紅糸島の奇祭〜カースト底辺の俺を嫌って、イケメンに擦り寄る許嫁よ、さようなら!これから俺は、島の生き神様に贄として愛されひたすら甘々の日々を送ります〜
第12話 継嗣の儀〜いきがみさまのわかれみち♪《野球拳Ver.》〜
第12話 継嗣の儀〜いきがみさまのわかれみち♪《野球拳Ver.》〜
✽まえがき✽
※性的表現がかなりあります。苦手な方はご注意下さい。また、15才以上の閲覧でお願いしますm(__)m
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「あ、そうそう。野球拳について学んだのだけれど、おどりで商標登録されているので、勝手に歌を使ってはいけないらしいわ」
「え。そうなんだ……!」
人差し指を立てて、真剣な顔で言うあかりに、俺は目を瞬かせた。
歌の著作権を気にする生き神様って……。部屋で二人で歌う分には問題ないと思うんだけど、真面目なあかりは気になるらしい。
「ええ!だから、代わりに、この島の童謡「いきがみさまのわかれみち」で代わりに野球拳ぽい感じに出来たらと思うのだけど、どうかしら?」
「ああ! 「いきがみさまのわかれみち」ね。そういや、小さい頃よくじゃんけん遊びしたわ。もちろんいいよ?」
「いきがみさまのわかれみち」とは、紅糸島の人間なら誰でも知っていて、歌も振り付けも体に染み付いている童謡だった。確か作者不詳だったような……?
あかりの提案に子供の頃遊んだ事を懐かしく思い出しながら、俺は一もなく二もなく賛成した。
「ふふっ。よかったわっ。」
あかりは嬉しそうに微笑み……。
パン……、パン……。
手拍子を取りながら、俺に呼びかけた。
「じゃあ、『さんはい』ではじめるわよ〜。」
パン……、パン……。
「おうよ。いつでもどうぞ?」
俺も一緒に手拍子を取りながら答えた。
パン……。
「さんはいっ。」
「「いっきがみさまの わかれみち〜〜っ♪」」
あかりのかけ声に合わせて俺達は歌い出し、足踏みをし、両手を上から斜めに広げるように振り下ろした。
「「右は“ぼさつ”でっ♪」」
俺達は右へ進み、右手を振り上げ……。
「「左は“はんにゃ”っ♪」」
左へ進み、左手を振り上げた。
いや、しっかし、ノリノリで歌い踊るあかりのかわゆさよ……。
「「ひとりじゃ もどれぬかえりみちっ♪」」
人差し指を突き立て、手をばってんにし、足踏みをし……。
「「ふたりで かえって…♪」」
ピースサインを作り、両手をぐるぐる回し……。
「「こられませっっ!!💥💥 …!!」」
俺達が気合いを入れてじゃんけんの手を繰り出すと、俺はパーであかりはチョキだった……!!
「ホラァ、やっぱり、あかりじゃんけん最強じゃんっ!」
俺がその場で肩を落とすと、何故かじゃんけん自由自在の筈のあかりが驚いて顔を赤らめていた。
「ハッ! ///最初は真人に勝たせてあげようと思っていたのに、真人と一緒に野球拳(ぽいもの)をするの楽し過ぎて、つい忘れてしまったわ……!」
「いや、まぁ、いいけどね……。」
苦笑いしつつ、野球拳(ぽいもの)を楽しむあかりはメチャメチャ可愛かったので、許す事にした。
「それじゃ、どうぞ?」
「え、ええ…。では失礼して……。////」
俺は両手を上げ、無抵抗状態であかりの前に進み出ると、あかりは少し照れながらかがみ、俺の着物の帯に手を伸ばして来る。
「お、おおっ。///」
その途端、あかりの長い髪が俺の鼻先をかすめ、花のような甘い香りが漂い、思わずくんかくんか嗅いでしまった。
あかりはそんな俺の変態な様子には気付かず、真顔で聞いてきた。
「綺麗に着付けてあるわね。誰かに手伝ってもらったの?」
「あ、ああ……。儀式の時と同じように世話係の保坂さんと、刈谷さんに……。えと、あかり……?」
「ふーーん。そうなのね……。」
シュルッ。
ズッ!!
