めでぃなら関連

@chika1217

一年生·冬

この季節は寒くて、目覚まし時計より先に目が覚めることがある。

寝ぼけながらベッドから体を起こすと、ドレッサーの前に同室の水神紫乃君が座っているのが見えた。


「お父様…私このままで良いのかしら…?」

紫乃は鏡に手を置き、消えそうな声で呟く。

今から髪の毛のセットや化粧をするのだろう、髪が寝癖でいつもよりボサボサだ。


「って、なに弱音吐いてるのよアタシ~!いつも通りに行かなきゃ!」

自分の頬をペチペチと叩く紫乃。


今はまだ紫乃君の事情なんて聞ける程仲良くはないが、いつか事情を聞いて彼が背負っているモノが軽くなれば良いなと思う。

そう思いながらぼくは紫乃君に気付かれないように、再び眠りにつく。


紫乃君が二度寝したぼくを起こすまで後一時間。

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