第4話 新年は新しい気持ちで

 除夜の鐘が鳴り終わり、新しい年が始まった。


 あけましておめでとうの連絡がスマホに届く午前0時、私は新年の挨拶をスマホで済ませ眠る準備を始める。


 元日の朝は早い。この時間に眠っても遅いぐらいだろう。


 不合格の日から私が日記を書き始めて3ページ、少しは気持ちの整理はできたぐらいだ。殆ど妄想フィクションによる現実逃避だったけれども。


 気持ちに余裕ができたら日記を書く頻度も減るだろう。いつかそんな日が来るまでは日記とは長い付き合いになりそうだ。


◇◇◇日記part


 空が白く染まる初日の出。これを見ると新年が始まったと感じることができる。


「ふぅ、寒いなぁ」


 私は今、初日の出をベランダからコーヒー片手に眺めている。いつもは日の出を見ることはないけれど、この景色はいいものだ。


 静けさが辺りに広がるこの時間、今なら外に出るのもいいかもしれない。


 思いついたのなら即行動、コーヒーを飲み干し、服を着替え私は外に飛び出した。


 外に出ると小鳥のさえずりが聞こえてくる。おそらくスズメだろうか。早朝の町は人通りもまばらで車もあまり走っていない。


 一人でぶらぶら散歩するのもなかなか悪くないものだ。何も考えず、私は思いついたままに歩き回る。


 この時間は店は開いていないだろう。しばらく歩いてそろそろ帰ろうかなと思ったその時、ふと寂れた神社が目に入った。


 その神社は私が幼い頃遊び場にしていた場所であった。何も無い場所ではあるが、何も考えずに走り回るにはちょうどいい場所であった。


「懐かしいなぁ」


 いくら願ってもあの日には戻れない。前を向いて生きていくしかないのだから。


◇◇◇


 そろそろ眠らないと起きるのがつらくなるだろう。妄想フィクションはこのぐらいにしておこう。


 観たい特番も特にはない。これも時代の流れなのか。


 人生後悔多くある。それでも幸せもあると信じていたい。


 今年もどうか何事もなく無事に過ごせますように。どうか良い初夢を。

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