第15話 何と素早い展開俺じゃなきゃ見逃し・・・え?

 シミュレーターによる航宙戦テストは無事俺の勝利で終わった。

 恐らく従来の入門テストから一周りどころか三周はしているのでは?と思わなくない。

 この戦闘データは傭兵ギルド経由で国に上告するらしいが、先に傭兵ギルドの所属になっているだろうというのがリリィの説明だった。

 先にシミュレーターから出てリリィやエル、ルナが出てくるのを待っていると、

 俺が使ってたシミュレーターマシンの隣のやつからリリィとエルが出てきたが・・・

 「・・・何?その格好?俺が入る前は着てなかったのに何故?」

 恐らくパイロットスーツだと思うが、それを着ている二人を見た俺が疑問符を浮かべていると、多分リリィが・・・

 「実際の航宙艦よりもシミュレーターマシンの方がGキャンセラーの性能が低いからわざわざ引っ張り出して着たんです!!」

 そう言ってリリィはパイロットスーツを脱ぎだした。

 「このシミュレーターマシンで灯護君のルシファーを再現すれば灯護君は平気だと思うけど、私達はシミュレーターなのに実際に挽き肉になるかもしれないってルナちゃんが言ってたから・・・本当に着てて良かったと思ったけど」

 エルも不満が有り余っているのか、バッチリ喋りながらパイロットスーツを脱ぎ捨てたが・・・

 「・・・ん?・・・え?・・・」

 二人は厳密に言うと裸ではなかった。

 更に言うと下着姿でも無いが彼女達が着ている最後の一枚は凄く薄いボディラインが全部出るようなボディスーツだった。

 しかも、下着類を着けてない。

 「え!?、ちょ!?ちゃんと更衣室で着替えなさいよ!?」

 二人胸元をバッチリ見てしまいながら俺がそう言うと、

 「灯護さんなら大丈夫ですよ、もっと深い関係になる予定ですし・・・」

 「そうですよ、本当はもっとよく見せてあげたいですけどここではゆっくりと出来ないので灯護君の航宙艦に戻ってかな?」

 などと言った。

 「?あれ?見張り役は基本的に一人って話では?」

 俺が首を捻ると、

 「あ、私達もう退職届出してあるんで、灯護さんが傭兵ギルドに登録した段階で見張りは解除される話になっているので」

 「そういうわけで私とおねぇちゃんの荷物も時間指定で灯護君の船に到着してま〜す!イェイ♪」

 いや、イェイじゃないんだな!?ヒッキーに女の子と同棲とかかなり重いのにいきなり二人、しかも双子だと!?向こうにいた頃の俺だと間違いなく刺されているだろう。

 「・・・うん、展開が早すぎてちょっとアレだけど・・・二人が良いならいいかな・・・(頼むぞ!俺の自制心よ!?俺の内なる獣を倒してくれ!?)」

 「・・・灯護、ひとまず後ろを向くべきでは?」

 再び彼女達の姿が目に入り、いつの間にかいたルナに指摘されたので、とりあえず背を向けて彼女達が服を着るのを待った。


 服を着た二人を連れて傭兵ギルドの受付に行き、所属証と傭兵ギルドの説明パンフレットらしき物の電子版を俺の情報端末に送ってもらう。

 「傭兵ギルドに所属する傭兵にはランク制度がありますので、基本的にFからA、そしてスペシャルランクとしてSのランクがございます。」

 受付嬢が簡単にランク制度について説明してくれる。

 「これらは傭兵ギルドで定期的に発行している依頼を受ける為の基準として使われ、護衛依頼などの紹介等に使われます。野良の宙賊討伐は常に推奨されていますのでそちらの場合は賞金の受け取りにだけ傭兵ギルドか軍の方に行ってくだされば大丈夫です、勿論そちらも評価させていただきます。」

 「分かりました。」

 残りは貰ったパンフレットにも載っているらしいのでそちらを見ることにして、俺達は傭兵ギルドを後にして我が家ルシファーへと戻った。

 戻ったら本当に二人の荷物がルシファーに届いていたので。

 「灯護さん、ありがとうございます。」

 「灯護君ありがと〜♪」

 二人の荷物を部屋に運んだ、エルの部屋はリリィの隣だ。

 そして、リリィは最初のイメージに反してお淑やかな感じに変わって、エルもなんだか元気娘みたいになってる、髪型もいつの間にか逆になってるし・・・何故?

