第4話
一人目は執事長。
「おや、どうなさいましたか?……
二人目は女中の一人。
厨房を任されている彼女は、当日火番を任されていたという。
「当日の動き…ですか?私は南にあるホールと、東の厨房を行ったり来たり、あとは皆さまに
三人目は衛士の一人。
まさしく西側の塔で、突如現れたという魔獣を追って
「ああ、
四人目は北側の警護を担当する衛士。
「パーティーがはじまる一時間前に見回りをした時には、たしかにネックレスがショーケースに入っていたな。そこからは俺は一度も中に入っていないぜ。宝物室の入り口で警護をしてた。それが毎年のきまりなんでな。
……ああ、それと見回りの時に執事長が来たな。部屋の施錠のためにだ。でも、執事長より俺の方が後に出たし、その時にケースを覗いて、ちゃんとこの目で確認したぜ?んで、ここで警護してたら急に中から
あとはお前さんらの方が詳しいだろ?中庭にいたらしいしな、リュミエルのやつと」
「……ということだ。不足があるのならもう一度戻って聞き取りをしてくるが?」
「んん、いやぁ、その必要はないかな。お陰で助かったぜ。」
朗らかに礼を返す
「いったいそれで、お前は何をしているんだ。」
なので、直接聞くことにした。
「んー。ちょっとな。魔力の痕跡が分からないかと思って。」
言いたいことは分かるが、理解が出来なかった。こちらの眉間に刻まれた
「君はさ、
「どちらもそう知らないな。当然だろう。」
魔獣についての詳しい授業は、学院の二学年時に習うという。何れそこに通うことを期待されてはいるものの、まだ専門の授業どころか、入学の確定すらしていない状態だ。
「そっか、普通はそうなのか。俺はそこそこ識っているけれど、まあ普通に竜と聞いて想像つく知識があれば十分さ。あとはこの
そういって立ち上がった少年は、からりと快晴のような笑みを見せる。この雪降る季節には似つかわしくないものだ。
「と、いう訳で行こうか。
「はぁ!?」
「あ、ちなみに君が聞きに行ってくれた人たちの中にいるぜ。」
「はぁ!?!?」
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