第7話 嫉妬

悠音くんの髪と服装を碧さんと湊くんにお願いしたら、想像以上にカッコよくなってしまい緊張してしまった


髪型が変われば私に"どうか"と聞いてきて、服のコーディネートが終われば"似合う?"と聞いてきて私が"いいんじゃないか"と言えばすごく嬉しそうな顔をしていた。


そんな悠音くんが可愛くて、最初は興味本位で"お試しで付き合う"なんて言ったけど、私の為に変わっていって"いいじゃん"とか"カッコいい"と言うと喜んでくれる悠音くんに惹かれていってる自分がいる。


さっきなんて"みんなが俺の方を見てる…変ですか?"なんて…


変なんじゃなくて悠音くんがカッコいいからなんだよ!

正直、今の悠音くんは誰にも見せたくない。

私…本気で悠音くんの事…


「冬音さん?」


「な、なに?」


「もしかして疲れちゃいました?」


「え?」


「なんか元気なかったので。疲れてるなら一回どこか入りましょうか?」


「だ、大丈夫!」


「本当ですか?無理しないでくださいね?」


心配そうに覗き込んでくる悠音くん。

この人本当に私より年上なの?ってくらい可愛くて、敬語使われてると不思議な気持ちになる。

私がそんな事を考えていると…


「あのぉ…」


「はい?」


「お兄さんカッコいいですね!もしよかったら私と遊びに行きませんか?」


「え?」


「待って!私もお兄さんの事カッコいいなぁって!」


「え?え?」


いつの間にか悠音くんは、たくさんの女性に囲まれていて、私は胸が苦しくなった。


"悠音くんに触らないでっ"


"私以外の女(ひと)と話さないでっ"


"私だけを見て!"


いつもならそんな事思わないのに、悠音くんだけは無理だった。

あの合コンでドストレートに気持ちを伝えてくれた悠音くん。その時から本当は好きになってたんだ。


他の女性に囲まれてる悠音くんが見たくなくてその場を離れようと、悠音くんとは反対方向に歩き出そうとした時。


「冬音!!」


「え…」


「どこ行くの?俺から離れないでよ。」


悠音くんは私の名前を初めて呼び捨てで呼んで、囲んでいた女性たちに"彼女がいるから"と言って駆け寄って来てくれて、私の腰に腕を回し引き寄せた。


「あ…ごめんなさい」


「勝手に居なくなったら寂しいじゃん…」


「う、うん。」


急にタメ口になって口を尖らせながら拗ねているのを見て、ドキドキしながら悠音くんの胸に顔を埋めた。


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