第4話 祭りの儀式《前編》

※性的表現があります。苦手な方はご注意下さい。また、15才以上の閲覧でお願いしますm(__)m




辿り着いた儀式の部屋で見つけてしまった監視カメラ。


「儀式の内容は知ってたけど、公開セッ○スだなんて、聞いてねーよっっ!!」


俺が思わず叫んでしまったのも無理からぬ事であっただろう。


ただでさえ、初体験をこんな形で迎える事になって、緊張しているというのに、最初から

視姦プレイとかどういうことだよっ?!


俺には見られて興奮する特殊な性癖ないからっっ!!


「ま、真人っ。心配しないで?

映像(音声はなし)を見るのも、菊婆と保坂さんの他、数人の女性スタッフとごく限られたメンバーだけだし、送られた映像も残らないように、消去される事になっているし…。」


パニックになる俺に、四条灯は、アセアセしながら、人差し指を立てて懸命に説明してくれたが、それは俺の心を却って追い込む結果となった。


「保坂さんと、ば、ババアに見られ…?ぐ、ぐはぁっ…。」


四条灯は、その場に倒れ込んだ俺の体を揺さぶり、必死に呼びかけた。


「ま、真人っ、真人しっかり!!」


「ブクブクブク…。」


泡を吹いている俺の顔に、何やら、ポトポト冷たい雫か落ちてきた。


「ううっ。真人っ。や、やっぱりダメなのぉっ?」


見上げれば、超絶美少女が大粒の涙を零して泣いていた。


「い、いや、ダメとまでは言ってないけど…。」


俺は顔を青紫色に染めながらも、辛うじて身を起こした。


さっき、暴言を吐いてガン泣きさせてしまったトラウマで、俺は彼女の涙に弱いのだった。


「君だって嫌じゃないのか?人に見られながらなんて…。」


そう聞くと、四条灯は、大きな目をパチパチさせ、辺りに綺麗な涙を散らした。


「いえ。私は大丈夫よ。実は子供の頃に、研究員の人がデータを纏めている事務所の机の下に隠れて、先代の生き神様と贄様の儀式の

映像を見た事があるの。」

「えっ!そ、それって…!!」


先代の生き神様と先代の贄様の儀式という事は、四条灯あなたさまにとってご両親の営みを拝見された…という事でございませうか…?!


「先代の生き神様も贄様もとてもお綺麗で不快な感じは全くしなかったわ。

研究員の人も、菊婆も、どの時点で地質が強化されるか、データを分析するのに必死で私みたいにじっくり見てる人はいなかったわ。」


「う、う〜ん。それにしてもなぁ…。」


渋る俺に四条灯は、必死に言い募った。


「他に真人が気持ちよく儀式をする為に、私に出来る事があるなら何でもするわ!何でも言って?」


「!??///」


儀式の内容だけに、何でもするという四条灯の言葉に、思わず、邪な事ばかり思い付いてしまい、俺はプルプルと頭を振った。


「そ、それなら…。」


俺は正座をして、真剣な表情の四条灯に向き合った。


「君の事を、『生き神様』じゃなくて、名前呼びしても…いいですか?」


「そんな事で…いいの?もちろん、いいわよ?私も真人と呼んでいるのだし。ぜひ『あかり』と呼んで。」


勇気を出して申し出た俺の願いを彼女は拍子抜けした表情であっさりと許可してくれた。


「じゃ、じゃあ…、あ、あかり。映像を見られるのは抵抗あるけど、この期に及んで、逃げたりはしないよ。宜しくお願いします。」


覚悟を決め、その場でペコリと頭を下げた俺に、あかりはホッとしたような笑顔を浮かべた。


「あ、ありがとう、真人!こちらこそ宜しくお願いします。」


「儀式の事、俺はよく知らないんだけど、どういう手順で進めて行けば…いいんでしょうか?」 


俺は正座のまま、彼女に教えを乞うと、彼女はコクリと頷いた。


「分かったわ。じゃあ、まず、この部屋に入って最初にする事は、このスイッチを押す事。」


「??」


彼女は、監視カメラのすぐ下にある、電球のついた小さな機器のスイッチをカチッと押すと、白色の電球が灯った。


「このスイッチを入れる事で、研究員の人達に、私達が儀式の間に到着して、準備が出来た事を知らせてくれるの。研究員の人達の準備が出来たら、今度は向こうから赤色の電球が灯る事になっているから、それまで

ここで、待機ね。」


「そ、そうなんだ…。」


という事は、この機器の赤ランプが灯ったら、儀式の開始という事か…。

何だか緊張して来た…。


「しばらく時間がかかると思うから、ここに座って、お話でもしていましょう?」


あかりににこやかに誘われ、ベッドの上に二人で腰掛け、話をする事になった。


隣でニコニコしている超絶美少女を緊張気味に見遣りながら、俺は考えていた。


何だろう?普通なら、これからそういう事をする年頃の男子と一緒にいるというのに、

この子、えらいリラックスしてない?


