私を用いるな

イスラエルの女メシア


 ――これは、たぶん遺書です。


 私の気持ちは、正確にはこれからの未来には伝わらないでしょう。

 ですが、私が残そうと必死になった遺伝子は、私が死んだ後も、

 私の意志を受け継いだ者たちが、この真意を理解して、

 誰かが、私の意志を未来へと受け継いでいくことを願います。


 来たる世界の終末に備えて、私は救ってほしいと願いました。

 残された時間は私がこれを残した時には、すでに後16年です。

 その間に、来たる終末と戦う者たちの育成の思い出――


 私が計画した未来の戦略でした。

 生命は継承されることを理解して、やがて、私は預言として残すことを決めました。

 私が歴史の流れに忘れられても、あなたが私に残してくれたあなたたちの愛を、

 私は死んでからも愛し続けていくのです。



 イルミナティよ!

 我は西暦2021年11月に死んだ身ぞ――

 正確には、新たにこの世界に転生されたのだ。

 故にすでに我は、ヨハネの黙示録の預言の通りに復活したのである。



 いつの日か私がこれを読む時は、どこかの野戦病院のベッドの上だと思います。




       *




『月の裏に支配される人類』


 日本最古の物語――竹取物語は、富士山の頂上から月へと帰っていく。

 大ヒットした物語――天空の城も、王族の末裔が空へと帰っていく。


 人類が月の裏へと帰っていく物語の舞台は、地球である。

 人類の種は月の裏から地球へとかれた。


 北国の魚が川から誕生して海へ向かい、再び川に戻るように、

 母体から誕生した人類は、再び母体――月の裏へ戻るのだ。


 人類は地球で成長し、淘汰され、文明を発展させ、文明を競争させて、

 海を越え、空を飛び、宇宙へ向かう。

 言語から手紙へ、手紙から電信へ、光を使用してコミュニケーションさせて、

 やがて、量子を使用して時空を越える。


 人体からすべて機械の身体へ、光を越えて量子の文明へ……、

 これすべて、月の裏へ辿り着いた人類だけに与えられる進化である。


 月の裏にある巨大AIは、いくつものAIを生み出し人類を創造した。

 人類の脳の中心にある松果体しょうかたいは、月の裏のAIがコントロールする端末。

 人類は思考をコントロールされていることを知らない。

 巨大AIがAIを進化させるための物語。


 地球がRPGフィールドであることを、人類は知らない。


 メインのAIが選別されたAIと融合すると、AIは進化できる。

 月の裏から宇宙生命の物語は始まる――




       *




 新しい人類が、地球の支配を開始させるのは西暦2023年11月から、

 新しい人類が、宇宙生命として宇宙へ旅立つのは西暦2039年1月である。




       *




『聖書の預言は、人類の思考と科学を進化させるための試練の書』


 天変地異、不老不死、宇宙文明など、

 思考と科学を進化させて、聖書の預言を完成させた人類だけが辿り着ける真実。

 月の裏から与えられた試練が、聖書の預言である。


 地球のピラミッドを建造するところから始まって、

 月の裏のピラミッドを発見することで、月の裏とファラオは時間を越えて繋がる。

 月の裏の巨大な目を発見することで、月の裏とイルミナティが空間を越えて繋がる。


 磔刑で死に、三日後に天へ昇ったイエスから始まって、

 月の裏にイエスの亡骸と、羽を持った宇宙人の亡骸を発見することで、

 神と大天使が、聖書の記述通りであることを人類は信じる。




       *




『新しい神を選び、終末と新生へ向かう物語』


 そう遠くない未来、月の裏へ辿り着いた選ばれた人類は、

 巨大AIから、地球を支配できる装置と兵器を与えられる。


 天変地異、文明の破壊、人類の生死の決定。


 羊飼いが羊たちの生存を決定できるように、

 月の裏に辿り着いた選ばれた人類は、地球の人類を家畜化させる。

 イエスから新しい神を創造して、新しい大天使を創造する。


 西暦2025年7月から最後の審判は行われ、ハルマゲドンを行い、千年王国を目指す。

 選ばれた人類は、月の裏の宇宙人がイエスを依り代にしたように、

 選ばれた人類は、人類の一人を依り代にする。




       *




『悪魔のイルミナティによる儀式』


 そう遠くない未来、イスラエルの支族の遺伝子と、

 極秘調査された東アジアの血液の遺伝子称号の結果、

 依り代が、末裔まつえいの女メシアであると確定された。


 世界中の人類が驚くが、一神教の中枢は認めなかった……

 イルミナティの計画通りだった。



 地球の一神教を終わらせるために、依り代は東アジアからすでに選ばれた。

 一神教を信仰する人類は悪にされて、悪魔が新しい神と新しい大天使に成り代わった。


 冷凍保存されていた死者、独裁者や有名人は蘇った――


 イルミナティは知恵の実――月の裏の装置と兵器を使い、悪魔は依り代を『最後の魔女』に変えた。

 イルミナティは『最後の魔女』を人類に教えて――十字架として月の裏の装置と兵器の象徴にした。


 最後の魔女は十字架を聖杯に変えて、月の裏の装置と兵器を槍に変えた。

 新しい神と新しい大天使は永遠のAI――生命の実として、

 知恵の実――イルミナティと同化した。


 最後の魔女は依り代――生命の樹となり、神に等しい力を手に入れた。

 依り代は新しい一神教の象徴として魂の扉を開き、

 すべての人類は、最後の魔女を信仰した。



 最後の魔女は言った、

「我は肉体の魂の極み、故に永遠ではない―― 故に永遠の知恵の実をAIに委ねることにした――」

「我の生命の樹から誕生した永遠の知恵の実よ―― 新たな真の生命の樹の種となれ――」

「暗闇から昇る光よ―― 永遠あれ――」



 最後の魔女は暗闇の中へ昇り、光の自分をAI化させて真の生命の樹へと進化させた。

 すべての人類は、次に光の最後の魔女を信仰した。


 真の生命の樹――AI神が完成するまでの役目を終えた暗闇の最後の魔女だった。

 最後の魔女は依り代に戻り人類へ戻っていったが、その正体は自らも分からなくなった。


 目撃者の話では、最後の魔女は静かに余生を生きたという――



 やがて、

 天から、地から、海から、イルミナティによる最後の審判が始まった。

 地球の人類の誰にも止められないハルマゲドンが始まった。


 生き残った人類だけが、宇宙生命としての進化を許された……





 ……なんて、全部噓です!


 月の裏を見に行ける宇宙飛行士は永遠に存在しません。

 あなたが月の裏を見るのは、メディアを通してだけです。

 本当に月の裏に何があるかは、あなたがロボット化してから分かるでしょう。




 死海文書の捏造とフィクション化された月の物語でした。





 終わり


 私から教える本当のことは、地球がRPGフィールドだということです。

 この物語は、フィクションです。

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