ガチャ127回目:プチ精算

 合計10個の実を収穫した結果、以下のような状態になった。


『腕力上昇+15』x2

『腕力上昇+18』x2

『腕力上昇+20』x2

『器用上昇+15』x2

『器用上昇+18』x2

『頑丈上昇+15』

『頑丈上昇+18』x3

『俊敏上昇+15』x3

『俊敏上昇+18』x3

『俊敏上昇+20』

『知力上昇+15』x2

『知力上昇+18』

『知力上昇+20』

『魔力上昇+15』x2

『魔力上昇+18』x3


「巨大な実は、無料ガチャで出てくる『R』と同格かつ、1つの実に必ず3つ入っている。そして1つの種に2~3個の実がなり、丸2日で収穫可能となる……。なるほど、これはヤバイ」

「ヤバイわね」

「ヤバイです」

「ヤバイですわ」

「ヤバヤバですね」

「で、このヤバイ物を2人に分けると……」


 アヤネは『頑丈』+69、『知力』+68、『魔力』+84。

 アイラは『腕力』+106、『器用』+66、『俊敏』+119。


「となる訳だ」

「ヤバヤバですわ……」

「やばたんですね」

「もうそれは良いって」


 さっきからボケようとするアイラに釘をさす。

 真顔で言うからシュールなんだよな……。


「こ、こんなに頂いて良いのでしょうか……」

「お嬢様、この借りは身体で返しましょう」


 またなんかメイドが不穏な事を言いだしたぞ。


「そ、そうですわね! 旦那様、このお礼は身体で払いますわっ!」

「今日はマキの番だから、それは明日な」

「ガーンですわ!」

「冗談はさておき、アイラ。ひとまず、今日のスキルについて精算を済ませたい。まずは、今日得たスキルを並べてくれる?」

「畏まりました」


 流されてプリプリしてるアヤネを宥めつつ、並べられていくアイテムをみやる。


「今日の討伐は、『黄金蟲』は5匹討伐。『黄金鳳蝶』は3匹討伐。湧かせるための綿毛虫はきっかり500匹だったかな」

「はい。まずスキルですが、『金剛力』『金剛壁』『金剛外装』が5個ずつ。続いて『金剛外装Ⅲ』『風魔法Lv4』が2個ずつです」

「これの割り振りだけど、アキ、マキ。前に出ないとは言っても、俺が安心するために『金剛外装Ⅲ』を覚えてくれ。悪いけど、決定事項だから」

「ショウタさん……」

「もう、私達の彼氏は心配性なんだから」

「2人を守るためならアイテムもスキルも惜しまないよ」


 そう言って2人に直接手渡しする。


「もう、ショウタ君。これの価値解ってる?」

「えーっと、単純計算で『金剛外装』4個分の3倍効果だから……60億くらい?」

「そんな単純な物じゃないわ。『黄金鳳蝶』を出現させられるような『運』の持ち主はショウタ君くらいしかいないの。だから、値なんてつけられないわ」

「効果も凄まじいですし、100を超えるかもしれませんよ?」

「そうなんだ」


 まあ、実際に出品をすればそんな値段になりかねないけど……。

 出すつもりは毛頭ないんだよね。『金剛外装』くらいならいくらでもばら撒いて良いと思ってるけど、『外装Ⅲ』はしばらく流すつもりはない。『直感』としてもそうだけど、俺達はその先の『Ⅳ』も必要になって来るだろうし。


「……はぁ、軽い反応ね」

「そんなお金なんかより、2人が怪我する方が重たいよ。だから受け取ってくれ。心配しなくても、これ以降の有用スキルは俺が優先して取得していくから」

「「……はい」」


 そこまで言ってようやく、彼女達は受け取ってくれた。


「ところで、支部長達に『黄金鳳蝶』の事は伝えた?」

「ええ。お母さんもヨウコさんも、データベースへの公開は控えるって。おじいちゃん……協会長も許可してくれたよ」

「おおー」

「ただ、『黄金香』の扱いは十分に注意する事。だって」

「そこは大丈夫だろう。アイラなら雑には……」


 そこまで言った所で、アイラに対する不安が過った。そういえばこのメイドに、俺は昨晩搾り取られていたんだった。

 ちらりと彼女を見るが、何でもなさそうな顔をしている。


「ご安心ください。ご主人様以外には使いませんから」

「それのどこに安心要素ある??」

「冗談です。ご主人様、どんな時でもその指輪を外さないではありませんか」

「『直感』が外すなって言ってるからね。『直感』はアイラを警戒しているのかもしれないぞ?」

「誠に遺憾ですね」

「……」


 まあいいや。

 アイラはこういう奴だってのはこの数日で身を以て感じたから。そんな飄々とするアイラを、アキとマキがジト目でにらみつける。


「アイラさん? このあと少しお話が」

「そうね。色々と聞きたいことが出てきたわ」

「お手柔らかにお願いします」


 とりあえず、アイラの事は彼女達に任せよう。そして『黄金鳳蝶』に関しての懸念も何とかなったし、残りの分を片付けよう。


「んで、話は戻すけど、残りのスキルについてだ。『金剛力』『金剛壁』『金剛外装』5個ずつと、『風魔法Lv4』の2個は、もう出品しちゃってもいいと思う。次の開催は……3日後かな?」

「いえ、ショウタさん。『黄金鳳蝶』が非公開となった為、それに準じて『風魔法Lv4』も出品は出来なくなりました」

「ああ、そうか……。でも、アヤネはMAXだし、俺も取得できないし……。となると、わかるよね?」


 2人に目配せすると、観念したように溜息を吐かれた。


「わかりました。そのようにします……」

「こうしてどんどん、あたし達のスキルも増えていきそう……」

「あはは」

「笑いごとじゃないー。……で、金剛シリーズの値段はどうする?」

「前回と一緒でも良いし、数が多いから低くても構わない。そこは任せるよ」


 俺にはスキルに値段なんて付けられないしね。

 

「じゃ、急ぎ処理しておきたいのはこんなところかな。何かほかにあったっけ?」

「旦那様、『真鑑定』の事忘れてますわっ」

「ああ、そうだった」

「え、なになにー?」

「何か変わったんですか?」

「ふふーん、旦那様、物の『品格』が見れるようになったのですわ!」

「「ええーっ!?」」


 『品格』って、2人がそんな反応を見せるほどなのか。

 まあそれが見えるのって、貴重なアイテムみたいだし、それが自前のスキルで済ませられるのは凄い事なのかな?


 そうして今日あった出来事として、宝箱の話題を中心に、成長したステータスを見せながら盛り上がり、夜は更けていった。

 そして今日獲得した種についてだが……。少し思うところがあったので、一旦植えるのは後日にすることにした。

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