第36話 お祝い⁈

   71.復帰祝い


「もぉ~、心配したんだから」

 マイアはそういって、ボクのベッドの上にすわっている。

「ボクは貴族じゃなくなったけど、いいのかい?」

「いいの、いいの。だって私は平民だもの。シドルが平民になったのなら、むしろ気兼ねなく付き合えるんだから」

 むしろ、平民になった方がモテるようになった? 確かに貴族の養子といっても、ボクは微妙な立場だ。正妻はもういるわけで、平民の子を側妾にしても、その子供は貴族を継ぐことができない。貴族としての裕福な生活を享受したい、という理由以外で、平民の女の子が近づくのはハードルが高かったのだ。

 久しぶりにマイアとベッドに入る。彼女は受け身でいることが多いけれど、今日はちがった。それはご無沙汰……ということ以上に、会えなかったことで気持ちが昂っていることを感じさせた。

 彼女からボクに跨り、激しく動く。彼女の胸がそのたび、ゆさゆさと大きく揺れるのをみているだけで、ボクも帰ってきたと思う。

「うぅ~ん……♥」

 マイアは満足そうな表情を浮かべて、イッた。


 マイアはすぐにもどった。相変わらず、寮の門限が厳しいからだ。

 でも、その門限をかいくぐって、ボクのところに訪ねてきた女の子もいる。

「約束、果たしてよね」

 それはエマだった。

「見張りはどうしたの?」

「買収。一時間だけ大目に見てもらったのよ」

 そう、将軍邸襲撃事件の協力に、見返りを要求されたのだけれど、それが彼女とエッチをすることだった。

「私、胸もないし、女の子っぽい体でもない。だけど、いい?」

「関係ないよ。エマの魅力は、そんなところじゃないだろ?」

「計算高い?」

「そうじゃない。機転が利いて、いつも頭の中でぐるぐると何かを考えている。だからそれを、ボクの方に向かせたい……」

 そういって彼女を招き寄せると、ボクの膝の上にすわらせた。彼女も覚悟を決めているので、目を閉じている。ボクは優しくメガネを外してあげると、小さくそぼめている彼女の唇に、そっと唇を添わす。


 エマ・ルートは、いつでも入ることができる、そんなユーティリティーがあった。でもそれは主人公目線、彼女にとってみれば、貴族の養子であるシドルにはメリットがなく、付き合いたい対象ではない……と彼女は算盤をはじいていた。

 それが、助ける条件でだしてきたエッチ……。彼女はずっと気になっていたのだ。

 頭脳は大人、体は子供……。ウェイリングとは正反対。そして、女性になりきれていないことを……。

 まだ毛も生えていないし、胸だってほとんど盛り上がっていない。まだ十三歳、微妙な乙女心は、それを恥ずかしいと感じて、恋愛という感情を自ら封印していたのかもしれない。

 でも舌を絡めても、胸を舐めても、下腹部を口で責めても、彼女はその一つ一つに敏感に反応する。

 むしろ、これまで自分で封印してきたからこそ、無理にこじ開けられることに忌避意識があるのかもしれない。

「嫌……、ダメ……、あ……、うぅん」

 眼を閉じ、頬を染めて、体をびくん、びくんとそのたび波打たせる。

 彼女にとってはすべてが初めての体験。頭のいい彼女は、そのすべてをうけとめ、自らの経験として感じようとしているかのようだ。


 でも、そんな彼女の頭の中を、からっぽにしたい。

 幼くて躊躇いそうになる、彼女の中へとボクを静かにすすめていく。

「イタ……」

 我慢するようグッと目を閉じて、自分の中に他人が入ってくるのを感じているようだ。

 ボクもきつくて、中々に奥までいくのが大変だ。初めて男の人を受け入れ、戸惑いがそのきつさの中に見え隠れする。

「大丈夫かい?」

「え、ええ……。変な感じ……。みんな、こんなことをしているの?」

「これからだよ。まだキミの中は未発達だから、しばらくこうして待っている。すぐに動かしたら、痛いだけだからね。ボクとつながって、そしてこれから一緒に楽しくするんだよ」

 腰をつかっていく。彼女のそこは壊れてしまいそうなほど、幼い感じだけれど、彼女の感じ方はちがった。

「ひゃぁ、ぁ、ぁ、ぁ、あ、あ、あ、あぁ、あぁぁぁッ!」

 彼女はイッた。目を閉じて、恍惚の表情を浮かべている彼女は今、頭の中が痺れたようになって、何も考えることができなくなっているはずだ。

「もう一度するかい?」

 彼女はボクの腰遣いより速く、何度も首を縦にふっていた。




   72.ウェイリングと


 ウェイリングも、よく部屋を訪ねてくるようになった一人だ。

「お兄ちゃ~ん♥」

 部屋に入るなり、そういってボクに抱きついてくる。決闘で、彼女の昂った気持ちを鎮めるため、ボクが慰めてあげた。それ以来の関係だし、「お兄ちゃん」と呼ぶようになったのも、あの事件以来だ。

 彼女はすぐに、ベッドの上にすわるボクに、背中をすりすりしてくる。ボクは脇から手をまわし、その大きな、手に余るほどの胸を愛撫する。

 胸を揉まれること自体、ウェイリングはあまり好きではなく、その大きな面積の中のごく一部、頂点にある色白なので、可愛らしいピンク色の花弁を指でゆっくりとつまんだり、引っ張ったりすると、やっと感じはじめる。

 彼女の右脇から、頭を挿しこんでその先端を口にふくむ。余った右手を彼女の下腹部へとすべらせ、もうすでに湿っている彼女のそこで、指を遊ばせる。彼女は自ら手をボクの上に重ね、もっと奥へ、もっと奥へと誘うようにボクの手を押しこもうとしてくる。

 ボクももっと感じてもらおうと、足を彼女の後ろから太ももへと回し、その内腿を踝と踵でこすり上げる。

「あぁん、すごいぃぃぃぃッ‼」

 彼女が身もだえていると、不意に「あれ? お尻に何かあたるよ」


「ボクもウェイリングで感じているんだよ」

「じゃあ……しちゃう?」

 ふり返らず、もじもじしてそう尋ねられ、ボクも「いいの?」と返す。

「お兄ちゃんなら……してみたい!」

 彼女がエッチ好きであるのは、右手を濡らすその液の量でも分かる。ボクも素直に頷いた。それはゲームでも、彼女とはそういう形ではじまったからだ。

 初めてなのに、温かく、絡みついてくる。それはボクのそれを包むように溢れる蜜の影響もあるだろう。

 行為もとてもスムーズだ。

 でも……「いいのぉ、いいのぉ。もっと、もっとぉ~♥」と、止まらなくなった。

 ゲームの中でも、彼女は一度したらエッチに積極的。だから人気キャラ、という側面もあった。

 それこそ〝精力を吸い尽くされるレベルで……〟と、ゲームの中でも評されるほどであり、ボクの体力の方が心配だった。



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