第2章 傭兵始動編
第10話 今日は傭兵ギルドで登録します。
翌日、俺はリリィとルナを連れて傭兵ギルドに登録をするために外出していた。
「傭兵としての仕事や依頼なんかは傭兵ギルドで行うとスムーズに行えます。後は、宙賊の出現データは軍とギルドで共有もしています。」
リリィの案内と雑学を受けながらコロニーの中の観察する。
「コロニーってのは中はこんな感じなんだな・・・」
まさに造り物の街って感じの作りをしている。
「あちらは商業ギルドでその隣が職業ギルドですね。それで今、目の前の建物が傭兵ギルドです。国軍センターは先程来た道の反対方向にあります。」
「それじゃあ、早速・・・」
コロニーの中を散策するにしてもここでしっかりと身分証を得ておく必要があるし、サクッと登録しますか!
早速建物の中に入って受付に手続きをして俺は今、訓練施設の中にいた。
「それでは最初に白兵戦のテストから始めます。」
俺は前回同様カグツチと魔導銃二丁、バトルスーツという出で立ちだ。
白兵戦の内容は戦闘用ロボットの破壊と規定時間内での目的地までの走破となっている。
今からスタートというその瞬間、
「ちょっと待ってくれるかな?」
聞き覚えのない声が待ったをかけてきた。
声が聞こえた方に顔を向けると、
「何故あなたがここにいるのですか?オールター少尉?」
男性軍人が殴りたくなるようなニヤケ顔を見せながらナメた事をホザいてた。
「彼が不審者であるのだからこそ婚約者である僕が君の所に来て何かおかしな所があるのかい?」
「・・・見るのは構わないが、証拠も何もない因縁を付けるなら容赦はしないぞ?」
イラッとしてしまった性か、俺の魔力が殺気と混ざり漏れ出してしまったようで、
「ヒィ!?・・・ぼ、ぼぼぼくは、帝王国軍人なんだぞ!?そ、そそそんな脅しに(ガタガタ)」
「・・・めんどくせー、リリィ、始めてくれ白兵戦から頼む、そうすれば対人戦をしなくても済みそうだし・・・」
「残念ですが灯護さんが戦闘ポットを全部粉砕しても、対人戦は行われます。・・・何よりも妹が凄い張り切っているので・・・」
「・・・そうか」
まだ会って1日しか経ってないが、なんとなくリリィが遠い目をしているのが俺には分かってしまった。
「・・・まぁ、色々と諦めて始めましょう。内容は至ってシンプル、出てきた戦闘ポットを全て破壊して下さい。オールター少尉、このテストに参加するのは構いませんが怪我をしても私達は一切の責任は取りませんのであしからず」
「わかっ・・・」
「では、スタートです!!」
オールターの返事を聞かずにリリィは開始の合図を出した。
俺の目の前に小型戦闘ポットがぞろぞろと向かって来た。
「・・・さて、漸く俺のステータスがどんなモノか体感出来るイベントが来たか・・・」
俺は神刀 カグツチを抜き、構えて、
「まずは基本的な動作から行ってみるかな?ダメだったら殴ってみるのもアリだしな。」
戦闘ポットに向かって踏み込んだ。
白兵戦テストは現在中々激しく行われている。
最初の1体はセオリー通りに左右に身体を振りながら距離を詰めていき、間合いに入った所で縦に一閃したら、キレイに真っ二つだった。
2体目はレーザーによる射撃を行ってきたが、軽く避けてしまった。
只、他の戦闘ポットも一斉に射撃をしていたので間合いを詰める事が出来なかったので、恐らく俺の身体のステータス元になっているであろうゲームの戦闘スキルを使う事にした。
「!?えっ?今、一瞬で後ろに・・・」
スキル
通常のステップは距離を詰めるにしても接近してからじゃないと意味がないがコレに距離は関係ない。
発動すれば敵の前後左右上下どこにでも跳べる。
暗殺系のスキルを持つ者とも相性がよかったのでソロプレイヤーは結構持っているメジャースキルという奴だ。
ディメンジョン・ステップを使って背後をとって切り捨てる・・・を数回繰り返していたらファースト・ウェーブは終わったようだ。
チラッとさっきの男に目を向けると、非常に怯えた表情をしていた。
大方、相手の実力を決めつけて絡みにきたが予想の上を天元突破した為に進退の判断がつけれないのだろう。
「セカンド・ウェーブ開始します。次は中型戦闘ポットも出てきますので怪我には気をつけて下さい。」
リリィの合図と共に中型戦闘ポットと先程倒した同型の小型戦闘ポットが隊を組みながら俺に向かってくる。
中型戦闘ポットの装備はどうやらタンク系のシューターとスピード特攻型、そしてコマンダータイプの3種類でそれぞれ、3、3、2の割合で出てきた。
そして、中型一機に対して四機の小型が部下として追従している模様、よく見たら小型の装備も微妙に違っている。
こういう時にやる事はシンプルだ。
「よし、斬ろう!」
ファースト・ウェーブの時と同様にディメンジョン・ステップで接近して真正面から切り捨てる。
だが、浅い・・・レーザーは相変わらずゆったりと飛んで来るのだがどうやら防御力を上げた編成のようだ。
ゲーム風に言うと恐らくコマンダータイプのバフ効果だと俺は思っている。
普通ならコマンダータイプから落とすが今回のテストは、俺の能力がどの程度か試すテストでもある。
真正面から力で捻じ伏せる以外の選択肢は存在しない。
通常の斬撃で威力が足りないなら、もっと威力のある斬撃を放てばいい。
月花の太刀、一の型、
斬れ味はもちろん上乗せされる。
小型が纏っていたバリアごと三機、横一文字に斬り伏せた。
次に使う技は先程の技とは別系統のモノ、どちらかと言うと、ディメンジョン・ステップの方が近い。
間合いの外から俺はカグツチを振るい、ディメンジョン・ステップで背後を取る。
すると、俺の攻撃対象となった小型と中型のボディにダメージが入った。
俺が使った技の名前は、
そして、この技の特徴は距離が近い方が威力が上がることと射程の長さ、そしてバリア無視だ。
射程の長さは2キロ先まで可能だったはずだ。
まぁ、そんな遠い奴にわざわざ斬撃を見舞うのは非効率だからやらないが、ゼロ距離のこの技の威力は・・・
「!?ちゅ、中型が一撃で!?」
と、この通りトッププレイヤーには当て辛い事この上ないが機械相手ならこの上ないくらい有用な技だ。
更に座標に直接斬撃を放つからバリアなんてあってもないようなモノだ。
もちろん、正面からもバリアごと斬ることは出来る。
次の技の名前は、
「月花の太刀、二の型、
ディメンジョン・スラッシュと違い、真っ直ぐに飛ぶ斬撃が更に四機の小型戦闘ポットを仕留める。
更に中型戦闘ポットに向けてディメンジョン・ステップで踏み込み、技を放つ。
「月花の太刀、三の型、
月の煌めきのような斬閃を二度、三度と放ち、バリアごと中型戦闘ポットを縦3つに斬り捨てた。
「・・・やれやれ、ちょっと差がありすぎだな・・・それでも容赦はしないけど」
残りのタンク系の戦闘ポット小隊を鎧袖一触とあっさりと片付けて、
「・・・次はスピードタイプか・・・面白そうだ。」
そう言って俺は戦闘ポットの小隊に突撃していった。
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