 「元々、ナンパ避けの為に二人で同じ部隊にいるときはそうしようって決めてたんです。」

 「そうそう!おねぇちゃんが私みたいになったり、私がおねぇちゃんみたいになったりするとね、殆ど声をかけてこないの!」

 演技の必要が無くなったからかエルのテンションは昇竜の如き、留まる事を知らない。

 しかもスキンシップがかなり多め・・・というかリリィがさり気なく俺の隣に来て俺の腕に抱き着いて来るし、エルも・・・

 「灯護君、色々とお礼したいからこっち来て?」

 と言いながら俺の腕を取り引っ張って俺を共有スペースのソファに座らせる。

 「んふふ〜♪ぎゅ〜〜♪」

 まるで俺の事をぬいぐるみかなんかのように俺に抱きつく・・・というか二人の柔らかな感触といい匂いに思わず理性がヤられそうになる。

 「・・・二人とも嬉しいけどこのままじゃ俺の理性が・・・というか、会ったばかりの二人にここまで好かれる理由が・・・」

 分からない、そう言おうとしたら・・・

 「「一目惚れです!」」

 「えぇ・・・」

 更に困惑した。

 「えぇ、というのはちょっと酷くないですか?」

 「そうだよ、私とおねぇちゃんだって女の子なんだよ!あの航宙艦に一緒に行って会った時にもう電気が走ったもん」

 出会った時というと尋問の前にルシファーの前で顔を合わせた時の話かな?

 「私はあの時、灯護さんの目を見てしまってからずっとドキドキしてたんですよ?」

 「おねぇちゃんはズルいよね~先にお泊りするし・・・でも、まではしてないからいいけど・・・私は、遠目で見てこの人凄く強そうって思ったけど、その後絶対に私より強いって思ったらずっとドキドキしてたな~今もドキドキしてるけど・・・灯護君、確かめてみる?」

 そんな事を言いながら二人とも今度は俺の脇に抱き着いてきて、

 「「ハスハスハスハス」」

 「ちょっ!?ちょっとなにしてんの!?いきなり人の匂いを嗅ぎだしたりして・・・犬か!?」

 「・・・だって、灯護君・・・」

 「・・・少し奥手みたいですし・・・」

 いやいや、俺を異世界ヒャッハーする常識知らずの若造とかと一緒にされても困るから!?

 だが、ここまで女の子に求められて捨て置くのも男の恥・・・大丈夫、オレハニンゲンシッカリトモドッテクレバダイジョウブサ・・・はっ!?今のは危なかったが・・・二人のこの切なげな瞳を見ると・・・

 「・・・分かった、でもその前に聞きたい事があるんだけど・・・」

 「「????」」

 「傭兵の結婚制度ってどうなってるの?」

 俺は二人にこう質問して、二人もその質問にしっかりと答えてくれた。

 いずれしっかりとしたケジメを付ける必要があるが今はこれでいいだろう。

 簡単に言うとこの世界の婚姻制度は基本的に自由だと判明した。一夫多妻でも一夫一妻でも好きにしろとそんな感じ・・・只し、それで他人に迷惑をかける行為、遺産争いとかで人を巻き込むような事をすると、遺産を全部行政が没収、徴税や罰則金を取った上で均等に分配するらしい。

 そんな感じだから別に気にしなくても良いと言われました、一緒の船で生活している段階でそう思われるから・・・と言われました。

 一応、戸籍を入れる手続きはあるらしいが傭兵の場合は入れない事も多々あるらしい。

 以上の事を俺の部屋で、三人一緒に・・・部屋に行ってベッドに座ったあたりから二人のスキンシップがかなり激しくなった事で俺は彼女達にした事をここで白状します、二人とも可愛くて最高でした。

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