第5話 イメチェン

数時間後、鏡に映っていたのは目が前髪に隠れてオドオドした俺じゃなく、サラサラな髪で爽やかなイケメンの知らない男が映っていた


「おっいい感じにカッコよくなったじゃん!冬音ちゃん!どう?」


「…」


「冬音ちゃん?」


「…カッコいい」


「冬音さん、どうですか?」


「あっ…い、いいんじゃない?悠音くんにしたら良くなったじゃない!」


「冬音ちゃん、ツンデレだね」


「な、何言ってるんですか!?」


「これで冬音さんに似合う男に一歩近づけましたか?」


「ま、まだよ!今度は服を選びに行くんだから!」


「はい!」


「悠音くんちょっと」


「はい?」


「冬音ちゃんあんな風に言ってるけど、本当はすごく君に惚れているんだよ?」


「…え!?」


碧さんは俺を呼ぶとニヤニヤしながら冬音さんに聞こえないようにそう囁いてきた


その後、料金を支払い次のお店へと向かった


――――――


「次はここね!悠音くんは男!って感じの服よりも頭の良さそうな爽やかな大学生てイメージだから…」


「そんなイメージあります?」


「うん!」


「そうですか…」


お店の中に入りまた店員さんに声をかける冬音さん


「こんにちわ!」


「あ、冬音ちゃんいらっしゃい!」


「今日は彼に似合う服が欲しいんだけど…」


「ん?彼氏くん?」


「ち、違うわよ!」


「まぁいいけど。初めまして、唯月湊(いつき みなと)です!」


「唯月?」


「あぁ、湊くんは碧さんの双子の弟なのよ」


「碧のとこにも行ってきたんだ?」


「先に髪切ってからの方が服選びやすいかなと思って」


「確かに、碧の方からで正解だよ!」


「やっぱりね!」


「よし、じゃあ悠音くん…だっけ?」


「あ、はい!」


「今の君に似合う服をコーディネートしてあげる!」


「はい!よろしくお願いします!」


俺は湊さんに、さっき冬音さんから言われたことと合わせて"冬音さんが好きそうな服"にして欲しい事をコソッと伝えた



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る