その日少女は、運命と出会う。
非常に高等な偽中国語によって常に腹筋を襲い続ける作品です。
作品の舞台は、乙女ゲーム版風花雪月みたいな世界。将来的に同じ学園に通っていた生徒たちが殺し会うことが約束されている世界なわけですね。そこで行われる召喚の儀式で人間が召喚されてしまう昔のライトノベル的王道展開ですね。召喚されたのがオタクな中国人であることを除けば!!!
ここがこの作品の肝の部分だと思います。ある種ゼロ使二次創作的なサイトじゃなくて何か変なの召喚されちゃったぜみたいなそういうやつ。学園には将来の戦争という殺し合いが起こる地雷が無数に埋まっています。そこでオタクで基本オリジナル同人作家で中国拳法を扱う中国人(原作知識なし、言語もあんま通じない)が問題(地雷)を抱えた登場人物たちと関わっていく姿が非常に面白く描かれてるわけですね。
ルシエドさんのオリジナル作品は、毎度トンチキな要素がありながらもテンプレを細かく分析し再定義することによって新しさを感じられるのが魅力だと思います。要は、ただ変なだけの小説ではないということを言いたいわけです。全人類読んで欲しい。そして狂ってほしい。
個人的には、悪役令嬢とはどういう役割を担うのかを作品内のゲーム会社側が示してきたときはこういう方向性できたかと太ももを叩きました。
普段なろうだったりハーメルンだったりそれこそカクヨムなどのネット小説を読みまくりテンプレをある程度理解した人ほど新しい切り口と狂った要素で王道を描き続けるルシエドさんの作品が刺さると個人的に思ってるのでテンプレに飽きている人にもオススメしたいですね。