ガチャ093回目:成長アイテムと
植えていた『黄金の種』は全て成長しきっており、低木にはそれぞれ、1~3個の成長アイテムが成っていた。成長アイテムはその真下に手をかざすと簡単に実を落とし、実の無くなった低木は光に包まれるように消えて行く。中身の無くなった宝箱が消えるのと同じ感じだな……。
全部で21個あった『黄金の種』は、合計38個の成長アイテムへと姿を変えていた。
『腕力上昇+2』x4
『腕力上昇+3』x2
『器用上昇+2』x3
『器用上昇+3』x2
『頑丈上昇+2』x3
『頑丈上昇+3』x2
『俊敏上昇+2』x4
『俊敏上昇+3』x2
『魔力上昇+2』x4
『魔力上昇+3』x3
『知力上昇+2』x5
『知力上昇+3』x4
数値としては微々たるものだが、全部使用すればかなりの成長が見込めるだろう。
これは、想定していたよりもかなり凄いアイテムかもしれない。
だが……。
「ショウタさん?」
「どうしたの、気難しい顔しちゃって」
「……たぶんだけど、このアイテム、俺だと使えない気がするんだよな」
「そうなんですの?」
『直感』がそう告げてる。
たぶん、ガチャで出た成長アイテムとは違って、俺専用のアイテムではないからだと思う。たぶん使ったら、今まで使ってきた成長アイテムと喧嘩することになるんだろう。
よくて使用が出来ずに弾かれるか……。最悪、俺の今までため込んだステータスにも影響が出かねない。
嫌な予感がする以上、これは使わない方が良さそうだ。
「だからこれは、アヤネとアイラに使ってもらおうと思う。良いかな?」
「ショウタさんがそう望むのであれば」
「2人が強くなれば、その分ショウタ君は安全になるんでしょ? なら、良いんじゃない?」
「よ、宜しいのですか?」
「ああ、気にせず使ってくれ」
「ご主人様、このお礼は相応の働きでもって、お返しします」
アヤネには『頑丈』『魔力』『知力』を。
アイラには『腕力』『器用』『俊敏』を。それぞれ使ってもらった。
結果、アヤネは『頑丈』+12。『魔力』+17。『知力』+22。
アイラは『腕力』+14。『器用』+12。『俊敏』+14となった。
「『魔力』は4レベル相当のSP分、『知力』は5レベル相当のSP分、成長出来ましたわ」
「私も、『腕力』は7レベル相当のボーナスですね。宝箱から出てもほとんどの者がその場で使用し、オークションに出てもかなり高値で取引されますから、今まで手出しできませんでしたが……。ここまでまとめて使用できると気持ちが良いですね」
わかる。
一気に成長できるって気持ちが良いよなー。
まあ、彼女達にはまだ秘密にしてるから、ガチャの事は口には出せないけど。
「それじゃ、明日は『黄金の種』も目的の1つになったわけね」
「そうなるね。あと、念のため園芸用のプランターを買ったわけだけど、21個でちょっとギリギリだったから、いくつか追加で買っておこうかな」
「それでしたら、私の方で注文しておきますね」
「うん、お願い」
「んじゃ、明日も早いし、ちゃっちゃっとお部屋に家具を並べて行きましょ」
アキの音頭で、インテリアの設置を再開し、その後順番に風呂に入ってから就寝した。
◇◇◇◇◇◇◇◇
朝目覚めると、布団にアヤネが潜り込んできていた。
うーん、アキやマキだとドキッとするんだけどな。アヤネには驚きはあるけど、彼女達とは違った風に感じるな。
それにしても、昨日も帰って来て早々抱き着いてきてたし、こんな風に潜り込んでくるなんて。実家で何かあったんだろうか?
その後、アヤネが潜り込んできた事にアキが何か言いたそうにしていた。
もしかして、アキも夜中に来てたりしたんだろうか? ううん、これは口に出すべきか、言わない方が賢明なのか……。難しいな。
そうして、『ハートダンジョン』へのお出かけをしようとしたんだけど、その直前アイラが何処かに電話を掛けていた。何事かと思ったが、どうやらタクシーを呼んだらしい。
前回は電車だったけど、Aランクでお金もあるのなら、こちらの方がいいらしい。
確かに、美少女や美女を引き連れて電車に乗るよりも、こっちの方が彼女達の負担は少ないか。この新居は『初心者ダンジョン』のすぐ近くでもあるから、『ハートダンジョン』ともそれなりに近い位置にある。けど、『中級ダンジョン』や『上級ダンジョン』も今後通う事になるのであれば、足は必要になって来るだろう。
「それぞれのダンジョンの近くに別荘を構えますか?」
と、アヤネが冗談とも思えないお嬢様視点で言ってきたけど、それが出来ちゃうくらいには財があるんだよな……。
「今回はタクシーでしたが、必要であれば車をご用意しますよ。免許も持っています」
と、アイラも進言してくれる。
まあ、あんまりダンジョンの事を他人がいるところで話すわけにも行かないし、どっちかは用意する必要あるよな。なんなら、両方っていうのも……。
今朝の布団潜入事件もあってか、アヤネとアイラは別のタクシーに乗ることになり、俺の両隣は姉妹が固めていた。彼女達に挟まれている間もどうするべきか、うんうんと悩んでいたら、いつの間にかダンジョン協会第810支部へと到着していた。
10分ちょっとなんて、あっという間だな。
「じゃ、いこっか」
「うん」
「「はい」」
「はいですわ!」
4人を連れて、前回以上に注目を浴びながら協会へと向かう。ダンジョンへの入場許可もあるけど、これから『黄金蟲』を沢山狩るんだ。下手すると、第二種レアモンスターに遭遇する危険性もある。
少し騒がしくしてしまう以上は、支部長に
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