第3話 孤独はこころを蝕むのか

 独りでいることで感じる孤独感、それは誰かとの繋がりを求めるものか、助けを求める声無き声なのか。


 大学生活を振り返ってみるとあまり思い出が無い。感染症の流行により外出の機会が減ったり、多くのイベント等が中止になったりしたからだ。


 特に楽しみにしていた訳ではなくても、それらの機会がなくなったりすれば気が滅入ってくるものだ。一人でいることは楽ではあるが、孤独であることはそれなりにきつくはある。


 どうせ普通に日記を書いても面白くない、今回は特に何もなかった日々、1年以上前のありもしない思い出を妄想フィクション多めにして書いてみようか。


◇◇◇日記part


 成人式の日、それは大人になる日であり、懐かしい思い出との再会の日でもある。


 着物を着ている人、スーツ姿の人、参加者の服装は人それぞれであった。


 私はスーツで参加した。着物はどうも性に合わないのだ。


◇◇◇


 ふと日記を書く手が止まる。1年以上前のことでもあるが、そもそもの話、成人式は中止になった為、普通の成人式の進行がわからないから、この後のことをどう書けばいいのかがわからない。


 妄想フィクションなので自由に書けばいいのだろうが、何故かこれ以上考えることができない。


 それ以外の思い出でも書こうとしても手が止まってしまう。それよりも何かむなしい気分になってしまう。疲れているのだろうか。


 ふと気がついた、ここ最近外出せず、他人と会話した機会が殆ど無いことに。


◇◇◇日記part


 そろそろ今年も終わりが近い。クリスマスも特に面白いこともなく、ただケーキを食べたぐらいだった。


 この時期は特番が放送される。いつもと違うテレビ番組が……


◇◇◇


 妄想フィクションにキレがなくなってきたのが自分でも感じることができる。今日はこれ以上書くのはやめておこう。


 時計の針は午後6時、そろそろ年越し蕎麦でも食べようか。


 今年は色々あったようでありながら、人と関わることの少ない1年であった。


 感染症の流行からそろそろ3年ぐらい経ちそうだが未だ収束の目処は立たない。


 この生活の中で孤独であることの大変さを感じることとなった。誰かと話すことさえできたのなら少しは楽になるのだが、このご時世ではなかなかうまくいかないものだ。


 孤独は頑張る気力を奪いかねないものだ。生活の中の小さな喜びを感じることができなくなる前に対処する必要がある。


 人のこころは割と脆く、孤独に強い訳ではない。


 とりあえず今は年越し蕎麦を食べて、適当な知り合いにでも電話してみようかな。流石に年越し前ぐらいは暇だろうし。

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