第3話 仲良し作戦開始

 俺の名前は松田 陸斗。

 16歳の高校1年生だ。

  

 親が突然再婚して、その連れ子が3人もいる。

 しかも全員美少女だ。

 年下ってことで義妹扱いなんだけど……。

 突然そうなっても困惑するばかりである。


 今から、その義妹たちに家の中を紹介することになった。


 俺の家はデカイ。

 父親が商社のエリートで、中々の収入がある。


 3階建ての大きな家。

 1階は倉庫と車庫になっている。車は5台は停めれるだろうか。

 2階以上が居住スペースなんだけど、美桜子さんたちには3階に入ってもらう。俺も3階だけど大丈夫。みんなには1人部屋が割り当てられる。4人が増えたところで部屋はまだまだ余っているくらいだ。


 俺はみんなの部屋を紹介した。


「うわぁ凄ぉい! 1人部屋だよぉ♡ 咲ねぇ、1人部屋に憧れてたのぉ♡」


 ほぉ、そうなると、前の家は姉妹で同じ部屋を共有してたのかな?


  彩弥音あやねは俺の不思議そうな顔を見て察してくれた。


「私たちの家はこんなに裕福じゃなかったから。3人で1つの部屋を区切って使っていたのよ」


「へぇ、そうなんだ。じゃあ、バラバラだと寂しいかな?」


「そんなことないわよ。みんな窮屈してたもの。とっても嬉しいわ!」


 そかそか。

 それは良かった。


 ふと凛華を見やると、目をキラキラと輝かせていた。


「フハァァア〜〜。ひ、1人部屋ぁ」


 お、なんか嬉しそうだぞ。


 と、俺が喜んでいると、それに気がついたようで、



「フン!」



 と、難しい顔をしてそっぽを向いた。


 やれやれ。

 素直に喜べば良いのに。

 まぁ、俺の好感度は−28(嫌い)だからな。こんな態度も仕方ないか。

 

「……あの子、素直じゃないから」


「ははは。まぁ、気にしてないよ」


 めっちゃくちゃ気にしてるけどな!


「私たち、ハッキリ言っちゃうと貧乏だったの。服なんかみんなおさがりだしね」


 おさがり……。


「にしてはお洒落だよね?」


「ありがと。みんな、服が好きだから工夫してるのよ」


「へぇ」


 もしかして、それで3人ともミニスカートなのかな?  彩弥音あやねのおさがりを下の2人が着ているのかもしれない。


 さて、部屋も紹介終わったし、次は……。


「俺の部屋、見る?」


 3人は眉を上げた。


「別に見たくないわよ。オタク臭いし」


 まぁ、凛華はそう言うだろうと思ったよ。


「咲はゲーム好き?」


「え? うん。好きだよ」


「俺の部屋にはゲームがたくさんあるんだけどな」


「え、本当!? 咲、やりたい!」


「漫画もたくさんあるんだが?」


「読みたい読みたい!」


「じゃあ、俺の部屋に来る?」


「うん、咲行く♡」


 フフフ。

 これが小学生さ。

 チョロいな。


「ちょ、ちょっと咲ぃ! こんなヤツの部屋とかキモいし! 行かなくていいっての!」


「やだ! 咲行くもん。ゲームやりたいし、漫画読みたいから」


「ん、もぉ〜〜」


 さぁ、仲良くなる作戦開始だ。

 数値上げるぞぉ!

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