自分を愛したい

ぷりん

第1話 私は難しい子だから

私は知らなかった。なんでこんなにも不安定なのかを。いつも寂しかった。いつも彼氏が欲しかった。でも、彼氏ができても上手くいったことなんて一度もないんだ。その理由は、わからなかった、今までは。

母親によく言われたことは「あなたみたいな子を彼女にするのは難しい」である。その度に私はいつもなんでそんなことをいうのだろうと反感しか覚えなかった。でも、今ならわかる。私は難しい子なのだと。なぜなら、自分にないものをすべて相手に求めて、相手のスペックで自分の不足を補おうとするからだ。そんな子をそもそも誰が好きになるのか。反省した。

初めてできた彼氏はとても素敵だった。大学生1年生の頃だ。今でも鮮明に覚えている。私のことを一番に考えてくれる唯一無二の存在であった。彼が私のすべてであった。よって、彼と片時も離れずにいることに違和感はなかった。彼にはいつも一緒にいることを求め、バイトも同じものを初めてもらうなど「一緒にいたい欲」が半端なかった。だって、一緒にいないと寂しくて死んでしまうから。

こうした状況は彼を苦しめていき、彼の愛は枯れていった。それに気が付き、度々喧嘩をする回数が増えてきたが私は彼への「束縛愛」をやめることができなかった。

一方で、彼だけでは満たされなくなった私は他の男性と会うようになった。もちろん内緒でだ。こうして、彼氏には迷惑をかけないようにしようと思っていたのだ。あまりにも会いたい、会いたいというと思いと思われるから、とりあえずほかの男性で代替しようと。

しかし、このことを相談していた仲良しだと思っていた女友達に裏切られ、彼氏にいいつけられてしまった。彼氏だったら私のことを信じてくれてもいいのにという期待をよそに彼は女友達と付き合い始めた。

ああ、人生ってなんて不幸なんだろう。その時、私はついていないなと落胆して泣き叫んだ。彼がくれたプレゼントは全部破り投げ捨てた。遠距離でも頑張っていたのに。留学中も関係に亀裂が入りつつあったがなんとか持ちこたえさせたのに。今は、私の浮気が原因でこんなことに...仕方ないよね、私が難しい子だから。

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