31.異世界の夜明けはもう近い
かつて死した賢者達3人の魂を吸収し出現した巨大ガッタイヤー!
イセカイマンは倍の体長の巨大な敵と果敢に戦い、更にイセカイマン2号マドーレムも参戦した。
巨大な拳を振り下ろすガッタイヤー、しかし両者はこれをバク転で避け、両サイドからドロップキックをガッタイヤーに向け放った!
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その時、マドーベーサーに到着したホーリーは作戦指令室にアラームが鳴り響いているのに驚いた。
「マドーシンクラーが空を飛んでる!やっぱりあれは異世界へ飛び立つための巨大魔道具だったんだ!」
モニターには遥か遠方から飛んで来るマドーシンクラーが映っていた。
「そ…壮絶!ですわ!」
「シルディー!魔力パネルに思いっきり魔力を注いで!」
「わかりましたわ!」シルディーの魔力に反応してパネルが紫に光り出した!
「これ…飛行モード!」緑に点滅しているパネルを押すと!
ホーリーとシルディーの後ろの椅子が床下にクルっと収納され、替りにマドーキーのシートの様な椅子が現れた!
二人はそこに座ると今度は目の前の机がクルっと回って、これまたマドーキーの操縦席の様な机と操縦桿が現れた。他の席も同様、クルっと回って立ち席や作業机がマドーカーの操縦席の様な、「移動する魔道具の座席」の様に変化した!
多分トイレも和式便所がクルっと回って洋式トイレに変化してるだろう、多分。あ、ここは洋式の世界だった!
中央モニターも天井に収納され、奥に隠れていた壁が上に向かって開いていく!
その壁の向こうに罅が入り、崩れ落ちて行く、いや、マドーベーサーが地下から浮かび上がっているのだ!
壁と思われていたのは窓で、その正面には鳥の首の様な、マドーキーの機首の様な尖った構造物が現れ、大地から浮かびあがっていた!
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「見て!あの遺跡から鉄の鳥が!」妻達が驚きつつ見つめる
「ふわ~びっくり~」「あの巨大な物を空に浮かべる力って何?!」「まともに戦わなくてよかったわ」「あれどんだけ金かかっとるん?」空中に浮かび上がったマドーベーサーを眺めて妻達は好き勝手に感想を述べる。
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マドーベーサー、正面の窓の上のモニターには、接近するマドーシンクラーが映し出されていた。
「次は、合体モード、これね!」緑点滅するモニターを推すホーリー。
マドーシンクラーのクレビーも「あ!合体モードに応答があったわ!マドーベーサーと合体するよ!
浮上したマドーベーサーの下に進むマドーシンクラー、正面の窓の上のモニターに、両者の位置を示す模式図が接近を伝え…マドーベーサーの真下に来た時に「合体準備完了」と表示された!
「Aウィングオープン!Bウィングオープン!マドーシンクラー、スタンバイ!」モニター上で緑に点滅するマドーシンクラー!
同時にマドーベーサーでも合体システムが作動した!
接近する二つの巨大な機体、そしてジョイント部の棒が接続し、その外殻が回転しながら補強する、そしてモニター上の「合体システム」の部分が消え…
代わりに「マドーシンクロベーサー システムオーダー」と表示された!
「メインエンジンパワーオン!セカンドエンジンパワーオン!」
謎のアナウンスが両機の作戦指令室、もといブリッジに響く。
クレビーがマドーキーのスロットルと同じ様な左レバーを手前に引いた。
「オールエンジンスタンバイ!」轟音が機内に響いた!
「ゴー!テイクオフ!」
ブリッジ眼下の風景が凄い早さで後ろに消えていく。
ブリッジの床がいくつか開いて、下からクレビーとレイブがシートごと上昇して来た。
クレビーが言う。
「これが、この世界の切り札、マドーシンクロベーサーよ!」
二つの巨大な飛行メカが合体し、超光速粒子タキオンを動力源にした異次元突入を可能にした超時空戦艦マドーシンクロベーサー!
高速で突き進み、デファンス領から王都を飛び越し、カナリマシ国も飛び越え、ヒヨリミー国内で暴れるガッタイヤーを捕らえた。
「あれがガカイヤー…巨大になってるわ?」「攻撃、攻撃!」せかすシルディーに応えるホーリー。「待って、よし」モニターに機体上部の武器が点滅表示された。
「プロトン砲、発射アー!」ダミ声で命じるホーリー!
光線がガッタイヤーに命中!その巨体を弾き飛ばした。
「おーのーれー!もっと強い武器をお!」天に現れる魔法陣。
「あれが異次元に通じる、ワームホールよ!イセカイマンが突入した時空の穴よ!」
「奴は新しい武器を呼び出すつもりね、プロトン砲をもう一丁お見舞いよ!」
穴から出現する巨大な銃?だがその直後、プロトン砲が銃に命中し、大爆発を起こした!
「チッキショー!邪魔しやがってー!」文字通り地団駄を踏むガッタイヤー。
だがその時、上空の穴から声が響いた!
