第16話 不幸の重さは比べようが無いわ!

サーシャのゴスペルグループの中には、16歳の女の子も居た。


その子は、なかなか理由を話したがらなかったが。



ゴスペルに触れて、その素晴らしさに心を踊らせていた。

彼女は、父親に強姦された挙句に



子供を堕胎したのだった。




サーシャはその女の子、マリーを可愛がった。



時には、母親の代わりになり、自宅へと暖かく迎え入れて

朝までたくさん語り合った。



段々とグループのメンバーの女性らは、、ゴスペルを歌っていくうちに表情が豊かになって来た。




皆がサーシャを慕うようになって来た。たまにはみんなで

ワインを朝まで飲んでバカ騒ぎしたり、



夕食をたくさん皆で作り、




【この料理はこうでこうで……】と日々、楽しく過ごしていた。



サーシャの壊れかけた感情も、みんなとたくさんの時間を過ごしていくうえで、




どこか救われた様な気がしてきた。サーシャは、、、新しく幸せというものを見つけつつあった。





そう……私には仲間が居る!




歌がある!!




皆の息がひとつになった時、、、



きっと素晴らしいゴスペルが産まれるわ!




サーシャは確信に満ちた希望を持ち始めた。

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