ガチャ076回目:圧縮再び

 『運』やそれに振り回された人たちの事を考えていたが、頭を振るう。

 ステータス成長曲線オール1、『SP』値2という最低値だとしても、諦めなければ成長はしていく。それを捨て、心が折れた時点で、その人達は冒険者じゃなくなったんだ。考えるのはやめよう。


 改めてドロップ品を見る。

 『ジェネラルゴブリン』の『魔鉄』装備は防具が出切ったのか、今度は長剣が落ちていた。

 アイラ曰く、これは『木霊』よりは上らしいので、『木霊』を収納してもらい、代わりに装備する。これで武器は『御霊』と『魔鉄の長剣』の二刀流だ。

 多少は火力が上がった事だろう。


 さて、レベルも41に上がったし、ガチャを回すか。


『ジャララ、ジャララララ!』


 出てきたのは緑1、紫2、赤5、青2だった。


『R 器用上昇+12』

『R 俊敏上昇+12』

『SR 魔力上昇+25』

『SR 知力上昇+25』

『SR スキル:鑑定Lv1』

『SR スキル:鑑定妨害Lv1』

『SR スキル:自動マッピング』

『SSR 腕力上昇+80』

『SSR 頑丈上昇+80』

『UR スキル:身体超強化Lv1』


*****

名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:1

腕力:555(+500)(+51)

器用:487(+438)(+45)

頑丈:560(+505)(+51)

俊敏:561(+506)(+51)

魔力:506(+458)(+46)

知力:480(+434)(+44)

運:1122


スキル:レベルガチャ、鑑定LvMAX、鑑定妨害LvMAX、自動マッピングⅡ、鷹の目、金剛外装Ⅱ、身体超強化Lv2、怪力Ⅲ、金剛力Ⅱ、迅速Ⅱ、金剛壁Ⅱ、統率、予知(2/3)、二刀流、体術Lv2、剣術Lv3、暗殺術Lv1、投擲Lv4、元素魔法Lv1、魔力回復Lv2、魔力譲渡、スキル圧縮


武技スキル:紅蓮剣


トロフィー:ホブゴブリン、黄金蟲

*****


 まずステータスに関しては、アヤネが居ない事で『統率』1個分弱くなっている。それにより、ガチャを回しても昨日より弱くなった部分があるな……。けど、上がってる部分もあるし、平均したら同じくらいか。

 それを思うと『統率』は、レベル40消費のガチャ1回分はあるわけだ。やっぱ強いよな、このスキル。


 そしてスキルだが、まず『鑑定』と『鑑定妨害』が7で MAX表記になった。

 10ではないのがちょっと意外だ。


 そして『自動マッピングⅡ』だが、今のところマップに変化はない。

 変化を見つけるには、何か条件が足りないのかもしれないな。


 最後に『身体超強化』だが、これの変化は著しい。座っているだけにもかかわらず、五感が大きく広がったように感じる。今なら、『暗殺術』を駆使することであっさりと『ジェネラルゴブリン』を倒せるかもしれない。


「ああ、そうだ」


 せっかくMAXになったんだし、『圧縮』を試してみるか。


【スキル圧縮を使用しますか?】


「使用する」


【該当のスキルを確認中……】


【該当のスキルを確認】

【該当のスキルを圧縮中……】


【該当のスキルを圧縮成功】

【SRスキル『鑑定LvMAX』を圧縮。URスキル『真鑑定Lv1』に圧縮成功しました。以後、該当スキルは元のランクからは出現しません】


【該当のスキルを圧縮成功】

【SRスキル『鑑定妨害LvMAX』を圧縮。URスキル『鑑定偽装Lv1』に圧縮成功しました。以後、該当スキルは元のランクからは出現しません】


 ……また随分と、とてつもない効果を秘めてそうな、スキル名に変貌したな。

 検索……。うん、どっちも引っかからない。

 ガチャ専用スキルなのか、もしくは……存在はしているが公表していないだけか。まあ、偽装なんて厄介なもの、公表する訳にはいかないよな。これの実験は、ひとまずアイラにはせずに、恋人達だけに留めておくか。

 そういえば、『真鑑定』の効果も気になるけど、『鑑定LvMAX』の効果を確認するのを忘れてたな。


 俺のステータスを見る限り、特に変化はない。

 となると……。


「アイラ、ステータス見せてくれる?」

「承知しました」

「ありがと」


 そして、アイラのステータスに、とある項目が追加されている事に気が付いた。


*****

名前:犬柴 愛良

年齢:23

身長:170cm

体重:56kg

スリーサイズ:90/60/89

レベル:170

腕力:1126(+103)

器用:1127(+103)

頑丈:753(+69)

俊敏:1499(+137)

魔力:379(+35)

知力:382(+35)

運:6


装備:パラゾニウム、ライフスティール、カスタマイズハイパープロテクター(戦場のメイド仕様)

スキル:鑑定Lv4、鑑定妨害Lv4、身体強化Lv7、隠形、気配遮断Lv5、剛力、怪力Ⅱ、俊足、迅速、鉄壁、城壁、統率、予知、二刀流、剣術Lv4、暗殺術Lv3、投擲Lv8

*****


 身長、体重に、スリーサイズ……だと??


「年齢に続いて……。どう活用しろっての」

「スリーサイズが見れましたか?」

「……知ってたなら教えてよ」

「申し訳ありません。反応が見たかったので」


 その顔には、イタズラが成功したかのような微笑が浮かんでいた。


「悪いメイドさんだな」


 アイラはスカートを少したくし上げてみせた。


「お仕置き、されますか?」

「しません」


 アイラは自分の胸を軽く揉んで見せた。


「では、実際に触れて、確認しますか?」

「触りません」

「ふふ、左様でございますか」


 こんな風に微笑む人だったとは。


 年齢の件もそうだけど、アイラが知っているという事は、スリーサイズが見れたのは『鑑定LvMAX』の効果だろう。そして『鑑定LvMAX』の効果は周知の事実である、と。

 であれば、『真鑑定』の効果はなんだ? モンスターか、それとも……。


 なんとなく『直感』が働き、腰に収めた自分の得物に目が行った。


「『真鑑定』」


 名称:第六世代型・御霊三式

 武器レベル:17


「武器レベル……? こんなの見れなかったよな。つまりは性能ってことか」


 もう片方の武器も見る


 名称:『魔鉄の長剣』

 武器レベル:11


「アイラ、『木霊』出して」

「はい、こちらに」


 名称:第三世代型・木霊一号

 武器レベル:9


 ……なるほど。ある程度の性能が分かる訳だ。

 武器自体の切れ味とかは分からないけど、まあレベルが高い方が良い物なのは間違いないだろう。


 であれば、気になってるところとして……。


「アイラ、君の武器2つを見せてくれる?」

「はい、どうぞ」


 名称:パラゾニウム

 武器レベル:49


 名称:ライフスティール

 武器レベル:43


 ……うん、なるほどね。

 そりゃ『魔鉄』装備も簡単に貫くわ。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


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今日も2話ですが、4章に突入し話数も増えてきたので、そろそろ新規さんが追いつくのも尻込みしちゃいそうなので、明日から1話ずつにします。また何か記念ごとが起きれば複数話になると思います。(2/2)

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