山根探偵事務所
何故警察署長がこの山根蒼の探偵事務所に捜査情報を教えに来たのかというと山根蒼は、以前とある事件の関係者になったことがありその中で一番疑われたのが山根蒼で、その山根が自分に掛かった冤罪を晴らそうとして情報を掻き集めて真犯人を挙げたことによる成果が三宗署長の目に止まった。そしてちょっとした信頼は置かれているのは彼が来てる時点で証明している。
山根は一通り捜査資料と捜査情報を見て聞いた。
「山根君、何か分かったことはあるか?」
三宗虎太郎は警察署にある道場の師匠の立場におり、時には厳しく隙がない男で話すときはグイグイと寄ってくる正義感が人一倍強い男と聞いているが困った時は本当に彼なのかと思うぐらい静かになり、気付けばいたということが山根は多く経験してる。実は探偵事務所に来るとき必ず静かになる、なぜなら以前一対一になったとき山根はあまりにも彼のグイグイの性格にウザくなったため静かするよう注意したらまさかのギャップの発見をした。
山根の探偵事務所はとても整頓されており本棚は全てあいうえお順になっている、キッチンなんかもいつ見ても洗い場には皿やカップが一つもない。服装なんかは黒の長ズボンにジャケットを着ている。おそらく読者諸君が想像してるような服装で合っていると思う。
そんな彼が署長に花柄カップに差し上げる紅茶をしたためている。
「結論から言うと定食屋に尋ねた人物が犯人かどうか分かりませんがこの事件と何らかの関係があるというのは間違いないでしょう。今の所私はその者を重要参考人と考えています。詳しい決論はまず現場や被害者の日暮さんの御自宅を拝見しないと」
お盆に乗った、さっき紅茶を入れたカップの1つを署長に差し出した。もう一つを手にした山根は三宗署長の目の前に座った。
「ちょうど良かった。冬も近くなったのか最近寒くなってきましてね。」
「それは良かった。」
署長はカップの縁に口を添えたとたん少しピリッと痙攣して口を抑えたのを見た山根は
「すみません熱かったですか?」
すると署長は手を振りながら
「大丈夫です。いつものことですから」
と言う彼を少し哀れに思った。
「それよりもどうして重要参考人だと分かるのですか?」
「まず資料によると遺族の日暮さんたちは被害者の早苗の家で念の為と、関係者全員に電話をして早苗の行方を聞いたと書いています。それを終えた4時に解散してすぐあなたの警察署に失踪届を出したそうですね。」
「それが何か?」
「被害者が行方不明で家は留守と知っているのにわざわざ早苗さんの家が何処か尋ねた人がいるなんて変じゃないですか。それに顔を隠すようにしていたそうですし。」
山根の話に署長は納得したような様子だったがまだ歯の間に何か挟まっている調子である。
「しかしそれはあなた方警察の方では知ってる確信でしょう。資料からしてあなた方が頭を悩ましているのは日暮早苗さんが一体何処にいたのかでしょ。それより三宗署長は犯人の目星はついているのですか?」
「私は外部の犯行だと思っています。遺族全員のアリバイを確認したんですがあなたも知っているでしょ、日暮龍都と日暮和義一家のどちらも死亡推定時刻には一緒に日暮早苗の家にいた事は近所の人で確認ずみです。」
少し考え込んで上唇をペロッとなめた山根は
「なるほどですね。しかし気になるのは日暮さんの両手の指には少し傷があり、それに薬指と人差し指でしかも長さが異なっている。しかもそれが何処でなったか。」
そんな中、署長は腕時計を見たら時期に15時になりそうだったので
「もうすぐ15時になるので早速現場へ行きませんか?」
「すみません、長く話してしまって。」
と謝る山根を見た署長は
「いえいえ、私が話題を出したのですし、何せ今日の捜査で疲れていましたから。それでは御案内します。」
立ち上がった署長は一礼すると玄関のドアを開けて外へ出た。それに続いて山根が外に出ると駐車場には数台停まっていたがその内の1台の黒車を署長が開ける。
その車に乗り込んだ二人は重信川に向かった。
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