AとY


散らかした机の上を腕で払った

それでも僕の何かは満たされなかった

どこからか鳴る着信音 振動

日曜の朝から不快音 浸透


ありふれた言葉でお茶を濁した

それでも誰かが振り返ることはなかった


夕暮れ

車内に響くカーナビの音

助手席から風を切る音

勘繰れ

安い煙を燻らせ

揺れる月に投げ入れる


クラス

顔のない人がひしめき合って

暮らす

街の中心で割れた

グラス

破片を静かに照らす

テラス


どうしようもなくなって

なんとかしようともがいて

下を向いて歩く大人は

転ばぬ様に歩き続ける


どうにかなる日々を

なんとでもなる日々を

前を向いて歩く子供は

アリを踏んで歩き続ける


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