もしかして、そういう事、慣れているのかな?

キスも上手かったし…。


セッ○スが儀式の内容なら、既に誰かと練習していてもおかしくないよな…。


考えたくないけど、あかりはこんなに可愛いのだし、そういう事したがる男は山程いるよな…。


こんな可愛い子が初めてなわけ…ないよな…。


この子と、他の男(多分イケメン長身の細マッチョ)が裸で絡んでいる様子を思い浮かべてしまい、死にそうな顔をしている俺を見かねて、あかりが声をかけてきた。


「真人?何だかすごく顔色悪いけど、大丈夫?何か他にまずいことでもあった?」


「ううん。何でもないよ?

いや、あかり、キスが上手だったから、もう既に色々経験済みなのかなって思っただけで…。あっ! ||||」


反射的に思っている事をそのまま言ってしまい、俺は口元を手で押さえた。


「…!!」


あかりは、俺の言葉に目を見開き、青褪めた。


これからそういう事をする相手に真っ向からデリケートな話題を振ってしまったぁ…!

俺のバカッ!!


「ま、真人…。」

「は、はい… ||||」


硬い表情と声で、呼びかけられ俺はビクビクしながら返事をした。


しかし、あかりは怒っているというよりは、マズイ事を聞かれたというように、冷や汗をダラダラ流しながら、俺に説明をし始めた。


「え、え〜とね?祭りの儀式は最初が一番肝心でね?生き神が穢れのない状態で臨み、その体を捧げた時に一番大きなエネルギーを得られるらしいの。

だから、その前には生き神は性的交渉を一切する事が出来ないのよ。」


「ん?という事は…。君は…経験ない…という事??」


「え、ええ…。そうなるわね?」


あかりは引き攣った笑顔で答えた。


「なら、キスが慣れているのは…?」


「ああ。先代の生き神様から術を教わる時、口移しに体感させられる事があったから、それで…。」

「??!///」


そ、それって…?!

あかりに似た美女とあかりの禁断の親子キッスを思い浮かべてしまい、その耽美な図柄に頭がクラクラしてしまった。


「ぐふぅっ。いいかも…♡」


「???」


変な性癖に目覚めかかった変態な俺を、あかりは不思議そうに見ていた。


でも…。

お母さんとキッスした以外は、あかりは、まだ経験ないって事だよな?

何だかホッとしてすごく気持ちが軽くなった。だから、次に彼女がした質問にも気楽な気持ちで答えてしまった。


「で、でも、真人は当然経験あるから問題ないわよね?」


「え。当然って何?俺も初めてだけど…?」


「え。真人も初めて…なの??」


俺の答えに、あかりはサーッと青褪めた。


ええ?何、その反応…?!


「外の世界は、性に奔放だと聞かされていたから、許嫁のいる真人は当然、経験済みなものとばかり思っていたわ。そ、そう…。お互い初めてなのね…?」


いや、どういう情報なの?

まぁ、性に奔放な奴もいるかもしれないけど、厨ニ病の俺は(許嫁の茜も含め)女子に嫌われる事はあっても、モテる事はなかったから、悪いけどそんな美味しい経験一度もしてねーよ。


「だ、大丈夫よ。ザッツ・オール・ライトよ?真人。お姉さんの私に全て任せて。」


あかりさん、動揺のあまり大丈夫を英語訳して2回言っちゃったよ。


ガッツポーズとってるけど、青褪めてプルプル震えていて、全然大丈夫そうじゃない。


「わ、私、そういう動画も見て、勉強済みだから、何をどうするのか、ちゃんと分かっているわ!!まずは、体にハチミツを垂らすのよね?いえ、目隠しをして、レコードを使うのだったかしら??」


ま、マニアック過ぎる…。


ねぇ、君、どんな動画見たの?


