ガチャ144回目:光の収穫
オークションの日程を読み間違えていたため、それに連なったイベント予定日を修正/変更しました。
・オークション:この日の翌々日⇒翌日に
・ガチャ136回目記載の歓迎会:三日後⇒1週間後
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ティータイムを終え、改めて時刻を確認すると15時過ぎだった。
元より、今日だけで第二層を全チェック出来るとは思ってなかったけど、想定以上に時間を使っちゃったな。
「ご主人様、如何されますか?」
「んー……。そうだな、帰る前に『ホブゴブリン』と『ジェネラルゴブリン』だけ動画に収めておこうか。第一層と第二層では強さに違いがある事もきちんと残しておきたいし」
「承知しました。それと、先ほど得たスキルオーブです。『俊足Ⅱ』はしまっておきますので、こちらは取得しておいてください」
アイラが取り出したのは『迅速Ⅲ』と『暗殺術Lv1』だった。
「ああ、ありがとう」
「旦那様、ファイトですわ!」
そうして俺達は、近くのマップ角を目指しながらゴブリンのみを100匹討伐。
今の『運』なら確定湧きなのかは分からないが、何の問題もなく2種とも出現し、楽に討伐できた。レベルは残念ながら57で止まったままだったが。
得たアイテムは再びアイラが袋へと詰め込み、俺達は帰還した。
そういえば、今日だけでだいぶスキルオーブをゲットしたよな。それなりに俺とアイラで使ったはずだけど、在庫としてはどれくらい集まったんだろうか?
◇◇◇◇◇◇◇◇
アキとマキに出迎えられて、俺達はいつもの会議室へと向かう。
そこで今日の成果を報告したり、動画の確認なんかを済ませたわけだが……。皆には、今俺が立ててる今後の予定を伝えておくことにした。
「とりあえず今日で、第一層の全てと、第二層の半分を制覇したわけだけど、恐らく明日で第二層は完全に制覇することが出来ると思う」
「でしょうね~」
「旦那様ならきっと出来ますわ!」
「それで、明日のオークションに合わせた動画投稿だけど、色々と考えた結果、止めておこうかと思うんだ。流石に忙し過ぎるし、二人の負担が大きい」
動画の数が数だし、全部を編集しきるのは流石にきついと思う。
今更だけど。
「そう? 実はあたしもキツイと思ってたんだけど、『A+』って言われるとやる気出ちゃってさー。でも、動画の期日を明日のオークションに定める必要って、特にないのよねー」
「まあね。出品する物が物だけに、情報公開もセットでって考えてただけなんだけど、別に明日全部出品しなきゃいけない訳じゃないし……」
そう考えると、次のオークションに回してもいい気がして来たんだよね。
「というか、余ったスキルを出品するにしても、ショウタ君の入手スピードはおかしいんだから。そんなに一気に放出してたら誰も落札出来なくなるわ」
「そうですね。現在出品を控えているスキルだけみても、『金剛力』『金剛壁』『金剛外装』が5つずつあります。これだけでも十分かと」
「本日の活躍で、スキルの在庫はもっと酷い事になりましたし、明日も増加することは目に見えています。加減は大事かと」
「そうですわね。加減という意味では、お休みも取った方が良いと思いますわ!」
「休みか……」
確かに、休みらしい休みは、『レベルガチャ』を取る前は1度も無かったし、取った後もアヤネがいなかった1日くらいだけだもんな。
「わかった。明後日からオークションの日……。歓迎会前日まで、長期的な休みを入れようか」
俺のその言葉に、彼女達は歓声を上げた。
どうやら、よっぽど嬉しかったらしい。
……もうちょっと、彼女達に気遣いをしなきゃな。
俺はそう心に誓った。
けど、そう言った矢先になんだけど、どうしても気になる事があるんだよな……。
「……ごめん、水を差すようで悪いけど、やっぱり1日だけダンジョン行って良い?」
そういうと、呆れたような視線がアキから飛んできた。
「ショウタ君ってさ、ダンジョン行かないと死ぬの?」
「……ごめん。どうしても古巣が気になってさ」
「ご主人様の古巣というと、『アンラッキーホール』ですね」
「ショウタさん、もしかして……」