「うをっ?!」
あかりは少し唇を尖らすと、帯を一気に解いたので、俺はつんのめりそうになった。
ガシッ。
「あっ。ごめんなさい。じゃ、じゃあ、次行きましょうか。」
「お、おう!」
慌てて俺を支えてくれ、いつものあかりに戻ったが、一瞬、剣呑な雰囲気だったような……??
疑問に思いつつ、俺は帯を取られて、着物がダランとした状態で、2回戦以降に臨むことになった。
✽
「「……二人で戻って来られませっ」」
あかり(チョキ)✕ 俺(グー)
「おっ♡」
「負けちゃったわ〜。どうぞ? 真人?」
「お、おうっ。じゃっ。し、失礼してっ……。」
舌を出して、身を差し出してくるあかりはエロ可愛く、ドキドキしながら後ろからその帯に手をかけた。
「えっと、この綺麗な飾りとっていいの?」
「ええ。帯締めをとって…、帯揚げ、帯枕の紐を解いて……。」
「ふんふん。」
シュルル……。
あかりの言われるままに帯を解いていくと、彼女は、肌襦袢に着物を羽織っただけの姿になった。
おおうっ。野球拳(ぽいの)いいじゃん。///
まだ、肌の見える面積が増えたわけじゃないのに、脱がされて、はにかんでいるあかりの表情も相まって、俺は大いに興奮したのだった。
次も勝って脱がしてあげようとじゃんけん最強の生き神様相手に気合いを入れたがのだが……。
それから、俺は三回戦四回戦たて続けに負け……。
「ふふっ。脱がすわねっ。」
パサッ。
「きゃんっ!」
「それっ!」
バサッ。
「まいっ◯んぐ!」
あかりに着物と、肌襦袢を脱がされ、俺は思わず女の子のような声を出てしまい、
下の下着と、足袋だけになってしまった。
「ふっふっふっ。あと2回で、私の勝ちね。」
「あかりぃ……。じゃんけん最強王なのに、ずるいぜっ。」
不敵に笑うあかりに、俺は歯ぎしりをした。
「例によって、条件をつけさせて貰うぞ。俺が勝ったら、今日のあかりの可愛いポイントベスト3を発表するぜっ。」
「っ……!!//」
あかりは俺の言葉に目に見えて動揺し……。
《5回戦目》
「「……二人で戻って来られませっ!」」
あかり(パー)✕俺(チョキ)
「やった! 今日のあかりの可愛いポイントベスト3位! 赤い着物がよく似合っててすげー可愛い!」
バサバサッ。
「きゃあっ!////似合っているって言ってくれてるのに速攻で脱がされたわっ!」
《6回戦目》
「「……来られませっ!」」
あかり(グー)✕俺(パー)
「よっしゃ! 今日のあかりの可愛いポイントベスト2位! 表情! 得意気な表情とかはにかんだような表情のあかりひビックリするぐらいエロ可愛いぜ!」
プチッ。パサッ! プチッ。パサッ!
「あんっ。ふふっ。足袋脱がされるの、擽ったいわ。真人。」
《7回戦目》
「「…せっ!」」
あかり(チョキ)✕俺(グー)
「うっしゃあ!!」
5回戦目から7回戦目まで連勝した俺はガッツポーズをとって叫んだ。
「今日のあかりの可愛いポイントベスト1位! 野球拳(ぽいの)踊るあかりの仕草が史上最強に可愛い!最後の1枚!」
シュルルッ。
「あっ。真人……!///」
鼻息荒く、あかりの肌掛け部分の腰紐を解くと……。
パラリ……。
豊満な胸が露わに……。
は、なっておらず、あかりは上下の下着を身に着けていた。
「あれ?//」
これはこれで、レースのブラから胸の谷間見えてて色っぽいけど、儀式の時は上の下着はつけてなかったような……?
