第13話 エルの実力と航宙艦の準備
テスト開始の合図と共に俺とエルはお互いに真っ向から剣を重ねたが・・・
「グッ!?・・・想像以上か・・・」
重ねた途端にエルが吹っ飛んだ。
「・・・平気か?」
俺が心配すると、
「大丈夫です、ちゃんと流したので・・・次はこっちの番ですから!!」
普通の一般人なら目にも止まらぬ速さでエルは右側から踏み込むが、
「くっ!?」
俺から見るとスロー過ぎるので余裕で避けれる。
攻められ続けるのもアレなので、怪我をさせないように気をつけつつ、俺からエルを攻める事にした。
「よっ!・・・ほい!・・・てい!」
「きゃ!?・・・んぅぅ!?・・・あう!?」
どうしよう、試合だというのに何故か邪な気持ちが・・・いや、俺は真面目にやってますよ!?只、力加減が難しいからイマイチ攻めきれてないけども・・・俺がめっちゃエルをイジメてるようだ。
「・・・まだやる?」
「・・・もちろんです、私からちゃんと一本取ってください!」
そう言って踏み込んで袈裟斬りを放ってきたエルを、俺は斬撃を掻い潜りながら心臓に届くようにエルの脇腹をすれ違いながら撫で斬りにした。
ブーーーーッ!!
「そこまで!!勝者、灯護!!」
どうやらしっかりと一本取れたようだ。
「はぁ・・・分かってはいましたけど負けちゃったか~、流石に大型戦闘ポットを生身で倒せてしまう人に勝てるわけないよね・・・」
「ん?あれって生身以外の選択肢あるの?」
エルの一言に俺が首を傾げると、
「普通の人は
「そうか・・・でも、アレだな?俺が着ると更に酷い事になりそうな?うん、考えないようにしよう。」
俺が着た時の事を考えるとコロニーの中が大変な事になりそうなので、この事は忘れることにした。
「それじゃあ次は航宙戦のテストですね、また別の場所で行うのでついて来てください。」
片付けを終えたリリィが最後のテストをする為に俺の所に来て案内をしてくれる。
「最後は私とおねぇちゃんの二人で勝負しますね!」
エルは競えるのが楽しいのか、凄くいい笑顔だ、可愛いな・・・リリィの穏やかな微笑みも中々クルものがあるが。
思わず頭をナデナデしてしまった。
「きゃ!?・・・あの?」
上目遣いでこちらを見るが嫌がらないのでこのままナデナデしながら歩いていたら、
「・・・エルだけズルい」
いつの間にかリリィが俺の横を歩いていたので空いてる手でリリィもナデナデする。
「はう・・・ルナちゃんが要望するわけですね・・・もうちょっと強めでもいいですよ?」
途中から二人とも俺の脇に抱き着いていたのをここで報告しておく、後、傭兵ギルドの職員さん(主に男)にめっちゃ睨まれた。
戦闘用航宙艦シミュレータールームというところに到着した。
中にはどうやら白い箱のようなものが複数あった。
「この中で航宙戦のテストをします、データはルナちゃんから預かっているので、今アップロードしますね。」
「感応式パイロットシートは一番右側ですね、その中に入って待っていてください、合図がきたら立ち上げてテストを開始します。」
俺は二人からの指示に従ってシミュレーターシートに座る。
なるほど、広さは無いがほぼ一緒だな・・・
言われるまで黙っているのもアレなので、シートの周りを確認する。
すると通信で、
「・・・では、これから航宙戦テストを開始したいと思います。」
リリィの声が聞こえだした。
「テスト内容は敵を全て撃破することです、灯護君の機体と腕に合わせて難易度を大幅に調整しました。」
エルも手伝っているようで、エルの声も聞こえる。
「ルナちゃんにも手伝ってもらって最後に面白い趣向を用意してありますので、楽しんでくださいね!」
どうやら、二人だけではなくルナもあちらに混ざっているようだが・・・まぁ、何となるか。
「フフフッ、灯護、ルナの挑戦を受けてくれますよね?」
「・・・望むところだ、かかってこい」
非常に上機嫌なルナの声を聞きながら俺は気合いを入れて、シミュレーターを起動させる。
「・・・準備も出来たようですし、航宙戦テストを開始します!!」
俺は感応式シート用のヘルメットを被り、ルナが作った極悪仕様のシミュレーターテストを開始した。
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