ガチャ125回目:最上位の品格

「さ、ご主人様。色々と検証したくなる気持ちはわかりますが、そろそろ切り上げましょう。奥方様の分も、『金剛外装Ⅲ』を集められるのでしょう?」

「そうだった!」


 アイラの言葉を受け、俺は目的を思い出し狩りを再開した。

 念のため、トロフィーの再取得が可能なのかも検証したかったので、2個目の角へと向かう。


【レベルアップ】

【レベルが4から37に上昇しました】


【レベルアップ】

【レベルが37から71に上昇しました】


 そして2体目の『黄金鳳蝶』を倒した時、アヤネが何かに気付きハッとなった。


「そうですわ! 旦那様、アイテムの『品格』や魔法の効果が見れるようになったんですもの。スキルオーブから直接、情報を読み取る事が出来るのではないでしょうか」

「おっ! そういえばそうだね、どうして思い浮かばなかったんだろう。盲点だった」

「流石です、お嬢様」

「アヤネは凄いなー」

「えっへんですわ!」


 2人でアヤネを褒め倒す。もしかしたら、アイラは気付いていたかもしれないけど、討伐を優先してあえて言わなかったのかもな。もしくは、アヤネに花を持たせるためか。さて、目の前にあるスキルをチェックしていくか。

 まずは金剛シリーズだけど、『金剛力』と『金剛壁』は想定通りの効果内容で、ランクは『希少レア』だったが……。


 名前:金剛外装

 品格:固有ユニーク

 説明:魔力を50消費し、どんな攻撃も1度だけ弾くシールドを術者に付与する


「『固有ユニーク』か……。まあ破格の能力だしな」

「納得の性能ですね」

「すごいですわ~」


 名前:金剛外装Ⅲ

 品格:固有ユニーク

 説明:魔力を200消費し、どんな攻撃も1度だけ弾くシールドを3回分術者に付与する。また、シールドが1度壊れた際、3秒間全ての攻撃を無効化する。


「『Ⅲ』になってもランクは変わらないのか……」

「性能としては『遺産レガシー』クラスはあると思いますが、レベルが上がっても元となったスキルから、品格は上がらないのかもしれませんね」

「それにしても、効果内容が旦那様の検証結果と同じですわね! 旦那様の考察通りで、わたくしも鼻が高いですわ!」

「あはは、ありがとう」


 アヤネの頭を撫でつつ、他のドロップ品も確認する。『魔導の叡智』と『魔力回復Lv1』は『希少レア』。『魔力回復』の効果は既知の物だったが、叡智は効果が読み取れず。

 『黄金』系のアイテムは『希少レア』から『最高エピック』だった。そして相変わらず、『黄金の盃』や『黄金香』は詳細な効果が読み取れず。種も、実に関しての言及はなかった。

 ここもスキルのレベル不足か……。


 名前:風魔法Lv4

 品格:『通常ノーマル

 説明:使用者の風魔法スキルをLv4引き上げる。


 風魔法はたったそれだけしか記載されていなかったが、よく考えればおかしなことではなかった。使用者の取得情報で、得られる魔法の種類が変わるのだから。


 そうして、『風魔法Lv4』を取得したアヤネは、『風魔法LvMAX』に成長した。『魔力回復Lv1』は、『魔力』を持て余しているという理由から俺が取得することになった。

 肝心の『金剛外装Ⅲ』なのだが……。


「わたくし、無印で大丈夫ですわ」

「え? でも……」

「『金剛外装Ⅲ』は、この先余ったらで大丈夫ですの。アイラは前衛で被弾する危険があるから優先して取得するのもわかりますわ。ですが、旦那様が一番大事に思っている方々は先輩達ですもの。2人よりもわたくしが先に受けることは出来ませんわ」

