ガチャ166回目:押し寄せるスライムの波

「『紅蓮剣』」


 2本の『ハイミスリルソード』の刀身に煌々と焔が纏わり付き、洞窟とスライムを明るく照らす。


「まずは一発!」


『斬!』


 接近してきた『ヒュージーブルースライム』を2本の腕をクロスさせ、鋏のように切り裂く。『物理耐性』という目を引くスキルがあったが、少し刃が通りにくい感じではあるが、効かない訳ではなさそうだった。


『シュウウゥゥ』


 普通のモンスターなら今ので倒せていたはずだが、奴の身体はゆっくりと結合し、分断された箇所が結合されていく。これが『自動回復』のスキルか。厄介なスキルだな。……これ覚えたらどうなるんだろ? びっくりドッキリ人間になるんじゃないか?


「ご主人様、一気に攻め切りましょう。後続も控えています」

「そうだな、ちんたらしてる暇はなさそうだ」


『斬ッ!』


 中心を狙って切り捨てると完全に倒すことができる点は通常のスライムと変わらないようだった。

 1匹、また1匹と順調に切り捨てていき……。


「ビッグファイアーボール!」


 時折魔法を織り交ぜつつ、合計5体の『ヒュージーブルースライム』を撃破した。レベルも32から48へと上昇し、一息ついたところで、違和感が生じた。

 いつもならアイテム回収をしたアイラがやってきてもいいタイミングだったが、彼女の様子がおかしい。


「あれ、ドロップは?」

「ご主人様、それが……死体が消えていません」

「え?」


 振り返ってみると、5体の『ヒュージーブルースライム』から煙が立ち上り、死体を包み込んでいる最中だった。この挙動、そして煙を感知できない彼女達の現状。思い当たる節は1つしかない。


「気をつけろ、まだ来るぞ!」


 5つの煙は同時に膨張を起こし、そこから同じ大きさの別色のモンスターが這い出てきた。


*****

名前:ヒュージーコバルトスライム

レベル:45

腕力:450

器用:450

頑丈:450

俊敏:55

魔力:20

知力:20

運:なし


装備:なし

スキル:物理耐性、自動回復

ドロップ:濃縮スライムゼリー

魔石:大

*****


「青色か……。こいつら全部、レアモンスター扱いかよ」

「どうやらご主人様が見つけた以外にも、出現する法則があったようですね」

「それって、しばらく放置すれば合体するとか? ここみたいな過疎ダンジョンが他にあるのかね……」

「さあ。少なくとも、この国にはありませんね」


 それじゃ、検証のしようが無いな。ともかく、こいつらも倒さなきゃ話にならない。


「アヤネ、アイラ。続けて狩るから一撃だけ入れといて」

「旦那様、ファイトですわー!」

「ではありがたく、経験値を頂戴します」


 そうして水色のデカスライムを討伐し、レベルは54へと上昇。そして煙は再び噴き上がり、数分経てばまた全ての煙が膨張。中から次の色が現れた。


*****

名前:ヒュージーグリーンスライム

レベル:50

腕力:500

器用:500

頑丈:500

俊敏:60

魔力:20

知力:20

運:なし


装備:なし

スキル:物理耐性、自動回復

ドロップ:濃縮スライムゼリー

魔石:大

*****


「これは……虹まで出現しかねないな」


 そして虹まで出るのなら、そいつがトロフィーか宝箱、どちらかを出す可能性が高い訳だ。


「そうなると、長丁場になりそうですわね」

「今ほどこのダンジョンに人がいなくて助かったと思う事は無いわ」

「ショウタさんの時は、全部で何色出てきたんですか?」

「青水緑赤紫白黒虹……。レア枠は7色だな」

「では、次に赤が出れば確定ですね」

「だなっ!」


 アイラへの返事と同時に吶喊し、デカ緑の集団に攻撃を仕掛ける。

 レベルやステータスは上がっているが、相手はスライムだ。人型のモンスターに比べれば、いくらか御しやすい相手と言える。それにスキルも変化はなく、ただちょっと硬くなるだけで、苦戦を強いられるほどの相手では無かった。

