第5話 祭りの儀式《後編》

※性的表現がかなりあります。苦手な方はご注意下さい。また、15才以上の閲覧でお願いしますm(__)m



「真人、しっかりしてぇっ!」


必死に俺の名を呼ぶ声が聞こえる。

頭にふわふわと柔らかい感触を感じながら、俺は意識を取り戻し、目を開けると、

目の前には、涙を浮かべた黒髪ロングの超絶美少女が、こちらを心配そうに覗き込んでいた。

彼女の薄い着物の前はあられもなくはだけて、裸の胸が見えそうになっている。


どうやら、俺は半裸の美少女に膝枕をしてもらっているようだった。


なんだ、ここ天国か?


「真人、起きたのね?よかった!急に鼻血を出して倒れるから驚いたわ。」


美少女は、ホッとしたように笑顔を浮かべた。


そう言えば鼻に違和感があると思ったら、丸めたティッシュのようなものが詰められている。彼女が手当てしてくれたのか…。


ボーッとした頭で、記憶を辿る。彼女の名前は確か…。しじょーあか…。


「儀式の事で無理をさせてしまって本当にごめんなさい。」


!!?


突然鮮明に今までの事を思い出した。


俺は儀式に臨もうとして、四条灯の裸の胸を見て、鼻血を出して意識を失ったのだった。


「そうだ、儀式!!」


俺は勢いよく起き上がった。


「真人、急に起きちゃダメよ!」


「お、俺!どれぐらい倒れていた…?」


「意識を失っていたのは数分ぐらいだけど…。」


あかりの答えに俺はホッと胸を撫で下ろした。


「そっか。よかった…!まだ儀式間に合うよな?」

「真人、何を言っているの!今日は安静にしていなくちゃダメよ!!」


あかりは、そんな俺に人差し指を突き付け、

厳しい表情で叱りつけた。


「今日の儀式は、取りやめる事にするわ。

もう一度スイッチを押せば、儀式の終了もしくは、緊急事態による儀式の中止という知らせになるから…、真人?」

「そんな事しなくていい!」


さっきの機器の方へ近付こうとするあかりの腕を掴み、引き止めた。


こんな事で儀式を取りやめたら、今度こそ俺は贄とは認められず、他の奴にすげ替えられてしまうかもしれない。


会ってから間もないというのに、俺はあかりを誰にも触れさせたくなかった。

その方法が、一つしかないというなら…、何としてでも、俺が贄になってやる。


「でも、真人は無理を…んっ?んむっ…。は…んっ。」

「んんっ。んむっ。んふうっ…。」


反論しかける彼女の口を塞ぐように唇を重ねた。


「ハアッ。ま…真人…///」

「ハアッ。あ、あかり…///」


唇を離してお互い息を切らして見つめ合うと、あかりの目は潤み、頬は紅色に色づき色っぽい表情をしていた。


「あかり。心配かけてごめん。俺は大丈夫だから。儀式…しよ?」


「でも、さっき血を失ってしまったし…。確か、行為をするには男の人のその部分に血が集中して大きくならないといけないと本に書いてあったわ!」


あかりはキリッと真剣な表情で主張した。


「う、うん。あかり、大分勉強したんだね…。でも、大丈夫、それはそれだから、俺、もう、こんなだし…。//」


「ひゃぁっ?!//」


俺が下に向けて指を差すと、あかりは俺のパンツの股間の辺りが膨らんでいるのに気付き、悲鳴を上げた。


「す、すごい…!こんな風になるのね…。」

「ああ…。」


未知の生命体を目にしたように、あかりに感心してマジマジと観察され、何だか気恥ずかしかった。


「でも、また倒れたら…。」

「大丈夫!」

「あっ…//」


俺は彼女を寝床にゆっくりと押し倒した。


          *

          *



それからは、もう無我夢中であかりの体にむしゃぶりついていった。

監視カメラの事も頭から外れていた。


俺も初めてだったし、優しくしてあげるなどという余裕はなかった。


体に押し通った時、あかりは痛みに泣いていた。


あまりに可哀想で、すぐにやめようとしたが、続けてくれと懇願され、あかりの体を揺すぶるうち、次第に痛みだけではない甘い声を漏らすようになってきた。


「んっ。んっ。あっ。はぁ…んっ!ま、真人っ!ああっ。真人っ!!」

「あかりっ…。あかりっ…。」


薄明かりの射し込む儀式の間の寝床で俺はあかりと抱き合い、激しく睦み合った。


