永続的な愛

 目覚まし時計の無機質な音で目が醒める。朝五時。欠伸をしながら妻の部屋に向かう。が、今日も静かに仏壇があるだけだ。はぁ。とため息をつき、妻が死んだことが悪夢ではないことを確認した。

 キッチンへ向かい、予約炊飯していた米を盛り、仏壇へ供える。その後フレンチトーストを作り、平らげた。毎日作っているからか慣れたものだ。

 お昼ご飯は弁当箱に米を詰め、大きな卵焼きとウインナー、ミートボールを入れる。空いた所に作り置きの切干大根を詰めた。

 時間があるので夕飯用のキャベツを刻み、皿に盛る。ラップをかけて、冷蔵庫に入れておく。

 妻が毎日作ってくれていたものを思い出しながら、妻の代わりに作る。君が僕にしてくれていたことは永続的に続くよ。と心の中で呟きながら。

 アイロンのかかったスーツを着て、車の鍵をポケットに入れて仏壇へ向かう。


「行ってくるね。今晩も話そう。君が好きな酒を買ってくるよ。愛してる。行ってきます」


 家の外に出ると、極力悲しくない顔をする。今晩話すことを考えながら、駅に向かった。

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