 デカ緑を5匹討伐し、レベルは56へと上昇。


*****

名前:ヒュージーレッドスライム

レベル:55

腕力:550

器用:550

頑丈:550

俊敏:65

魔力:20

知力:20

運:なし


装備:なし

スキル:物理耐性、自動回復

ドロップ:濃縮スライムゼリー

魔石:大

*****


*****

名前:ヒュージーパープルスライム

レベル:60

腕力:600

器用:600

頑丈:600

俊敏:70

魔力:20

知力:20

運:なし


装備:なし

スキル:物理耐性、自動回復

ドロップ:濃縮スライムゼリー

魔石:大

*****


 赤、紫と難なく討伐し、レベルも59、61と順調にレベルを重ねた。

 このレベルのレアモンスターを毎回5体も討伐しているにも関わらず、レベルの上がりは良くない。これは恐らく、相手がスライムだからだと思う。

 元が弱くては、いくら高レベルになろうと他のレアⅡに比べれば、経験値が少なくなるのは仕方がないのかもしれない。


「少し下がってガチャを回してくる。湧いたら教えてくれ」

「お任せください」


 この煙は次に出現するまでのタイムラグが短く、毎度3分くらいしか猶予がない。俺は急いでガチャを起動し、回した。


『ジャララ、ジャララララ!』


 結果は緑2、紫5、赤3だった。


『SR 腕力上昇+45』

『SR 頑丈上昇+45』

『SR 俊敏上昇+45』

『SSR 器用上昇+110』

『SSR 俊敏上昇+110』

『SSR 頑丈上昇+75、俊敏上昇+75』

『SSR 魔力上昇+80、知力上昇+80』

『SSR スキル:忍び足』

『UR 知力上昇+200』

『UR スキル:水流操作Lv1』


 「無料ガチャ」では青色のカプセルが4個。


『R 腕力上昇+18』

『R 器用上昇+18』

『R 俊敏上昇+18』

『R 知力上昇+18』


*****


名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:1

腕力:3188(+1988)(+1196)

器用:3024(+1886)(+1134)

頑丈:3068(+1913)(+1151)

俊敏:3493(+2179)(+1310)

魔力:2933(+1831)(+1100)

知力:3199(+1997)(+1200)

運:2802


スキル:レベルガチャ、真鑑定Lv3、鑑定偽装Lv2、自動マッピングⅡ(2/3)、鷹の目(2/3)、知覚強化、金剛外装Ⅲ、身体超強化Lv2、剛力Ⅲ(2/3)、怪力Ⅳ、阿修羅、金剛力Ⅱ、俊足Ⅳ、迅速Ⅳ、鉄壁Ⅲ(2/3)、城壁Ⅲ(2/3)、金剛体、金剛壁Ⅱ、統率Ⅲ、予知Ⅱ、看破、二刀流Ⅱ、体術Lv9、格闘術Lv2、剣術Lv5、槍術Lv8、弓術Lv2、暗殺術LvMAX、狩人の極意Lv2、跳躍Lv2、縮地、忍び足、騎乗、元素魔法Lv3、空間魔法Lv1、泡魔法Lv1、水流操作Lv2、砂塵操作Lv4、回復魔法Lv1、魔力超回復Lv1、魔力譲渡(2/3)、力溜め(1/3)、破壊の叡智(1/3)、魔導の叡智、王の威圧Ⅲ、魔石操作、スキル圧縮


武技スキル:紅蓮剣、紫電の矢


トロフィー:ホブゴブリン、マーダーラビット、ボスウルフ

管理者の鍵:525(1)、810(1)、810(2(1/2))


*****


『ボックスの残り 30/130』


 よし、これで次のモンスターでかなりのレベルアップが期待できるな。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る