そして、お互いが最高潮に達したとき…。

「「ああっ!」」


その一瞬俺の体に驚く程の力が漲り、すぐにその力が失われる感覚を覚えた。


「?!今のは…。あ、あかりっ!?」


あかりが発光し、その体から無数の赤い糸のような光が伸びていく。


「わわっ?うわぁっ。」


その無数の光は俺達を繭のように包み、一瞬のための後、洞窟上方に一気に放出された。


!!!!


す、すげー!!今のが生き神様の気の放出って奴か?

あれが、島の地盤を強化し、島の全ての命に生命力を与える奇跡の光ー!


儀式の物凄さを目の当たりにして、呆けていた俺は、息も絶え絶えなあかりの声に我に返った。


「ハアッハアッハアッ。ちゃんと…出来た…かしら?」


「あかりっ!!大丈夫かっ?」


あかりは病人のように憔悴した様子で、起き上がる事も出来ないようだった。

これが神の力を使った代償なのだろうか?


生き神である彼女の犠牲の上で、島の命が守られているという事実を痛い程に感じた。


俺は必死にあかりに呼びかけた。


「しっかりしろ、あかり!今、人を呼ぶからな?」


「だ、大丈夫…。神の力で…すぐに回復…するし、キーちゃん、ナーちゃんを呼べば…一瞬で移動…できる…から…。」


「そ、そうか…。」


そう言えば、あかりは神の力で回復するし、キーとナーは瞬間移動出来るのだっけ?


「でも、あかり、あんま、無茶すんなよ…。」

「ん…。あり…がとう、真人…。」


青い顔で切れ切れにそう言う彼女の回復を見守るしかなかった。


しかし、神の力とは、大したもので、数分後には、あかりのこけていた頬はふっくらと赤みが差し、目には生き生きとした光が戻って来た。


「ふうっ…。もう大丈夫よ。真人。心配かけてごめんなさい…。」

「よ、よかった…。」


ようやく身を起こせるようになったあかりに安心して、涙目になっていたところに…。


「「!!」」


突然、頭の中に鮮明な映像が送られて来た。


上空から撮った映像なのか、島全体が一望出来る。突然洞窟の辺りから赤い光の柱が、立ち昇り、それが徐々に淡い赤色の光になって島全体、その近海までを包み込むように拡散していく様子が見て取れた。


そんな映像と共に、双子の精霊の声が頭に響く。


「「生き神様、この度は儀式の成功おめでとうございます!!これだけの強い力の発顕を見たのは、実に数百年ぶり…。誠に見事な儀式でございました…。少しはあのどバカ(どアホ)も役に立ったようでありますな。」」


「キーちゃん、ナーちゃん…。」

「キー、ナー…。」


俺達は驚いて目を瞬かせながら、顔を見合わせた。


「儀式…、上手く行ったみたいだな…。」

「え、ええ…。」


「キーちゃん、ナーちゃん、ありがとう!

もう少ししたら、呼ぶから待っててくれる?」


「「了解しましたっ。お待ちしておりますっ!」」


双子の精霊の弾むような声と共に、頭の中の映像は消え、彼らとの通信は打ち切られようだった。


「あ、あかりっ。よかったな?儀式大成功だって…!…あかり…?」


俺は顔を輝かせて、隣のあかりに呼び掛けると、あかりは、辛そうに顔を歪め、肩を震わせていた。


「う、ううっ…。ああっ。ああ〜んっっ!!」

「あ、あかりっ…。」


あかりは自分の体を両手で抱き締めて慟哭していた。





*あとがき*


読んで頂きまして、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます

m(_ _)m

この回は、どこまでの表現が許されるか悩みながら書きました💦

最近、そういう方面に運営様が厳しいような気はしているのですが、

儀式の内容が内容だけに、全くそういう表現がないと、話として成り立たなくなってしまうかと思いまして…。

なるべく、表現をぼかしましたが大丈夫でしたかね?


もし、運営様に指摘されましたら、修正か、この話自体を削除させて頂く可能性があります。


色々ご迷惑をおかけしますが、今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _;)m💦

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