第4話 初めての…

翌日、俺は冬音さんと一緒に美容室に来ていた


「あの…冬音さん?」


「なに?」


「こんなとこ初めてなんですけど…」


「大丈夫!私に任せてればいいし、ここ私の行きつけだから!」


「そ、そうですか?」


冬音さんは戸惑う俺を引っ張って中へと連れて行くと、近くにいたイケメンの店員さんに声をかけていた


「こんにちわー!」


「あ、冬音ちゃんいらっしゃい!」


「今から大丈夫ですか?」


「大丈夫だけど…この前来たばっかりだよね?」


「今日は私じゃなくて…悠音くんに自分に自信を持って欲しいからかっこよくして欲しいの!」


「なるほど…これはやりがいがあるなぁ」


「あ、あの…よろしくお願いします」


「よろしく、俺は唯月碧(いつき あおい)。ここの店長やってるんだ」


「だからかっこいいんですね!」


「…冬音ちゃん、この人本当に自分に自信ないの?めちゃくちゃポジティブなんだけど?」


「そうなんだよねー。陰キャかと思えばそうじゃないし、陽キャかって言われればそれも違うような気がするし…よくわかんないけど。とにかく、まずは見た目からかなって」


「確かに…元はいいから少し変えるだけでめちゃくちゃモテ男になると思う!」


そう言って碧さんは俺を鏡の前の椅子へと案内してくれた


「で、どんな風がいいとかある?」


「俺、こういうとこ初めてなのでよくわかんなくて…」


「じゃあ、俺に任せてもらってもいい?」


「はい!お願いします!」


「悠音くん、碧さんに任せたらカッコよくなるから安心してね!」


「冬音さんがそういうなら!」


俺はとにかく"オシャレなんて気にもしたことないからわからない"という事で、碧さんにおまかせする事にした。


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