最終話 戦後処理

「まあ、少し考えたんだけどね·····」


「私、東雲が好きみたいなんだ·····」


 何時もと変わらぬ平然とした顔でそう言った。


「傷は癒えたのか·····」


「癒えたというより見えなくなった」


 ホントにどういうことだ?


「最近東雲ん家に入り浸っているのが当たり前になってきて。東雲以外見えなくなった」


 以前、聖川は俺に『もっかい好きになってよ』と言った。俺は俺で聖川をもう一度好きになろうとしてはいたのだが。


「俺、聖川のこと好きになれてない。というより、ラブじゃなくライクって感じ」


「別に好き同士が付き合うのが全てじゃないと思うわけで。付き合ってから好きになってもらえればなぁって感じ」


 いや、それでもどうだろう。親友というか元親友が振った相手と付き合うって。良くあることなのだろうか。まあ、俺の答えは一貫しているわけだが。


「お前が良いならな」


「ん。実に東雲らしいね。たまには自分の心に従えばいいのに」


 告白の返事にこういうのはどうかと自分でも思う。


「それもまあ、いいでしょ」


「私達らしいっちゃらしいね」


「突拍子無いとことか特にな」


 戦後処理。そういえば完全に完了したことになる。こっからはまた別の物語になる。俺と聖川 周の恋愛の話。


「んじゃ、また来るよ」


「来なくていいよ。友達と遊んでろ」


「私の友達少ない問題」


「わーったよ。来いよ。そんで遊んでやるよ」


 日差しの強い空の下。聖川を送り出し空を見上げる。


「空が·····ってか送ってこうか?」


「いいよ一人で」


 戦後処理の終わった空は青かった。





◇◇◇




 あとがき


 敗けヒロインの戦後処理を読んでいただきありがとうございます。

 そして、思ったことでしょう。なんだこのクソ短いゴミみたいな話は!?と。いうなれば超短編小説というべきか。なんせ大体1万文字程度で書こうと思った現国最後の課題の修正版なので。

 実際これから先を書くとなると戦後処理じゃ無くなるというのが大きいですね。打ち切りみたいな終わり方ですが、突拍子も無いというのがこの話のテーマの一つでもあります。ですのでこれでご勘弁を。続きが気になるという声があれば番外編という形で東雲と聖川のうすっとろいイチャイチャを書くのもアリですね。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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