ドン引きしている俺に更に暴走する自称お姉さん。


「だ、大丈夫。血が吹き出るハードなプレイでも、私は大丈夫だから!!気にせずガツガツやってちょうだい!!」


いや、ガツガツって…。


「ちょっと、あの、あかり?」


「えーと、えーと。お互いの体に垂らしたハチミツを舐め合い、目隠しをして、レコードを回しながら、行為をしながら、気を高めて、上方へ送るように…!」


手を組み合わせて、ガクブルしながら、儀式のシュミレーションをしているあかりに、強めに呼びかけた。


「ちょっと、あかりってば!!」


「は、はい…?」


「何で初めて同士でそんなマニアックなプレイしようとしてんだよ。

大体ハチミツもレコードも目隠しする布も、ここにはないじゃん!」


もはや涙目になっているあかりに俺は残酷な事実を告げてやった。


「ああっ。本当だわっ!!用意しておけばよかったあぁっ!!」


頭を抱えるあかりの肩をポンと叩いた。


「ちょっと落ち着いてって。そんな道具なくても大丈夫だから!初めてだけど、あかりよりはそういうの詳しい気がするから、その…行為自体は、俺がリードするよう頑張るよ。//」


「ほ、本当?勉強熱心なのね?真人!すごいわ…!」


そんな事で褒められ、俺はポリポリ頭を掻いた。


「い、いや、勉強熱心っていうか…。

思春期男子なら当然通る道っていうか…。///


と、とにかく、あかりは、他に生き神様として、気を高めたり何やらあるんだろ?そっちに集中していいよ。」


「分かったわ。真人のおかげですごく気持ちが楽になったわ。ありがとう!年下なのに、頼りになるのね?いい子ね、真人は。」


「いい子って…。子供扱いするなよ?俺と一つしか違わないんだろ?下手したら、学年変わんねーんじゃねーの?あかり、何月生まれよ?」


小さい子を扱うような彼女の言い方に不満で、俺はつい気安いな口の聞き方をしてしまった。


「えーと、私は9月16日生まれで18才よ?」


「俺、2月で18才になるから、やっぱ同じ学年じゃねーか!5ヶ月しか違わないじゃん!」


「あら、私学校行ってないから学年とか関係ないないわよ。5ヶ月も違うなら私がお姉さんで間違いないわ。ふふふん。」


「何だよ、そのドヤ顔…。」


唇を尖らせたものの、内心、得意げなその笑顔に参ってしまっていた。


クソッ。この生き神様、ホント可愛いわ。

勝てねーわ。


「「あっ。」」


そうこうする内、棚の上の機器の赤電球が点灯した。


「真人…。」

「あかり…。」


俺達は共に決意を宿した目を見交わし、頷き合った。


          *

          *



後ろでスルスルと、あかりが、着物を脱いでいく衣擦れの音がする。


俺も着物の帯を解き、パンツ一丁の姿で、ドキドキしながら、正座であかりの準備を待っていた。


「真人…。肌襦袢(着物の下着)も全部脱いでしまっていい?脱がしたいとかない…?」


「お、おう…。い、いいよ…。俺、着物の構造よく分からないし、脱いでもらった方が有り難いかも…。」


艶めかしい彼女の問い掛けに一層心臓をドクドクさせていると…。


「あれ、ここの結び目、結構固いわ…。」


彼女の困ったような声に、俺は思わず振り向いた。


「俺、手伝った方がいい…?」

「あっ。解けたわ。」


俺が声をかけるのと、彼女がホッとした声を上げるのと同時だった。


!!!!


次の瞬間、肌襦袢が解かれ、彼女のおっぱいがプルルンと外にまろび出る光景を俺は見てしまった…!


おおうっ!!

な、何て大きい綺麗なおっぱいなんだ…!!


「あ。ま、真人…!!///」


慌てて大きな双丘を隠したあかりだが、その艶やかなおっぱいは、既に俺の脳内にしっかりと焼き付いた。


神様、ありがとうございます…!!!


俺は大量の鼻血を吹き出して、その場に昏倒した。


「ま、真人ぉっ!!!」


気が遠くなる中、彼女の悲鳴が聞こえた気がした。






*あとがき*


読んで頂きまして、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます

m(_ _)m


今後ともどうかよろしくお願いします。

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