蚯蚓
寒い――、そう思って
胸の上で組まされている両腕を動かそうとしたが、ちょっとも自由が利かない。両脚も同様に蛙のように曲げられたまま動かせそうにない。どうしても、壁に
土の中にいる――、それを
「誰か助けてくれ!」俺は地上に向けて必死に叫んだ。だが、息遣いが荒くなるほど、また微妙な
記憶は
職を追われ、恋人にも見捨てられた俺は
その写本には
どれほどの時間が経過したのだろう。骨が痛むほどの寒さに震えながら、俺はジッと息を殺して考え続けていたが、それも限界に近づいているらしい。どうしても、胸が詰まるような圧迫から逃れられないことを知った。
「こうしている間にも、
そう考えると恐ろしくて
さっきから身体が
「まるで巨大なミミズだな」そう思うと
『山梨県山中で男性が
昭和六十四年二月二十八日。山梨県山中で男性の変死体が発見された。被害者男性は胎児のような姿勢で地中に埋められており、死因は
遺体が発見された場所は
いずれにせよ、捜査は
(了)
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