を経験していますし、そこから2倍となったステータスに練度が到底追いつけてはおりません。共に励んでいきましょう」
そういえばアヤネもアイラも、黄金の実で急激に成長していたよな。
特にアヤネは、レベルが低かったこともあってこの短期間で100以上もレベルが上がってるし。境遇としては俺と似たような状態なのかも。
「ベテランのアイラに聞くけど、良い修行方法とかある?」
「それは勿論、実戦に勝るものはありません」
「ですよねー……」
ま、簡単にはいかないよな。
「さて、スキル調整の締めくくりに、取得したスキルの『圧縮』を試してみますか」
【スキル圧縮を使用しますか?】
「使用する」
【該当のスキルを確認中……】
【該当のスキルを確認】
「おっ」
【該当のスキルを圧縮中……】
今回は色んなスキルを覚えたからな。どんな変化があるかな……。
楽しみだ。
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