「アヤネ……」


 確かに2人の事は大事だけど、今となってはアヤネも同じくらい大事なんだが……。


「お願いしますわ、旦那様」


 そんな目で見られると、俺が折れるしかないよな。


「わかった。でも、3個目が取れたらちゃんとアヤネが取得するんだぞ」

「はいですわ!」


 彼女の頭を撫でてあげると、子犬のように喜んだ。


「さて、他のスキルの処理についても決めとこうか。次以降の『風魔法』は、オークション行きで大丈夫かな」

「そうなるかと。協会から発表されたスキルの複数使用についても、噂は広まっているはずですし、出品するには丁度良い頃合いかと思います」

「まあでも、いきなり0からレベル4を覚えようなんて奇特な人は、中々いないと思うけど」

「そうですわね。『風魔法』4回分と考えるにしても、お得とはあまり思えませんわ。絶対に持て余してしまいますもの。本当に必要とする方は、必要レベルまで確保しているでしょうし」

「ええ。少し値下げして出すべきかもしれません。ただそこは、奥方様がよくご存じでしょう」

「そうだね。あの2人に任せておけば、問題ないね」


 さて、話はついたし、ガチャを回すか。


『ジャララ、ジャララララ!』


 出たのは、緑1、紫4、赤5だった。


『SR 腕力上昇+35』

『SR 器用上昇+40』

『SR 頑丈上昇+35』

『SR 俊敏上昇+40』

『SR スキル:視力強化』

『SSR 魔力上昇+100』

『SSR 知力上昇+100』

『SSR スキル:暗殺術Lv1』

『SSR スキル:跳躍Lv1』

『UR 知力上昇+180』


「『視力強化』……。また随分と直球なスキルが来たな。んで、こっちのスキルは、相変わらず『真鑑定』では読めないか」

「元が、特殊なスキルから生まれた産物ですからね。私達は相変わらず視認することすら出来ませんし、『真鑑定』で見えなくても、仕方がないのかもしれません」

「あ、そうですわ! 旦那様、この箱の方ならどうでしょうか?」


 アヤネが『レベルガチャ』の筐体を指した。


「お、確かに。『真鑑定』」


 名前:???

 品格:『幻想ファンタズマ

 

「うわ、名前すら見れないのか。けど『幻想ファンタズマ』か。確か最高位だったよね?」

「はい。世界でも2個しか発見されていません」


 おお、すごい!

 ……けど、それは本当にそうなのか?


「なあアイラ。でもそれ、申告制なんじゃないの?」

「……そうですね。ご主人様のように隠されている方もいらっしゃるでしょうし」

「じゃあ10個くらいあってもおかしくはない訳か」

「上に行くほど、秘密を抱えている人でいっぱいなのですわ」

「だよなぁ。強くなればなるほど、公開しづらい情報が増えて行くよなー」


 さて、次は『無料ガチャ』か。

 やっぱり再点灯してるし、再使用条件は「10回ガチャ」を回す事で間違いなさそうだ。


「ぽち」


『ジャララ』


 青色のカプセルが4個だった。


『R 器用上昇+18』

『R 頑丈上昇+15』

『R 頑丈上昇+18』

『R 魔力上昇+18』


「今回は4個か。このランダム性は、本当にアキが言ったように、『黄金の種』みたいだな」


*****

名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:11

腕力:1316(+863)(+439)

器用:1179(+772)(+393)

頑丈:1161(+774)(+387)

俊敏:1262(+827)(+421)

魔力:1313(+863)(+438)

知力:1433(+943)(+478)

運:1862


スキル:レベルガチャ、真鑑定Lv3、鑑定偽装Lv2、自動マッピングⅡ、鷹の目(1/3)、視力強化、金剛外装Ⅲ、身体超強化Lv2、剛力Ⅲ、怪力Ⅲ(1/3)、金剛力Ⅱ、俊足Ⅲ、迅速Ⅱ、鉄壁Ⅲ、城壁Ⅲ、金剛壁Ⅱ、統率、予知Ⅱ、二刀流Ⅱ、体術Lv4、剣術Lv4、槍術Lv3、弓術Lv2、暗殺術Lv2、狩人の極意Lv1、跳躍Lv2、騎乗、元素魔法Lv2、空間魔法Lv1、泡魔法Lv1、回復魔法Lv1、魔力回復Lv6、魔力譲渡、力溜め、破壊の叡智、魔導の叡智、王の威圧Ⅲ、スキル圧縮


武技スキル:紅蓮剣、紫電の矢


トロフィー:ホブゴブリン

管理者の鍵:810(1)

*****


『ボックスの残り 110/130』


「それじゃ、引き続き狩ろうか」

「はいですわ!」

「承知しました」

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