第10話 告白

ようやくご飯が出来たのでテーブルに並べて、冬音を呼んだ。


「じゃあ、食べよっか」


「うん!すごく美味しそう!」


「でしょ?美味しいよ」


「悠音くんってなんでも出来るんだね」


「そんな事ないよ。一人暮らしが長かったから料理出来るだけだし、掃除もほとんど物がないから簡単だし」


「そっかぁ」


「よし、じゃあ食べようか」


俺と冬音は向かい合うように座った


「いただきます!」


「いただきまーす!」


「どうかな?」


「すっっっごく美味しい!!」


「よかった。やっぱり冬音の喜んでくれてる顔見るの好き」


「も、もう!そんなに見ないでよ!」


冬音はずっと"美味しい"とか"どうやって作るの!?"って言いながら幸せそうな顔をして食べていた。


「美味しかったー!」


「これ片付けたらケーキ持ってくるね。食べられる?」


「うん!大丈夫!」


「紅茶は飲める?」


「お砂糖ある?」


「あるよ!持ってくるね」


俺はテーブルの上の食器を片付けて、ケーキと2人分の紅茶を持って行った


「ありがとう!」


「どういたしまして。」


ケーキを美味しそうに食べる冬音を見て、俺はすごく幸せを感じていた。


「んっ…美味しかった!ごちそうさまでした!」


「それはよかった。あ、冬音。」


「んー?」


「生クリーム付いてる」


そう言って口元に付いたクリームを指ですくって目の前で舐めた


「ちょっ…」


「美味しいね。」


俺がそう言って微笑むとまた冬音は顔を真っ赤にしていた。


「冬音、ここに来てくれる?」


ケーキの乗った食器類も片付けたあと、ソファーに座った俺は自分の太ももをポンポン叩いてそう言った


「え!?」


「言ったでしょ?冬音を離したくないって」


「そうだけど…」


「話したいこともあるし、ここに座って聞いてくれない?」


「わ、わかった」


冬音はそういうと向かい合わせになるように座ってくれたから、腰に腕を回して離れられないようにした


「ありがとっ」


「結構恥ずかしいんだけど…」


「大丈夫!俺しか見てないから!」


「そういう事じゃなくてっ…で、話したいことって?」


「うん、あのね。俺やっぱり冬音のことが大好きなんだ。」


「うん」


「"お試しの付き合い"なんて無理。冬音を俺の物にしたい!だから、俺の彼女になってください」


「悠音くん…」


「正直、今すぐにでもキスしたい」


「悠音くんキスしたことないんじゃ…?」


「無いよ?でも、冬音とはしたい!」


「…私ね。最初は確かに"お試し"でいいと思ってたの。」


「うん」


「でもね、どんどんカッコよくなっていく悠音くんに惹かれてたし、さっき女の人に囲まれてるの見てすごく嫌だった。」


「そうだったの?」


「うん。"私の悠音くんに触らないで"とか"私以外と話さないで"とか"私だけを見て!"ってずっと思ってたの。」


「それ。すごく嬉しい!」


「私の事選んでくれて嬉しかった。だから、私は悠音くんの彼女になりたいです」


「本当に!?いいの!?」


「うん。悠音くん大好き!」


「ありがとう!じゃあ…キスしてもいい?」


「うん」


俺は初めてキスをするってこともあって緊張しながらも触れるだけのキスをすることが出来た


「悠音くん緊張してる?」


「してるよ!だって初めてだし、冬音とキス出来るんだもん」


「悠音くん…なんか性格まで変わっちゃった?」


「んー…たぶん、冬音の事が好きすぎるからだと思う!」


「なんか思ってたより積極的だし、結構男らしいとこもあって、こんなに悠音くんのこと好きになるなんて思ってもなかった。」


「ドキドキした?」


「めちゃくちゃしたよ!」


ちゃんとした恋人になった俺たちはずっとくっついて過ごした。


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