「ああ。あそこのトロフィー獲得が何なのか調べたい。多分1日だけじゃ調べ切れない可能性もあるけど、息抜きも兼ねて原点に帰ってみるのもありかなーって……」
今の俺の『運』ならば、恐らく5段階目の『白スライム』までは確実に湧かせられると思う。そこから先は何回か試行する必要があると思うけど、比較的簡単に『虹スライム』まで辿り着けると思う。
再び『レベルガチャ』がドロップするのかの検証と、そこから先にトロフィー関連の何かがあるのか。調べてみたい。
ちらりとアキを見ると、ため息を吐かれた。
「……はぁ、良いんじゃない? このままいけばショウタ君のレアモンスター討伐動画のお披露目タイミングと重なるわ。ほとぼりが冷めるまでは、『初心者ダンジョン』や『ハートダンジョン』には近付かないようにするべきね。だから、あのダンジョンなら危険はないし、問題ないとは思うけど……。でも、1日よ? それ以上は駄目だからね??」
「はい。肝に銘じます……」
「よろしい」
その後、彼女達はお休みの間何処に出掛けるかで大いに盛り上がった。
それがあまりに楽しそうだったから、そんなに休みが欲しかったのかと聞いてみると、俺からダンジョンを丸3日分取り上げられる機会なんて、滅多に無いと言われてしまった。
……俺のせいで1日潰れたけど、3連休だ。
その3連休でここまで喜ばれてしまう事実を思うと、もうちょっと……ダンジョンよりも彼女達に顧みるべきなんだろうなと、反省した。
そうして彼女達の話題は尽きる事無く、支部長が止めに来るまで続いたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
帰宅した俺たちを待っていたのは、いつものように光り輝く『黄金の実』だった。その数、数えるのも億劫な数だったが、合計125個だった。
収穫をすれどもすれども輝きが消えないから、実に参った。しかも明日は、もっと強烈な輝きを放つ連中が待ち構えてるんだよな。彼女達の成長に必要とはいえ、今からちょっと憂鬱だ。
「旦那様、お疲れ様でしたわっ!」
「手を伸ばすだけとはいえ、大変だったでしょ。しかも、手伝おうにもあたし達には無反応だなんてね」
「資格のない人間は収穫することすら出来ない。ある意味で、ご主人様にしかマスターキーが存在しない防犯機能ですね」
「それにしても、凄い数でしたわ」
「植えた数は全部で47個もありましたからね。ほとんどの種から3つも実がなっています。日に日に収穫可能な実の数が増えていることを考えると、これもやっぱり『運』が必要なのでしょうか」
「多分ね。……ああ、まだ目がチカチカする」
『知覚強化』の悪い点が出てしまったかもしれない。より良く見えるのは良いんだけど、見えすぎると言うのも問題だな。
そうして収穫した成長アイテムは、以下のような結果となった。
『腕力上昇+2』x7
『腕力上昇+3』x14
『器用上昇+2』x8
『器用上昇+3』x14
『頑丈上昇+2』x5
『頑丈上昇+3』x15
『俊敏上昇+2』x7
『俊敏上昇+3』x14
『魔力上昇+2』x6
『魔力上昇+3』x16
『知力上昇+2』x5
『知力上昇+3』x14
……やっぱ、『運』が良くなるとこっちの結果も良くなるわけか。
『+3』がやたらと多い。
「それじゃ、かなり量があるけど……アヤネ、アイラ」
「は、はいですわ!」
「ありがたく糧にさせて頂きます」
アヤネは『頑丈』+55、『魔力』+60、『知力』+52。
アイラは『腕力』+56、『器用』+58、『俊敏』+56。
という結果になった。
「数は多くても、上昇量が少ないからまとめるとそうでもないような気がしてくるな……」
「もう、ショウタ君。君のガチャと同じように考えちゃダメでしょ」
「そうですよ。ショウタさんの突き抜けた『運』が必要とはいえ、モンスターのドロップからこれだけの成果が得られるのは凄い事なんですから」
「……それもそっか」
今の俺からすれば微々たる量だけど、『レベルガチャ』を取得した当時の俺のステータスと同じくらい増えたんだもんな。ああ、あの頃が随分と昔のように感じるな……。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます