バレンタイン

「はぁ、疲れた…」


今日はバレンタインデー。自分の机や靴箱にチョコが入っていないかなー?と学校に行くのが楽しみだったのに、先輩達のVDライブのお手伝いで学校公欠だ。

まぁ、ぼくにバレンタインのチョコをくれる人なんて居ないだろうから、現実を突きつけられることがなくて安心か。


「ただいまー」

寮の自室の扉を開け中に入る。


「紫乃君は寝てるか…もう0時前だもんね。ん?メモ?」


ダイニングの机に何か置かれているのを発見した。


『藤ちゃんへ♡

今日のライブのお手伝いお疲れ様。

ご飯は冷蔵庫に入ってるからチンして食べてね。(食べれなかったら朝ご飯にしてね)

あと今日はバレンタインね。チョコも置いておくから、よかったら食べてちょうだい』


「うぅ…紫乃君の優しさが染みるよぉ…」


ところでぼく…


「バレンタインで家族以外からチョコ貰ったのって初めてじゃない!?写真、写真!」


慌ててスマホで紫乃君からのチョコを写真を撮る。既製品だと思うけど…さすが紫乃君、センスが良い。


「ふふ、両親に自慢しちゃおうかな」


さっきまで疲れていた藤の顔には笑顔が浮かんでいた。


(終)

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