第3話

昨日もらった参考書は、とてもわかりやすかった。

間違えやすい単語の覚え方から、

文法を覚えるコツまで載っていた。

それがタダで貰えたなんて、すごく運がいい。


いや、待てよ。

この運は自分のために使うんじゃなくて、

他のみんなのために使ったら、

もっとヒーローに近づけるんじゃないか?

それならどうやってやるんだ?

うーん…


まあいいか。それは後で考えよう。

今は勉強に集中しよう。



〜次の日〜


「おはようございまーす」


今日も学校にきた。


「よう、慧。宿題やってきたか?」


「そりゃやってきたよ」


「今日も写さして!お願い。」


「まあいいけど、ちゃんと勉強すんだぞ」


「あざす!」


俺に最初に反応してきたのは、親友の悠樹。

いつも通り俺の宿題を写している。

それだからいつもテストは赤点をとっている。


クラスを見渡すと、不登校気味な人が二人ほどいる。

いつかは俺の力で、楽しく過ごせるようにしたいな。


最近、気になる子がいる。

違う。そういう意味じゃなくて。

その子は、いじめられている。

話し合いの時、一人で教科書を読んでいたりするのをよく見る。クラスのボス的な女子が、その子を見て笑っていることもよく見る。

これは流石にいじめと言っていいだろう。


その子も助けてあげたい。


いじめは、嫉妬や家庭関係のストレスなどから生まれると聞いたことがある。

そんな悩みをなくせたらいいのにな。


ヒーローって、やることがいっぱいなんだな。


キーンコーンカーンコーン


「皆おはよう、今日も朝の学活を始めるぞ~」


教室に担任が入ってきた。

まあ、そんなことは置いておいて、

今日も1日頑張るかぁ。


〜第4話へ続く〜

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