第2話

また話してる。

楽しそうに。

私も話したい。

彼と二人で。


私のクラスメイトたちは、

遂に彼と莉那をカップル認定し始めた。

二人が話していると、

男子たちはヒューヒュー言って冷やかす。

女子たちは遠巻きに見て二人ってお似合いだよね、と話す。


私もそれに混じって、親友とそんな感じの会話をする。自分で心の傷を抉っているけど、彼が莉那と幸せそうに話しているからそれでいい。

誰かが言ってた。初恋の80%は叶わないって。

これまで切ない恋だったなあ。


それでも、彼に恋してしまう。

彼の言動、仕草、たまに見せる満面の笑み。

全てがキラキラして見える。


抑えきれなくなって、友達に話してみた。


「へぇ、栞、あいつのことが好きだったんだ〜

意外だけど結構モテるしいいと思うよ」


「そうかな。

 でも莉那がいるし…」


「そんなん無視して告白しちゃえばいいじゃん!         当たって砕けろ!告白したもん勝ちだよ!」


「砕けたくはないんだけど…

ま、まあ頑張ってみるよ。」


「うん!恋はこうでなくちゃ!」


話はすぐに済んでしまったけど、

告白することにした。

彼と莉那は正式には付き合ってないらしい。

明日は彼の誕生日だから、プレゼントと一緒に告白の手紙を入れて見ようと思う。


学校から帰ると、

荷物を放って手紙とペンを取った。

まず最初に誕生日おめでとうと書いた。

そして、告白の部分に入った。

彼への想いを一生懸命綴る。


お返事はいつでもいいです、っと。

なんとか書き終わった。

すごく恥ずかしいけど。

プレゼントと同封。

よし。

明日が楽しみだ。


〜第3話へ続く〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る