7月7日 もしもの七夕伝説☆彦康太と瞬姫の物語


☆七夕の物語を題材としたパロディエピソードです。何が起きても本編とは一切関係ありませんので、肩の力を抜いてお楽しみください☆


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昔々、あるところに、「彦康太ひここうた」という青年と、「瞬姫しゅんひめ」という青年がいました。


二人は同じ村で生まれ育った幼馴染。


だけど、性格は正反対で、時々喧嘩をすることもありましたが、彦康太が瞬姫を守り、瞬姫は彦康太を支える、とても良い関係を築いていました。


ある時、彦康太と瞬姫は、神様のお導きによって、結婚することになりました。


結婚してから、彦康太と瞬姫は、一層仲睦まじく幸せに過ごしていました。



というか、毎日イチャイチャばっかりしていました。



瞬姫:彦康太、今日は牛追いに行かなくていいの?


彦康太:いいんだよ。牛なんかより、たまにはこうやって、瞬姫が機織りをしている音を聴きながら、寝てたいんだよ。


瞬姫:もう、彦康太ってば……そう言って、何日も仕事をしてないでしょ?神様に怒られちゃうよ。


彦康太:そんなの放っときゃいいんだよ。ていうか、俺が仕事に行くと、今度は瞬姫がこっそりついてくるだろ。俺、知ってるんだからな。


瞬姫:そ、それは、彦康太がちゃんと仕事をしてるか心配だからで……


彦康太:何だよ。俺のことを信じてねえのか?


瞬姫:違うよ!……本当は彦康太と離れたくないからだよ


彦康太:ほらな。だったら、俺がこうやって、一日中瞬姫のそばにいた方がいいだろ?


瞬姫:うん……


今日も、彦康太の巧みな誘導で、瞬姫は彦康太を甘やかしてしまいます。


さらに、瞬姫が機織りを休むと、彦康太は瞬姫が仕事に戻らないように、瞬姫に膝枕をおねだりをするのです。瞬姫は彦康太のそれが可愛く思えて、休憩ばかりするようになり、やがて、全く機を織らなくなってしまいました。


そんな二人の様子に神様は激怒しました。


神様:何が『ほらな』やねん。つべこべ言わず仕事せえよ、クソニートが


しかし、すぐに、こうも思い直しました。


神様:……でもまあ、仲がええことはええことやな。せや!天の川かけたろ。そうしたら二人は……


神様は思い付きで、二人の暮らす家の周りに「天の川」をかけました。流れは穏やかですが、川幅が広いため、簡単には渡れない川です。これで二人は、何にも邪魔されずにイチャつけるようになりました。


瞬姫:ねえ見て、彦康太。家の周りに川ができているよ。ここで少し、水浴びでもしようよ


彦康太:ああ、そうだな。そうだ、瞬姫。遊びに行く前に、日焼け止めを塗れよ。瞬姫は肌が弱いんだから……俺が塗ってやる


瞬姫:あ、それなら……彦康太も塗った方がいいよね。……お、お互いに、塗りっこ、する?


彦康太:……そうするか



こうして、彦康太と瞬姫は、いつまでもいつまでも、イチャイチャして過ごしました。


天気のよい夏の日には、夜空を見上げてみましょう。天の川で、楽しく川遊びをする瞬姫と彦康太に会えるかもしれませんね。


〈彦康太と瞬姫の物語 おわり〉

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