第06話 iPhoneは無情に響く

無情に響く、マリンバの音色

義母義父に障りあり。どう言う障りかは書けないが

義母は大病院で検査入院

義父は実家に引き籠って、福祉サービスを享受している。


義母はいよいよ危うい容体で通話して来るが

モーションだと、二回目の通話の看護師の話で判る。

本人にとっては切実かも知れないが

此方にとっても真実と受け取るしか術が無いのでやめて欲しい。

せん妄の一種と説明を受けた。恐怖心があらぬ妄想を掻き立てる。


書きたいことは年下彼女。彼女の両親は未だ若い。

彼女自身はアラサーとアラフォーのどちらにも属さない年齢。

「◇◇代半ば」と呼ばれる分類に属する。この場合は

「三十代半ば」以外にあり得ない選択肢だが。

年輪を重ねる度に時間の流れが早くなると実感するが

ここ5年の時間が停滞した感じは、一体何だろう?


朝ドラの撮影がコロナウイルスにより遅れており

エールに出演中だった志村けんさんが亡くなり

そんな状況を傍観していたのは、実家から程無く遠い、

市内にある安アパートのリビングだった。

あれが2020年の令和2年5月か。

マスク着用習慣……普及した不織布では無く

柄付きのオシャレマスクを買い求めては装着してたっけ?


あの頃は、義母義父ともに健在で、よくアパートに訪ねて来ていた。

現代に戻ろう。今は実家の隣、母屋の離れ。

祖母の家を借りて、我妻さんと暮らしている。

時々登場する、冷凍庫のような書斎に今は缶詰で

表現だけ見たら、とても賞味期限が長引きそうな状態である。

健在では無い義母義父の連絡を待ちながら

iPhoneのマリンバの曲=着信音に

ビクビクする我妻さん。普通に隣人も同じ設定だったりするから

出先で強迫観念に駆られることも。次回は訃報か、吉報か?

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