ニコイツ
皆さんの両親はあなたから見て仲睦まじいと言えますか?うちではもう夫婦喧嘩は何年も見かけておりません。お互いへの関心が薄れたのでしょうか、父はキャバクラへ通い詰め、母は家で今も二次元の彼氏(高校生)とボソボソと会話をしています。自分はもう大学生になって家にそれほど帰らなくてもいいのが唯一の救い。ですが私には妹がいます。真面目で可愛くて少しだけ恥ずかしがり屋のたった一人の大切な妹。父がキャバクラに通い始めたのは私が高校生の頃からで、最近では生活費だけでなく妹の進学に必要なお金までも溶かすようになってしまいました。家庭内暴力こそありませんが、両親が離婚を避けることは難しいのではないかと考えています。本当に家族思いで忙しい中でも家族との時間を忘れない父だったのにどうして...
ですから、私は父を変えた女に腹が立って仕方ないのです。あの家族思いの父が浮気まがいのことをするなどあるはずがありません。でも心のどこかで責任は父の家族である私たちにあるのかもと思う時があります。そういう年頃、といえばそれまでですが私には反抗期がありどこかそっけない行動をとってしまったと思うのです。自責と後悔の念で苦しい日々を送っております。ですから、せめて私だけでも父に優しくしようと思ったのです。ですから顔を合わせる度に笑顔で
「おかえりなさい、お父さん」
と優しく迎えの言葉を誰よりも先に言い、祝い事の時には誰よりも祝福しています。しかしそれでも父はキャバクラへ通い続けるのです。私はもう手の施しようがありませんでした。
そしてある日、母は離婚届を父に突き付けました。たまたま遠くからその光景を見ていた私は口を歪め、これは夢だと何度もつぶやきながら布団に入りました。しかし紛れもない事実なのです。とうとう両親は離婚してしまいました。大好きだった父ともお別れです。引っ越すのでバイトも辞めました。父には私のバイトを過剰に心配する所があり、度々バイト先にも顔を出していたのでその過保護な点さえ除けば私にとっては家族思いの本当に良い父でありました。これからはよく分からない気持ち悪いヲタク趣味の母と妹との三人暮らしです。どうしてもストレスが溜まり、母に辛く当たってしまう時があるのですが母には内緒の新たな環境で前職での経験を活かし働いてる最中の気持ちよさがストレス発散になっています。
「な? 善人ぶるのは簡単だって(笑)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます