自称チョコ嫌いのステータス
名前:イタル=ゴトウ
称号:【勇者】【嫉妬の王】【全裸の勇者】【セントニコラの使徒】【セントニコラの代行者】【露出教名誉司教】
種族:異世界人
年齢:16
生命力 90000000/90000000
魔力 900000/900000
体力 900000/900000
力 90000
頑丈 900000
俊敏 90000
器用 90000
知力 90000
精神力 90000
運 90000
スキルポイント:310
勇者武装:未登録
討伐ポイント:10000
魔法:〈全属性魔法Lv1〉
加護:〈セントニコラの加護〉〈マリアンネの祝福〉
固有スキル:〈リア充爆発Lv10〉〈不屈Lv3〉〈勇者直感Lv1〉
大罪スキル:〈嫉妬Lv10〉
スキル:〈鑑定Lv3〉〈アイテムボックスLv3〉〈高速走行Lv2〉〈再生Lv3〉〈全裸強化Lv5〉〈聖職者Lv1〉
うん、分からない。
色々数値があるが何が何だか分からん。
生命力の数値に関しては桁の時点で意味が不明だ。
え~と0が、一十百千万十万百万一千万と、9000万?
無駄に大きい。そして中途半端だ。ここまで来たのなら一億にするべきだろう。
初めの数が9でそれ以外0が続くのだからそれぐらいの融通は利かせて欲しい。
数字は全て簡単なものにするべきだ。
複雑な数字のせいで勉強が出来ないと勘違いされモテない不幸な青少年もいるのである。
と言うか社会で数字の必要性は有るのだろうか? いや有るまい。
寧ろ数字で何でも点数として表すから争いが起きるのだ。無い方が良いのである。数字が無くて困ることなど何も無い。そもそも大きい小さい多い少ないで何とかなる。例え金勘定でも身体で支払って貰えば全て解決だ。不幸な差別された童貞はいなくなるし少子化も解決、貧困で困る者も居なくなる、万々歳である。
「数字は廃止すべきですよね?」
「……一体、ステータスの何を見てその言葉が出ました?」
「数字が多いと何を見てそう思いませんか?」
「思いません。真面目にステータスを見なさい」
女神様は俺に賛同する事なく冷たく一蹴。
「そう言われても分かりませんよ。どう見るんですかこれ? なんかポイントとかあるし、お買い得セールみたいなシステムでもあるんですかね?」
「じゃあ私に見せてください」
「どうすれば?」
おお、出た。
見せたいと思ったら頭の中に浮かんでいたステータスが、ゲーム画面のように実体化した。
「どこが分からないんですか?」
「名前通りっぽいスキルは使ったし分かるんですけど〈全裸強化〉と〈聖職者〉って何ですか?」
「……〈聖職者〉は説法が巧くなったりお祓いとか神聖な力が使えるようになるスキルです」
「全裸の方は?」
「他に分からない事は有りますか?」
素知らぬ顔で俺の言葉を無視する女神様。
「女神様も知らないんじゃないですか?」
「……名前からして知りたくも無いです。そもそも私は巻き込まれた地球の女神ですからね? 比較的有名な情報しか知りません。
それで他に分からない事は?」
と嫌そうに言う女神様。
若干逆ギレ気味だ。
巻き込まれたと言うが、どちらかと言うと始めから加害者側だし。
それに無責任である。
俺だってこんなスキルなんか欲しくない。
しかし手に入れてしまったのだ。女神様が転生後の服を考えていなかったせいで。
絶対に獲得条件は全裸で何かをすることだろうから、女神様が諸悪の根源であることに間違はいない。
だが俺は心の広い男。
女子がもうすぐ仏になると陰で囁く程に仏に近い男だ。
そう言えば何故か女子がそう囁く度に、頭上から鉄骨が落ちてきたり、トラックが突っ込んできたり、俺を挟んでヤクザが抗争を始めたりしたが。
あれは何だったのだろうか、そこそこ痛かった思い出がある。
ともかく、俺は仏のような男。
ここは笑顔で見逃そう。
仏の顔も三度くらいは出来るのだ。三度目以降は童貞の顔に戻ってきて正当なる賠償金を身体で支払って貰うがね。
ぐふふふふ。
「……どこ見てるんですか」
身震いしながらこちらを睨む女神様。
おっと危ない。
童貞の顔が出てしまったようだ。
始めは紳士、密室で野獣。これは鉄則である。
仮面を被り直さねば。
「気のせいですよ。えっと、アビリティの数値は高いんですか? 基準が分からないんですけど?」
「確か基準は地球の成人男性の生命力魔力体力が100、それ以外が10だそうです。あなたは化け物ですね」
化け物とは失礼な。
だけど確かに俺の生命力なんか9000万だから否定できない。
ざっと常人のえ~と何倍だ……、とにかく百倍以上だ。
「あっ、でも正しいんですかね? 幾らなんでも多すぎません? それに数字が揃いすぎていると思うんですけど?」
「私も信じがたいですが残念ながらこの殺しにくい値は正しいです。恐らく“異世界勇者”の効果でしょう。この職業であるときに魔物などを倒して経験値を稼ぐと急成長するのだと思います。世界を救う可能性を秘めた勇者の職業ですからね」
何だろう。
説明してくれたがそれよりも圧倒的に聞捨てならない言葉が出てきた。
殺しにくい値?
女神様の殺気が、狂気がこれでもかと伝わってくる表現だ。
普通に死ににくい値とか、せめて殺されにくい値と言えば良いのに殺す事を念頭に置いている。
いや、言い間違いの可能性も……。
絶対に問い質さなければならない事だが、聞くのが怖い。
だが女神様を信じて聞くべきだろう。
聞くのが怖いのは、女神様を疑っているのと同意なのだから。
胸がチクチクする。
きっと、この罪悪感とそれによる心の壁が原因だ。
俺は、答えを聞かずにはいられない。
「……女神様、今、殺しにくい値って言いましたけど、何の意味もありませんよね? 俺を殺したいとか、思っていませんよね!?」
俺は願うように、叫ぶように問う。
「殺したいに決まっているじゃないですか?」
「即答っ!?」
女神様の殺意は本物だったらしい。
胸が刺されるように痛む。
本当に刃物で刺されているかのようだ。
胸に視線を向ければ、銀色の鋭利な刃物が突き立てられている幻影まで見え……
「って、なに刺してるんですかっ!?」
「見ての通りナイフですけど?」
本当に女神様に刃物を突き付けられていた。
さっきからチクチク痛んだのは心ではなく心臓だったらしい。
幸いにも皮膚を破ることも出来ていないが、かなり凹ませられている。
殺意しか見えない。
この場合、どのように反応すれば良いのだろうか?
咄嗟に突っ込みはしたがあまりの事に言葉が浮かばない。
殺意は本物、手段も本物、でも無傷。
そして女神様は俺に犯行をバレているに何の感傷もなく刺し続けている。
だがとりあえず、王道っぽい言葉で、会話での平和解決を図ろう。
「もう、止めましょう! こんなこと! 何も生まないじゃないですか!?」
「世界の為です」
…………。
まずお話にならない。
俺を会話が可能な対象として見ていない。
女神様のこの感情は、ゴキブリに向けるものだ。
だが俺は諦めない。人はいずれ分かり合えるもの!
「世界の為って言うなら俺と子供を作りましょう! 少子化も解決、優秀すぎる遺伝子も広がって世界は安泰です!」
あれ? 突きが激しくなった。
刺さりはしないが打撃として痛い程に威力が上がっている。
こうなったら別の手段で!
俺は女神様に抱き付く。
そして演技しながら語りかける。
「ぐふっ、…良いん、です…女神様、これで、貴女の気が、晴れる、なら―――グバッァッ!!――――」
だが抱き付いたのが悪かったのか、女神様は容赦なく俺の腹にヤクザキックをかました。
途端、吹き出る体内の全気体。
くの字を越えて一の字に近い形に成形された俺はソニックブームが生じる速度で弾き跳ばされ、環境破壊しながら突き抜けた。
何百メートルも跳ばされやっと壁のようにしっかりした何かにぶち当たり止まった。
木の破片を払って起き上がると、目の前にあったのは上に続く階段だ。
図らずも階段に辿り着いたらしい。
俺のもとまで歩いてきた女神様は、俺に手を差しのべる事も、心配すらもせずに階段を見て言う。
「まさか階段が木の中にあったとは、これは誤算でしたね。それにまさか天井がドーム状になっていたとは気が付きませんでした。木の高さで十分上に通じているなんて思いもしませんでしたよ。
あなたの運の値が高いからですかね?」
本当に運が良いのならまず蹴飛ばされない。
女神様は俺に目もくれずスタスタと階段を登って行った。
グスンッ、ズズズ、ブーブッ、グスン……。
もう、これが普通だと思って諦めよう……。
《割りとどうでもいい解説》
・異世界勇者
異世界から召喚されし者に与えられる事がある
基本的に何処のかは問わずに地球人しか成れない。
これは地球の神々が与える力である為で、不測の事態で無い限りまず召喚者も転生者もまず異世界勇者であると見ていい。
違う場合は巻き込まれし者や逸れし者、そして
レベルアップ時の能力値の成長は元の値分ずつ増えて行く。
そして世間で
その後、壁を越える事、この場合勇者に相応しい行動をすると51に上がり、通常通りに上がった分、二倍になる前の値ずつ増えて行く。
ゴトウ=イタルの場合、生命力と頑丈の値がおかしいが、それは元々の値がおかしかっただけで、異世界勇者の効果ではない。
そして通常の
最終報酬は地球への帰還能力。つまりレベル100になると目的が達成可能な程の力が手に入ると言う事である。
尚、通常の
・勇者
称号にしろ
選ばれし者の証拠。
神々が倒せないような脅威を退けられる可能性がある。
異世界勇者よりも強力な力で、神々でも自由には与えられない。
称号ですらその世界の神々の大多数及び人々の承認が必要。
世界に存在する大多数の称号勇者は神代に世界のシステムとして組み込まれた生まれながらの勇者であり、世界を創るような段階で定められている。
そのような大儀式がなければ誕生しない存在。
職業勇者の場合は更に存在せず、覚醒には勇者として誰もが認めざるを得ない偉業が必要とされる。
難易度があまりに高い為、50で勇者になれる異世界勇者の持ち主、つまり異世界人の割合が非常に高い。
人類滅亡レベルを超え、世界崩壊レベルの脅威に立ち向かう存在はここまで到る必要がある。逆に言えば種族同士の存亡をかけた争い程度では勇者になる必要もないし、認められない。
尚、【●●の勇者】と言った称号があるが、これはほぼ無関係の称号である。
こちらはただ人の名声だけでもなんとかなる。
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