第18話 元気に活躍するのに比例して、頭痛の種が・・・

 彼にしては激しい表現だなと、大宮氏は感じている。ただ、それは年長の大宮氏相手という枠組の中であり、これが職場や同業の関係者の前では、そのくらいのことは話しているのであろうことは、容易に想像のつく話ではある。

 大宮氏は、少しこの場の荒ぶった雰囲気を押さえるべく、静かに話した。


 教員くずれというその言葉に、君の思いが十二分に詰まっているな(苦笑)。

 結局、山上さんにお引取り戴くことは叶わなかったわけね。

 しかし、あのお歳で原付免許を取得されて、それでこの地まで通われるようになったとは、まあお元気だわなぁ。

 ぼくも小学生の頃、山上先生、もとい、新橋先生がまだ20歳になるかどうかの頃だったが、仕事の合間に自転車に乗る練習を一所懸命されていたのを覚えているからねぇ。その頃ぼくはすでに自転車に乗れていたこともあって、練習にお付合いしたこともある。

 それにしても、原付免許を取りに行って張り切られている山上先生のお姿、容易に想像がつくよ。

 しかし、あの方がお元気に活躍される分に比例して、大槻君には頭痛の種が増えていくってことに相成るわけか。

 ましてや若い保母や男性職員各位には、年齢差も大きい分、ひょっとすると大槻園長御自身よりも強烈に感じざるを得ない要素があるだろうな。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


「ええ。山上先生が職員会議で発言されると、場の雰囲気が、ねぇ・・・」


 そう言って、大槻氏は珈琲に口をつける。大宮氏も、さらに、それに続けた。

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