ガチャ193回目:知らない草原
一瞬の空白を挟み、意識が覚醒すると同時に視界が晴れていく。目を覚ますとそこは、第二層の草原であるようで、何かが致命的に違う、そんな空間だった。そんな明確に言い表せない何かが、不安となって押しかかってくる。
だが、すぐそばに感じ慣れた温もりがあることに気が付いた事で、不安は自然と和らいだ。立ったまま眠っているかのような様子のアヤネとアイラを揺さ振り起こす。
「二人とも、起きて」
「ふわっ。……旦那しゃま?」
「……っ! ご主人様、ここは?」
「どうやら、鍵関連の場所に連れてこられたらしい。けど、『ダンジョンコア』の場所とは違うようだ」
『ゴ? ゴゴ!』
振り向けば、エンキが少し離れた場所にいた。俺達に気付いた彼がドスドスと駆け寄って来る。
「お、エンキもこっちに来てたのか」
『ゴ!』
「お前が置いてけぼりにされてなくて良かったよ」
『ゴゴ~』
一緒に居てくれる安心感もあるけど、あの場に置き去りにしてたらモンスターと勘違いされてえらいことになってたかもしれないからな。
改めて周囲を見渡す。足場は見慣れた草原、空も青空。だけど背後と左右は、少し距離を置くと蜃気楼でも見ているかのような歪みが見える。あの現象は気になるが、何が起きるか分からない以上確かめに行くのはナンセンスだな。逆に正面は歪みもない。まっすぐ進めという事だろうか。
「では、少し確かめてみますか」
アイラはどこからともなく短剣を取り出した。それには見覚えがあった。ゴブリンのドロップ品だ。彼女はそれを構え、真横にそれを投げる。短剣を目で追っていると、歪みに触れた瞬間短剣は消失した。
それと同時に、反対側から危険信号を察知し振り返ると、先ほどと全く同じ短剣がこちらに向けて飛来してきていた。
「やはりですか」
アイラは何事もなかったかのようにそれをあっさりキャッチすると、短剣をまじまじと見つめている。
「……ループしてるのか?」
「そのようです。金属には腐食も損傷も起きていないようですから、生身で入っても恐らく問題はないでしょう」
「えいっ! ですわ!」
アヤネは地面に落ちていた小石を拾って、歪みへと投げつけた。反対側から小石が飛び出てきたのを見て目を輝かせてる。
「すごいですわ!」
「お?」
今の小石、正確には真横にではなく、斜め前を向きながら投げられていたから、飛翔方向も維持されてこっちには向かってきていなかったな。なるほど。角度を計算すれば、『紫電の矢』で直列に並んでいないバラバラの複数敵をまとめて倒せるかもしれない。
「お気付きになりましたか。さすがご主人様です」
「アイラは他のダンジョンで、こういう経験があるのか」
「はい、ございます」
「頼もしいな。他に問題点があれば教えてくれ」
「まず第一に、この場所ではループしている始点と終点の距離が極端に近いです。目に見えている範囲でのループな上に、この草原では隠れられる場所がありません。ですので奇襲はないものとみて良いでしょう。第二に、遠距離攻撃は威力が落ちるまでループし続けますが、魔法は『意識から外れた瞬間』制御を失います。歪みに放り込んだらどうなるか分かりませんので、なるべく控えた方が良いかと」
「ふむふむ」
「最後に、こういった場所は歪みを発生させている大本がいるものです。それを倒せば、この場からは抜け出せるかと」
「つまりはボスか。分かりやすくて良いね」
「やってやりますわ!」
『ゴ!』
ここはボスが待ち構える専用の領域、奥には強敵が待っているだろう。
だが、逆を言えば進まない限りは相手は出現しないという事でもある。
「気合十分な所申し訳ないけど、ガチャ回すね」
「あ、そうでしたわね」
『ゴゴ……』
俺は筐体を呼び出し、ガチャを回す。
『ジャララ、ジャララララ!』
結果は白1、緑2、紫5、赤2だった。
『SR 器用上昇+60』
『SR 俊敏上昇+55』
『SSR 頑丈上昇+150』
『SSR 腕力上昇+90、器用上昇+90』
『SSR 頑丈上昇+85、俊敏上昇+85』
『SSR 魔力上昇+90、知力上昇+90』
『SSR スキル:弓術Lv1』
『UR 頑丈上昇+190、俊敏上昇+190』
『UR スキル:狩人の極意Lv1』
『SUR スキル:土の刻印』
「無料ガチャ」では青色のカプセルが4個、赤色のカプセルが1個。
『R 腕力上昇+22』
『R 器用上昇+25』
『R 頑丈上昇+22』
『R 知力上昇+25』
『SR 魔力上昇+60』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:8
腕力:6295(+3486)(+2798)
器用:5953(+3296)(+2646)
頑丈:6164(+3413)(+2740)
俊敏:6473(+3585)(+2877)
魔力:6543(+3626)(+2908)
知力:6689(+3707)(+2973)
運:3816
スキル:レベルガチャ、真鑑定Lv3、鑑定偽装Lv2、自動マッピングⅢ、鷹の目Ⅱ、知覚強化、金剛外装Ⅲ、身体超強化Lv2、物理耐性Ⅴ、剛力Ⅲ(2/3)、怪力Ⅳ、阿修羅、金剛力Ⅱ、俊足Ⅳ、迅速Ⅳ、鉄壁Ⅲ(2/3)、城壁Ⅲ(2/3)、金剛体、金剛壁Ⅱ、統率Ⅲ、予知Ⅱ、看破、二刀流Ⅱ、体術LvMAX、格闘術Lv6、剣術Lv5、槍術Lv8、弓術Lv3、暗殺術LvMAX、狩人の極意Lv3、跳躍Lv2、暗視、衝撃、鎧通し、縮地、忍び足、騎乗(1/3)、反響定位、魔力定位、念動力Lv1、元素魔法Lv3、空間魔法Lv1、泡魔法Lv1、水流操作Lv2、砂塵操作Lv4、回復魔法Lv1、極光魔法Lv4、宵闇魔法Lv2、混沌魔法Lv2、魔力超回復Lv1、魔力譲渡Ⅱ、力溜めⅡ、破壊の叡智(1/3)、魔導の叡智、炎の刻印、風の刻印、土の刻印、王の威圧Ⅲ、魔石操作(1/3)、弱体化、スキル圧縮(1/3)
武技スキル:紅蓮剣、紫電の矢
トロフィー:ホブゴブリン、マーダーラビット、ボスウルフ、ストーンゴーレム
管理者の鍵:525(1)、810(1)、810(2(1/2))、777
*****
『ボックスの残り 100/140』
順調に刻印シリーズが増えてるな……。
本番前に、軽く試すとするかな。
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