第4話:チューくらいイイじゃん・・・減るもんじゃなし
ってことで、俺はツンデレ暴力的ゴスロリ女の、えせ彼氏になった。
姫は形だけでいいから、俺が姫に「好きだから付き合ってくれ」って告られた
と言う確証が欲しかったのだ。
だから、決して自分からは告ることはない。
自分はモテる女なんだとアピールしたかったのだ。
俺としては付き合ってくれって言われても、今更感は否めない。
姫とは家族だし、家でも学校でも姫といる訳だから
別に特別な関係とかって、決めなくても、デートの約束なんかしなくても
毎日飽きるくらい姫と顔を合わす。
恋人でもないのに、彼女の体のどこにホクロがあるかまで知ってる。
姫が朝起きて来たとき、いつでもパンツしか履いてないから、自然と目に入るんだ。
今時期、朝でもめちゃ寒いのに、パンいちって寒くないのかって思うんだけど
本人は平気な顔をしている・・・まるで恒温動物かよって言いたくなる。
ネコやイヌと同じだな、姫は・・・。
それに普段から携帯で連絡もしてるし、LINEもしている。
そうそう・・・恋人でもないのに・・・
彼氏でもないのに、許し合った中でもないのに、また満月の夜が来ると姫はエロくなって俺の部屋にやってくる。
なんか・・・一ヶ月なんてあっと言う間に来るわけで
ついこの間、姫が俺の部屋にエロフェロモンを出しながらやってきたと
思ったのに・・・。
また満月の夜がやって来た。
夜10時頃・・・姫が俺の部屋の前にいる気配がした。
って言うか姫は満月の夜に限って男を誘惑するためかシナモンみたいな
甘い匂いを出す。
その匂いが、ドアの隙間を通って匂ってくる。
前のこともあったので俺は部屋のドアに鍵をかけていた。
ドアが開かないので姫がドアノブをガチャガチャやっている。
「ツッキー、開けて・・・?」
「自分の部屋に帰れ」
「鍵なんかかけたって無駄だよ」
「ドア、蹴破るけどいい?」
「ダメダメ・・・やめろよ・・・ドア壊すなよ・・・」
「もう・・・分かった、開けるから・・・早まるな・・・おとなしくしてろ」
そうか、俺はバカだ・・・鍵なんかかけたって姫には無駄な抵抗だった。
俺の部屋に入ってきた姫は、さっそく目がうつろになっていた。
「ツッキー・・・エッチしよ?・・・エッチ」
「ほら来たよ・・・」
「またパンツ一丁かよ・・・学習しないやつだな」
「いくら、迫ってきても誘惑してもエッチなんかしないからな」
「だって私たち、付き合ってる仲でしょ」
「仮のな・・・」
「それにバカの一つ覚えみたいにエッチ、エッチって、それしか言えないのかよ」
「そんなことないよ」
「んじゃ〜チューして?」
そう言うと姫は、口を尖らせて俺に迫ってきた。
「やめろって!!」
「チューくらいイイじゃん・・・減るもんじゃなし」
「チューだよ、チュー」
姫の可愛い唇を見てると、チューくらいしたってバチは当たらないよなって思った。
俺は魔がさした。
エッチは問題あるけど、チューくらいならな・・・したっていいよな。
で、俺は姫とチューしてしまった。
チュってする可愛いやつかと思ったら、姫の舌が俺の舌に絡みついてきた。
媚薬でも口移しされたような甘った〜るい感覚・・・脳がボーッとして溶けそう・・・。
ゾクゾクして身体中鳥肌が立った。
それだけで、俺のアレがピンコ勃ちになったのだ。
キスだけでこれか・・・エッチなんかしたら、どうなるんだ?
考えただけで恐ろしい。
「ほら・・・おっぱい触って?」
「もういい・・・それ以上来るな」
「チューしたんだから、おっぱいだって触れるでしょ」
「ダメだっちゅーの・・・おまえ、まだ17だろ?」
「これ以上お前の誘惑に負けてエッチなんかしたら、青少年保護育成条例違反
とかってやつで俺は犯罪者になっちゃうんだよ」
「誰にも言わなきゃ分かんないから・・・大丈夫だよ」
「そういうことじゃなくて・・・モラルの問題だよ」
「もう、おとなしく自分の部屋に帰れ」
「ふん・・やっぱり、つまんない男・・・」
「ああ、ムラムラする」
「言っとくけど、絶対エッチしてくれるまで私、あきらめないから・・・」
そう言って姫は、しぶしぶ自分の部屋に帰って行った。
一度そう言うと姫はなにがあっても、あきらめない・・・そう言う女だ。
俺は、その気になんかならない、なんて自分に言い聞かせていたが
下半身は、もうはちきれそうになっていた。
俺だって男だし・・・思春期&発情期真っ只中だし・・・頭の中はエロで渦巻いてる
でも、でも姫とは一戦は越えられない。
満月の夜は、なんとか姫から逃げるが、いつまで耐えられるか自信がない。
姫がエロくなるのは満月の夜だけ・・・
でも満月が来るたび姫のエロが、どんどんエスカレートして行ってる気がする。
でも、次の日になると、めちゃ態度が冷たい・・・昨夜の俺に対する誘惑は
なんだったんだって思うくらい人格がまるで変わる。
「昨夜、俺に迫ってきただろう?」って言っても
「そんなことするか、キモい」
って言われる。
満月の夜のことは姫の記憶から飛んでるんだろう。
せめて姫が18だったらよかったのにって思うわけで、俺は少なくともあと半年は、
姫の誘惑から逃れ続けないといけないんだ。
でも、それも限界があるかも。
姫は今はおねだりみたいにエッチしようって迫ってくるけど、拒否ってばっかだと、そのうち襲ってくるかもしれない。
そうなると力では姫には勝てない。
俺が姫に無理やり犯されるのか?・・・そうなったらほんと情けないつうかホラーだ・・・恐怖だ。
万がいち姫とそうなっても姫の言う通り、誰にも言わなきゃ分からないんだけど・・・。
言わなきゃ、何してもいいってもんじゃない。
俺って意外と真面目なんだな。
ま、とりあえず次の満月までは一息つけそうだけど・・・でも情けない・・・
俺は、なんでこんなに姫に怯えなきゃならないんだ。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます