第5話 不思議な夢も現実だった

執事のような人に怪訝な目を向けられながら案内された部屋は、高級ホテルの最上階よりも広 い部屋だった。大きなベッドが真ん中にあり、部屋の中は好きに使っていいと言われた。


「ねぇ、アリスティア。いるの?」

優衣菜は色々と確かめたいことがあり、まずはあの不思議な夢が 本当だったのかを確かめることにした。


−−−ハイ ユイナサマ アリスティア デゴザイマス−−−

夢ではなかったようだ。しかも、声の方を見てみると、直径10センチメートルくらいのロイヤルブ

ルーのサファイアがキラキラと輝きながら浮かんでいる。


「...売ったらすごい値段になりそう...」


−−−ユイナサマ ナニカ オッシャイマシタカ?−−−


「い、いえ。なんでもないわ。それがあなたの本体なの?」


−−−ソウデスカ。 イイエ ワタシハ コンナニチッポケナソンザイデハ アリマセン コノカラダハ ノリカエカノウナ ウツワデシカナイノデス コタイバンゴウ デシキベツシテイマス−−−


「そうなのね。充分すごいと思うけれど。 それより、聞きたいことが色々あるの。」


−−−ハイ コタエラレル ハンイナイ デアレバ スベテ オコタエシマス−−−


「まず、この世界は地球ではないのね?」


−−−ハイ ベツノセカイデス−−−


「では、あのジェイソンとかいう人は信用していいのかしら。」


−−−ハイ ワルイヒトデハナイト ワレワレガ ホショウシマス−−−


「そのほかに言っておくことはない?」


−−−ワレワレハ テダスケヲ スルモノナノデ キカレタラコタエル デオネガイシマス−−−


「そう。いいわ。何か困ったら呼ぶことにする。それと、あなたのその体、サファイアって名前にし たらいいんじゃないかしら。美しいもの。」


−−−イイデスネ ヒビキガ キニイリマシタ コノカラダハ サファイア ト トウロクシマシタ ナヲイ タダイタコトニヨリ キョウカラ サファイア ハ ユイナサマニ ツカエルモノト コテイサレマシタ アラタメテ コレカラ ヨロシク オネガイシマス−−−


「え、それってずっといるってこと?」


−−−ソウイウコトニ ナリマスネ キョウカラ コノコタイ サファイアノ アルジハ ユイナサマニ ナリマシタ−−−


「え、呼んだ時以外はいなくても大丈夫かなんだけど...」


−−−ソウデスカ ソレデハ ヨバレタトキイガイハ ベツクウカンニ タイキシテオキマスネ イツデ モヨンデクダサイ−−−


「助かるわ。」


−−−ソレデハ シツレイシマス−−−

そう言ってフッと光が消えたかと思うと、次の瞬間にはサファイアは既にいなかった。


「はぁ...ほんと理解が追いつかない...とりあえず寝ようかな、、、」

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