「何ダコレハ!我々ノ戦イガ台無シデハナイカ!」
「折角武器ヲ開発シタノニ何ノ出番モ無シトハ!」
微妙に歪んだ様な、不気味な、そして怒りを含んだ声だった。
「アノ巨人ト戦艦ハばぐダ!排除セヨ!」
上空の穴が広がり、中から巨大な手が現れた!いや、手の様な機械だ!
鉄の腕がイセカイマンを襲う!回転し避けるイセカイマン。
すると今度は別の手がマドーレムに襲い掛かる!
更に別の手がマドーシンクラーに向かう。
モニターに「警戒・対空戦闘」と表示され、作戦指令室もとい艦橋の左右の席が赤点滅した。
フラーレンとエンヴィーが席についてモニター上の鉄の腕を狙い、
「タキオン光線砲、発射!」操縦席にある銃口を握ると、艦体上部から針の様な光線の群れが放たれ、鉄の腕を粉砕した!
「これは勇者の魔力が無くても撃てるのね!」迫る腕を次々と撃破する。
「あれが異次元人の攻撃…反撃する方法は!」コンソールに向かい検索するクレビー、
「あった!マドーキーからタキオンソードを発射、マドーレムで空間を切断する…よくわかんないけど」
「出動!」サッとシルディーが発射口へ駆け出した。「お願い」ね!」
発進口の真ん中に進むマドーキー、そして反対側から、巨大な剣が現れ、マドーキーの下部に合体した。
「シルディー、マドーレムにその剣を発射して!レイブ、その剣であの腕の根元をぶった切っちゃって!」
「「了解!」」「ビークイックテイクトゥーザバスター!レッツゴー!」謎のアナウンスと共にマドーシンクロベーサーを飛び立つマドーキー!
怒りに任せて暴れるガッタイヤーを避けては攻撃を繰り返すもらちが明かない!
更に鉄の腕が二人を襲う!
イセカイマン達を援護射撃するマドーキー、「レイブ!受け取って!」とシルディーが発射ボタンを押す!
機体下の剣がマドーレムに向けて飛んで行った!
マドーレムが青空を背景に煽りで右手を前斜め下に突き出す。
その拳を貫く様に合成で光が走り!目の前に巨大な剣が現れる、それを高く振り上げるとマドーレムに後光が輝いた!スゲー予算かかってる1カットだ!
マドーレムは空を飛び、天空の穴に飛び込んで根元を一閃!剣は虹色に光り、切り裂いた跡も光って消えた!
「やったぞ!」
「レイブ達たちたちたち…。このまま敵の本拠地きょちきょちきょち…。五次元世界へ突入するのだのだのだ…」
イセカイマンが4人に語り掛けた、エコーで。
ノリノリなクレビーが叫んだ。
「じゃあ行くわよ!タキオンエンジン臨界増速!」
機体下部の加速器の外部装甲が虹色に光った。イセカイマンはマドーレムを見ると頷き、マドーシンクロベーサーへ飛び乗った。それに続くマドーレム。二人は艦橋の左右に取り付いた。マドーキーも発進口へ着艦した。
「マドーシンクロベーサー、異次元へ突入!」光のレールは無いが、巨大なマドーシンクロベーサーは穴に向かって突入した!
しかし次なる鉄の腕が無数に迫る!
「よーし、プロトン砲、連続発射!」
艦隊上部から連射されるプロトン光線が腕の襲い来る遥か先に命中!腕は瞬時に消滅した!
「次元を切断した様だな」艦橋に戻った私が解説した。「あらいたの?」
その時、緑の光がモニターに見えた。それは、糸の様にこちらに向かっていた。
「攻撃?」「違う、あれはきっとイセカイマンが敵陣に置いた灯台の光みたいなもの」
「何でわかるの?」「信じて欲しい」ライブリーの真剣な眼差しにクレビーも「わかったわ!あの光を辿るわ!」
そして降り注ぐ鋼鉄状の光「次元の境界線、アイアンバーだ。突入するぞ!全員着席!対ショック防御!」
席に着き、ベルトを締める一同。解らない妻達へマドーキーで知ってるクレビー達が教えてた。
「突入!」
鋼鉄のカーテンをくの字状に押しやりながら、亜空間を脱出するマドーシンクラー、その先は!
鉄の箱が上下縦横に無限に並ぶ空間、前回来た五次元のサーバルームだ!
しかし、そこには空間に開いた穴から無限の鉄の腕が現れ、サーバ類を次々に破壊していた!
「ヤメロ!ヤメルノダ!」
「早ククレーンヲ止メロ!」
「今ヤッテイル!上手クイカン!」
「高価ナ機械ガアア!」
先程の声が慌てふためく様に轟いていた。
巨大なサーバ空間を圧する様に進むマドーシンクロベーサー、その左右で破壊され爆発るサーバ群!
さならがサ〇ール星超兵器を爆破して引き上げるバ〇カス三世の如し!
「あれ、さっき撃ったせいで鉄の腕がコッチに来ちゃったのかしらね?」
「ざまぁ見ろよ!自業自得よ!」久々のざまぁ要素であった。
「あのあたりがこの空間の中心だ!」「任せてー!」
更に進むマドーシンクロベーサー!その先に何が待つのか!
異次元で暴れまくる彼らの運命は?
どうなる異世界、どうする異世界?!
…では また明後日…
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