第13話 継嗣の儀〜求め合う心と体〜

✽まえがき✽


※性的表現があります。苦手な方はご注意下さい。また、15才以上の閲覧でお願いしますm(__)m


✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽




「あっ。ああんっ…!まひとっ!まひとーっっ!!」

「ふっ。っく…!あかりっ!あかりーっっ!!」


継嗣の儀の部屋の中で始祖の力がこめられているという紅い石に見守られる中、

俺達は、互いを求め合い、奥の奥まで繋がり、頂点に達した。


「はぁっ。はぁっ。あかりっ…。」

「ふぅっ。ふぅっ。まひとっ…。」


共に息は荒いものの、儀式の時のようにあかりが衰弱することはなく、俺は安心してもう一度、裸の彼女をギュッと抱き締める事が出来た。


「あ、あかり……?あの、言っとくけど、俺、あかりのおっぱいとかお尻とか、体だけが好きってわけじゃ……ないんだよ?」


息を整えながら、あかりに囁くと……。


「ま、まひと……。三回も交わった後に……言うことではないと思うわ……。」


潤んだ瞳のあかりに、尤もな突っ込みをされ、慌てて俺は弁解した。


「いや、まぁ、確かに今言っても説得力はないかもしれないけども!

これでも、あかりの生き神様としての運命について真剣に考えているんだよ?でも、いざあかりに会うと、嬉しくて、本能のままに……。」


「ふふっ。分かってるわ。キーちゃん、ナーちゃんから歴代の生き神様について一生懸命調べてくれていると聞いているわ。」


俺の情けない言い訳を、あかりは気を悪くした様子もなく笑いながら受け止めてくれた。


「それに、私も、同じよ。儀式の度に気が強くなっていく事といい、先代贄様の外出といい、生き神として常ならない状況に対処しなければならないのに、真人への想いばかり募ってしまって……」


「あかりっ…!//」


思いがけないあかりの言葉に俺は胸がギュッと掴まれた。


「真人が何度も会おうと行ってくれてたのに、断ってしまってごめんなさい。継嗣の儀に体調を整えるというのもあったけど真人への想いを抑えようとしていたの。

でも、会えない間に余計に想いが募って、会えたら会えたで気持ちに歯止めが効かなくなってしまって……。私は生き神失格ね?」


「そんな事ねーよ。あかりは充分生き神としてよくやってるよ。頑張り過ぎなくらいだよ……。俺は、あかりがそんなに俺を想ってくれていたと寧ろ嬉しいよ!」


ギュムッ。


俺への想いを告げてくれるあかりにたまらなくなって、彼女を抱き締める腕に一層の力を入れると、あかりは悲鳴を上げた。


「きゃっ!ま、真人。///苦しいわっ。」


「あ、ごめん!」


慌ててパッと離れると、身を起こしたあかりは、俺の腕に手を添えてきて、真剣な表情で俺を見詰めていた。


「ね、真人。生き神と贄は愛し合ってもいいのかしら……?それは正しい事かしら?」


縋るような瞳を前に、俺は一瞬躊躇った。 


けれど……。


「正しい事かは分からないけど、後継者の子は両親が愛し合っていたら幸せ…だと思うよ?」


「……!」


俺の答えにあかりは、パチパチと黒い大きな目を瞬かせると、お腹に手を這わせ、微笑んだ。


「それは……、きっとそうよね……。」


「その、もう、子供が出来た感じはする?」


俺が恐る恐る聞くと、あかりは首を傾げた。


「うーん……?多分まだ……かしら?お母様の話だと、神の力で受精した瞬間にもう気を感じ取れるという事なのだけど……。少し時間がかかるのかもしれないわね……。」


「よしっ。ダメ押しでもう1回しとこっ。」

ドサッ。

「きゃあっ。もう、真人〜〜!///」


鬼畜な俺はそろそろ下半身が復活して来たのを感じ、あかりを再び押し倒した。


「あかり。俺、諦めないで、君の運命を変えれるありとあらゆる方法を探してみる! 探して探して探しつくして……、

それでも、どうしても駄目だったら、最後の最後の瞬間まで、君を笑わせてみせる。君を絶対泣かせたりしない。」


「……!! 真人!///」


俺の宣言にあかりの頬は一気に紅く染まり、やがて幸せそうな笑顔になった。


「私は、真人さえ側にいてくれるなら、最後の最後の瞬間まで笑っていられると思うわ。他の女の人と仲良くしたら、時々は怒ると思うけどね?」


「へ?俺、あかりしか見てないんだけど、いつ他の女の人と仲良くした事あった?」


「保坂さんとか刈谷さんとか、社のスタッフさんといつも仲がいいじゃない?」


ちょっとプク顔のあかりに、身に覚えのない疑いをかけられ俺は急いで否定する。


「いや、ないない! 大体年が違うじゃん?」


「どうかしら?真人、年上の女の人に弱そうだから……。」


「んー、まぁ、何ヶ月かだけど、あかりも年上だし、言われてみれば、そうかも??」


「もう。真人ったら……。」


愛しい俺の生き神様は俺の首に両手を回して抱き着いて来て、甘ったるい声で、俺の耳元に囁いた。


「私は年下の贄の男の子に弱いかもしれないわ……。」


俺(&Jr)は、彼女の言葉に煽られるように元気になり、それから、また何回戦もしてしまった。


「あっ。あんっ…。まひとっ…。すきぃっ…。だいすきぃっっ…!」


その時のあかりの艶っぽい声はいつまでも心に残った。


心も体も愛し合える事の喜びに浸っていた俺達は、その後すぐにその絆が揺らぐ事態になろうとは、思いも寄らなかった……。




✽あとがき✽


読者の皆様

新年あけましておめでとうございます🎍


ご挨拶より先に性表現の注意表示から始まりまして、大変失礼致しました💦


甘々から一転、次週から急展開になりますが、よければ真人くんとあかりちゃんを見守って下さると嬉しいです。


今年もどうかよろしくお願いしますm(_ _)m


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