第4話

俺は、いろんな人を助けたい。

いろんな人を笑顔にしたい。

いろんな人が毎日楽しく過ごせるようにしたい。

俺はまだ中1だからできる範囲は限られるけど、こんな中1男子でもできることがしたい。


〜一時間目 数学にて〜


「クスクス…」


あの子を笑う声。

いじめっ子の歪んだ笑顔。

いじめられっ子の潤んだ瞳。


助けなきゃ。


「玲奈、ここできた?」


わざと明るい声で、

いじめの主格、クラスのボス的な女子の玲奈に声をかけた。こいつは、きっと私かわいい〜なんて思いながら過ごしてそうで、俺は苦手だ。

だけど、いじめをなくすためだ。


「あーここ?ごめん、分かんなぁい」


相変わらずぶりっ子。

でも、いじめられっ子の方を見るとほっとした顔をしていた。良かった。


「ここは、xの二乗があるから…」


一応説明してやったけれど、軽い感じで礼を言われて腹が立った。こいつ、絶対理解してない。


話し合いが終わり、玲奈は先生にさされて、

分かりませぇん と言ったのは言うまでもないだろう。


いじめのことも頭に入れて過ごさなきゃだな。

俺はこんなに呑気に過ごしているけど、

いじめられている人は、学校にいる一瞬一瞬が辛いんだろうな。

そんな子がいなくなることはないと思うけど、

減らすために努力しなきゃな。


〜第5話に続く〜

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