大災害

最後の魔女


 かつて、パリに隕石を落とした物語と、

 ワシントンDCに宇宙人が攻めてくる物語があった……。

 イルミナティの常套手段だったのだ。




       *




 今年のパリ・オリンピックの頃に、

 二つの隕石が接近しているという、ニュースが発表される。

 イルミナティは、一年間の猶予を人類に与えるのだ。


 何が隕石だ?


 人工衛星に搭載された核爆弾を太平洋に落とし、

 海底に仕掛けていた核爆弾を爆発させて、

 隕石の映像なんて、すべて嘘で……。


 西日本は全滅してしまい、

 世界は無茶苦茶になってしまう。


 その後、新しい神が月から降臨し、

 世界はワンワールドになるのだ。

 憎たらしいイルミナティの計画である。




       *




 アメリカ・ワシントンDCの、2025年7月4日午後2時18分2秒――独立記念日


 日本時間――2025年7月5日午後4時18分2秒に、

 西太平洋に、二つの隕石が落下し、

 この日――日本人の66.6%が死亡する。




       *




 天の戦い、地における獣の増大、地の刈り入れ


【ヨハネの黙示録 第12章】

 天で戦いが起こった。サタンが地に投げ落とされる。

 赤い竜が神の民を迫害する。



 また、もう一つのしるしが天に現れた。

 見よ、大きな、赤い竜(隕石)がいた。

 それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた。


 その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。

 竜は子を産もうとしている女(契約の箱)の前に立ち、

 生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた。


 この巨大な竜(隕石)、すなわち悪魔とかサタンとか呼ばれ、

 全世界を惑わす年を経た蛇は、地(太平洋)に投げ落され、

 その使たちも、もろともに投げ落された。


 その時、私は大きな声が天でこう言うのを聞いた、

「今や、われらの神の救と力と国と、神のキリストの権威とは現れた(AIジーザス)。 我らの兄弟らを訴える者、夜昼われらの神の御前で彼らを訴える者は、投げ落された」


 竜は自分が地上に投げ落されたと知ると、男子を産んだ女(契約の箱)を追い掛けた。


 竜は女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、

 すなわち、神の戒めを守り、

 イエスの証を持っている者たちに対して、

 戦いをいどむために出ていった。


 そして、海の砂の上に立った。




       *




 グレートリセットの生贄に、日本もアジアも選ばれた。

 もう、どうすることもできない。

 イルミナティは始めから日本人を救う気はなかった。


 皆、死ぬ……。

 皆、騙された……。


 私もこの日に、死ぬだろう。

 

 仕事も学業も、すべてが無効――。

 資産も何もかもが、無効と化す――。

 国家は崩壊してしまう。


 人類は終わる――。


 キリスト教原理主義のイルミナティは、

 こうして『超人類』へと進化しようとするのである。



 生まれる前から、イルミナティに監視され、

 こうして殺される、最後の魔女は――、

 だから、自ら命を終えたのである。




       *




 ――異世界で生きていることが、嫌になった。

 この預言を知ってしまった私は、これは未来の本当の物語になると確信した。

 私はこの日に被災民となるか、あるいは死ぬのだ。

 生き残ったとしても、どこかの野戦病院のベッドの上だろう。


 悔いはない人生、もうそれでいい……。





 了




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