第14話 航宙戦テスト(ルナスペシャル)
始まったシミュレーターテストは多分、通常なら極悪と言ってもいい難易度だった何故なら・・・
「・・・おいおいおい、宙賊どころか正規軍の艦隊やんけ!?宙賊も確かに混ざってはいるけども!?どんなシチュエーションだよ!?」
とりあえず相手の射程外からデカブツを落とす事にする。
今回の戦闘フィールドの規模だと光速ドライブによる接近は出来ないのでスナイプポイントからデカブツを狙う。
どうやら向こうもこちらを索敵しているようだ。
「パンドラ、超ロングレンジ狙撃モード起動!」
人型に変形させて、パンドラをスナイパーライフルに変形させる。
スナイパービームライフルに変形させる際は2つのパンドラを合体変形させるのだが、ゲームのご都合主義が残り過ぎじゃないですかね?
相変わらずの壊れた機体だが今回はコレくらいじゃないとクリアは出来ないだろう。
なんといっても中型以上が30機以上はいるからな、コイツの収束狙撃モードで初撃狙い撃つ!!
狙撃ポイントに潜み最高のタイミングを待つ。
そして、
「今だ!!」
恐らく旗艦であるだろう一番デカい艦と丁度その間にいた中型艦を纏めて撃ち抜く。
一発轟沈、細いビームだと侮る事なかれ、収束は伊達ではないのだ。
そんなとんでも威力のスナイパービームライフルだが当然、連射は出来ないのでこのまま次のポイントへ動くが・・・
「・・・流石にルナがついてるだけあって二度目は貰えないか、なら!」
俺は更にパンドラの形体を変形させる。
変形させた形を分かりやすく言うとフィフスバーストのビームボウガンだ。
それを背中と腰部分に付いてる兵装と一緒にぶっ放すとどうなるか。
答えは大打撃以上の戦果だ!
「ちょっとありえないんですけど〜!?」
この声はエルかな?
「ルナちゃんに手を貸して貰わないともうこの時点で勝負有りよね。」
リリィもなんか意味深な事を言ってる。
「まぁ、灯護にしっかりと自分の実力を把握してもらうには必要な事ですから・・・かなりキツイ動きをしますから二人ともしっかりと頑張って下さい。」
最後にルナ、俺の実力ってなんだ?
などと思いながら小型を片っ端から落として、中型に肉薄する。
クールタイムが終わったのでスナイパービームライフルの面白い使い方をしてやろう。
俺は一番端の中型に狙いを定めて横に二度振った。
所謂、ビームサーベル的な使い方をしたのだ。
結果、中型と大型を合わせて10機は落とした。
残るは4機、いずれも中型だ。
俺はクールタイムに入ったパンドラの形体を2本の大型対艦刀に変形させて迫る。
中型が反撃してくるが、俺の眼には止まって見える。
当然のように射角を潜り抜けて容赦無く中型を斬り捨てていく。
残存する敵影がないかを確認して俺は警戒を解こうとしたら、
「まだ終わってはいませんよ!!」
「今度は私達が相手です!!」
「ルナもバックアップさせてもらいます。」
出てきたのはルシファーだった。
「まさかのミラーマッチか?・・・というか二人とも大丈夫なのか?」
「す、既に慣性がキツイですが対Gスーツも来ているので大丈夫です!」
リリィがメインで動かしているのだろう。
「おねぇちゃん!長期戦は不利だよ!」
「勿論、先手必勝!武器は任せたからね!!」
変形機能を使わずに俺の方に突っ込んできたが俺もそれに付き合う。
偏向シールドを使いホーミングレーザーを防ぎながら、バスターライフルでルシファーを撃つ。
上手く避けてはいるが最後の一発は避けれずに被弾する。
が、そこはやはり最強の機体、落ちるわけもなくバリアシールドに少しダメージが入ったぐらいだろう。
と、なると・・・直接機体にダメージを与えられる獲物を使う必要があるが・・・
「とりあえず、接近してだな・・・レールガンを使う。」
パンドラをガトリングレールガンに変形させて最大戦速で迫る。
だが掠めるだけで当たらない・・・
「やるな!」
俺は思わず感心していると、
「やっべ!?」
向こうから主砲が放たれてそれを回避する。
流石に同じ機体だと一発の被弾が命取りになるからな。
只、向こうは恐らく人型に変形は出来ないはずだ、何故ならそれをするためには感応式シートを使用する必要がある。
機体を正に手足のように、いや自分の身体の如く操作出来ないと人型の利点など有って無いに等しい。
こちらは人型の利点の一つを使わせてもらう。
「ウソっ!?あれって盾にもなるの!?」
左手の盾はバスターシールドと呼ばれている兵装に変えて、右手はバスターライフルの装備に変えて、某機動戦士如き兵装でリリィ達のルシファーに迫る。
偏向バリアシールドを使ってホーミングレーザーを防ぎ、ビームキャノンの一撃や主砲のバスターライフルをバスターシールドで防ぎ、お返しとばかりにバスターライフルで反撃する。
こちらはホーミングレーザーを撃たずに偏向バリアシールドとスラスターに出力を割り振る。
そうすると僅かながらこちらの方がスピードは早くなる。
徐々に追い詰めていき、射角に捉えたと思ったら、
「灯護、まだまだですね。」
ルナが手を回したのか何とここにきて増援が出現した。
「クソッ!?なんだこのクソゲームーブ!?だがたった5機、何てことは無い!」
俺は兵装を変えずにそのまま増援を落とした。
「灯護君、めちゃくちゃ過ぎない!?」
エルが驚いて悲鳴みたいなものを叫ぶ。
「有り体に言って化け物でしょ!?」
リリィが素直な感想を口にして、
「灯護に勝ちたいのならやはり人型は必須条件ですね。」
最後にルナが冷静に分析を行っている。
俺は増援を落とした後、右手のバスターライフルを大型対艦刀に変えて、偏向シールドを解除してフルブーストで肉薄する。
そして、
「最後は中々楽しかったよ!でもこれでチェックメイトだ。」
ルシファーのポテンシャルだけでは決して出せない踏み込みを見せて俺はリリィとエルとルナが操るルシファーを一刀両断にするのだった。
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