第16話改 意味が分からない

申し訳ありません。諸事情で昨夜投稿した16話を消させていただきました……。そのため16話改という形で改稿の上で再投稿させていただいております。

ご了承の上、もう一度読んでいただけますと幸いです……。


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「……はっ?」


 俺はそんな声を出すと、ここじゃ駄目なのか?誰かに聞かれたらまずい話なのか?と尋ねた。そうすると啓汰はどうしても俺だけに話したい、だからあまり人の目につかないところに行きたいと言った。


 それで啓汰は亮に闇討ちでもするのか?と疑われて指をポキポキと鳴らされて脅されたり、瀬川さんにそもそも寝取ったのによくもノコノコと本人の前に出てこれますねと嫌味を言われたりしても、臆すこともなく、ただの骸になることもなく、めげることなどもなく三週間程前のあっさりと屍になったときとは異なり、俺に切実に頼み続けた。俺はそんな啓汰の態度からある種の本気と必死さを感じ取った。


 そのため、最終的に俺は首を縦に振った。


 それに亮と瀬川さんは心配そうな声をあげたが俺は大丈夫だと言い、俺は一人で啓汰についていった。



 大学の校舎裏に着き、近くに人がいないことを確認した洋介は少し黙っていたが覚悟を決めたようで、開口一番俺に対して頭を下げた。


「……頼む洋介。……どうか、日向を救ってやってくれ」

「……はっ?」


 俺は啓汰が何を言っているのか分からなくて本日二度目のそんな声を出した。啓汰はそれに補足説明をするように続きを話し出した。


「あのままじゃあ、日向はおかしくなっちゃうんだ……今ならまだ間に合う……」


 俺はそれを聞くと溜め息を吐き、皮肉を放った。


「はぁ……。じゃあ、お前がちゃんと責任もって支えろよ。……俺から奪ったんだから」


 俺のその言葉に啓汰は悲愴と悔恨の色を浮かべた。


「もう俺じゃあ、駄目なんだ……」

「そんなことを言われても俺にはよく分からないんだが……。そもそも、俺はもうヒナタとは無関係なんだ。それはヒナタも了承してただろ」

「それはそうなんだが……。それでも……、お前じゃなきゃ駄目なんだ……」

「だから、俺はもう無関係なんだって」

「本当に頼む。ヒナタにとにかく一回でもいいから会ってやってくれ……」


 俺は元々ただでさえあまりのくどさに嫌気がさしていたのに、それを言われて完全に嫌になっていた。もう俺にとっては過ぎたことであり、それで俺はわざわざまた新しく悩みなどは背負い込みたくはなかった。


「もう時間だから行くな。啓汰、お前がちゃんと支えてやれよ」


 俺はそう言ってとっととこの場に背を向けた。


「洋介!ちょっと待ってくれ!」


 俺はその静止にも歩みを止めることはなく、この場を去り、亮と瀬川さんの二人の元に戻った。そのため、最期に啓汰が落とした言葉も聞くことはなかった。


「ごめん……、日向。……もう俺に出来ることはこれしかないんだ……」




 そして、そんなことのあった翌日、俺の元に刑事が訪れた。啓汰の訃報と啓汰の遺書とやらを持って。




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