「えへへ……。社のスタッフさん達が、上の下着を用意してくれたのよ?どう?」
「いや、うん。似合う。か、可愛い……よ?」
裸が見られず、若干がっかりしたものの、俺が親指を立てると、あかりは嬉しそうに微笑んだ。
「よかったわ。真人が次に勝ったら、上も下も脱がせてね?」
「お、おうっ♡」
俺はあかりにウインクされ、胸をときめかせた。
次の勝負に臨み、どんな条件付けをしようか、頭をフル回転させていると……。
「じゃあ、私からも条件付けするわねっ。」
「えっ。じゃんけん最強のくせに条件付けまでするのっ?」
あかりの提案に度肝を抜かれ、文句を言おうとしたが、それは次のあかりの発言にすぐに封殺された。
「次に私が勝ったら、脱がした部分に口づけするわ。」
「〜〜〜!!!マ、マジ?!」
衝撃を受ける俺にあかりは無邪気な笑顔で肯定する。
「ええ。マジよ?真人の条件付けは?」
「え、ええっとぉ……。じゃ、か、勝ったら、友達のトシの飼っている動物は何か教えてやるよっ。」
「……。(真人のお友達のトシさんの飼っている動物って鳩でしょ?知ってるけど……?)へ、へ〜。気になるわ。」
※生き神様は、精霊に姿を消す術をかけてもらい、真人がトシのペットの鳩を介して彼女へのプレゼントをやり取りする場面を見ています。
やべ。あかりのすごい条件付けに圧されて、適当なの言っちゃったぜ。あかり微妙な反応だな。
《8回戦目》
「「……二人で戻って来られませっ!」」
あかり(パー)✕真人(グー)
「やっぱり負けたか……。ゲヘヘ……」
「?? 負けたのに、真人何だか嬉しそうね? それじゃ。失礼しまして…」
プチッ。パサッ! プチッ。パサッ!
足袋を脱がされ、あかりは、裸足になった俺の足首に手をかけた。
「足の甲でいいかしら?」
「う、うんっ。いいよ?」
本当にいいんだろうか?贄の立場で、生き神様に足にキスさせるとか……?
と思いながらも、欲望には逆らえず、緊張気味に俺が返事をすると、あかりは腰を屈め……。
チュッ。チュッ。
「!!///」
右足、左足の甲に一瞬感じた、柔らかく湿った素晴らしい感触に、おれは身震いした。
「ふふっ。次も同じ条件付けで。」
「……!///」
妖艶に微笑む彼女に俺はドキッとした。
次って下の下着? 身に着けていたところにキスしてくれるって事は……もしかして?!
「じゃ、じゃあ、俺は、あかりの体のどこが一番好きか教える…でっ。」
「……。」
最早勝っても負けても天国な状況に、スケベ心満載の条件付けをしてしまった俺を見るあかりの目は心なしか冷たかった。
《9回戦目》
「「……二人で戻って来られませっ!」」
泣いても笑ってもこれが最後の野球拳。
俺の出したチョキに対して……。
「真人の一番好きな私の体の部分は「おっぱい」でしょっ?」
いたずらっぽい笑みを浮かべて、あかりがパーにした手を差し出していた。
「あかりっ。///知っていたのに、何で?」
「最初から負けるつもりだったのよ。真人が私にしてくれたように、私もあなたを遊びで楽しませてあげたかったの。」
「……! あかりっ…。」
彼女の思い遣りに胸がいっぱいになって、俺は言葉に詰まった。
ついさっきまで、負けてもそれはそれでいいかなんて思ってしまった、スケベ心しかない自分を殴ってやりたい気持ちだった。
「野球拳(ぽいの)どうだった?楽しんでもらえたなら、最後までっ。ねっ?」
「あ、ああっ。メチャメチャ楽しかったよ? ありがとう。あかりっ。」
俺は震える手で彼女の下着のファスナーに手をかけ……。
ジーッ。プルンッ。
「……!」
解放されて露わになった世界で一番美しい双丘を前に、俺は感動すら覚え、泣きそうになった。
「綺麗だよっ。あかりは、心も体もっ。んんっ…。んうっ…。」
「ま、真人……。////んんっ…。んうっ…。」
そして、俺達は深い口付けを交わして、布団にゆっくり倒れ込んで行ったのだった…。
*おまけ*
「いきがみさまのわかれみち」歌詞
生き神様の分かれ道
右は菩薩で 左は般若
一人じゃ戻れぬ帰り道
二人で戻って来られませ
紅糸島に伝わる童謡で、作者は不明。
子供のじゃんけん遊び、夏祭りの盆踊りなどに使われているらしいですよ。
*あとがき*
読者の皆様、読んで頂きまして、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます
m(_ _)m
こちら、年内最後の投稿となりまして、
今年1年お世話になりました。
どうかよいお年をお迎え下さい。
よければ、来年もどうかよろしくお願いします。
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