第11話 暖かい腕の中

サーシャは……張り詰めた気持ちが…いつしかテルの暖かさで


ほどけてきた……。



テルは、追いかけてきてくれた

サーシャをさらに愛おしく思っていた。



テルは、クスリッとにこやかになり、サーシャを抱き上げた。



サーシャは驚きながらも嬉しかった。相思相愛なんて初めての体験だからだ。




サーシャは物心ついた頃からゴスペルを歌っていた。



みんなサーシャの地位や名誉に近寄って媚を売る人達ばかりだったからだ。




そんな中……テルはホンモノの愛を見せてくれた。




抱き上げられたサーシャは……胸がキュンとしながらも


テルに、こう言ったのだった。





『風邪引いちゃうわ!!テル!』


テルは微笑み


『良いんだ。サーシャとひとつに慣れたから。平気。』




サーシャが連れていかれた所は、テルの自宅だった。




『温かいシャワー、浴びてきなよ。』



『う、うん。』


サーシャは急に恥ずかしくなってきた。




テルの部屋……

テルの香り……



そして……大きなピアノが目を奪う。




溜め息混じりに、バスルームへ向かうと、、



サーシャは……テルと





と……想いを固めるのであった。

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